インタビュー記事作成のコツを紹介する記事の第2回。前回は「準備編」ということで、取材の前にやっておくべきことを説明しましたが、今回は実際にインタビューをする際のテクニックです。
例えば、質問に詰まってしまったとか、思ったより話が聞けなかったといった事態を避けるためのヒントが見つかれば幸いです。
オウンドメディアやサービスサイトなどで、事例を紹介する際にお客様や社内のスタッフにインタビューをすることもあると思いますので、ぜひ参考にしてください。
▼1回目の記事はコチラ
まずは話しやすい雰囲気を作りましょう
インタビューでは何はともあれ、インタビュイーに話してもらわなければいけません。話しやすい雰囲気が重要ですね。そのためには、いきなり本題に入るのではなく、いわゆる「アイスブレイク」で雑談などをしながら、和やかな雰囲気にするよう心がけましょう。また、質問するほうが堅くなってしまうと、その緊張が相手にも伝わってしまいます。なるべくにこやかな表情で話をスタートしたいものです。
最初に、インタビューの目的について簡単に説明しておくことも重要です。方向性を明確にしておくと、話が脱線しにくくなります。あわせて「インタビューが40分、その後撮影が15分程度です」といったような、大まかなタイムスケジュールも伝えておきましょう。時間配分を明確にしておかないと、撮影の時間が足りないといった事態に陥ることもあります。
質問に詰まってしまったときの対処方法
実際に質問をする際に気を付けたいこと。それは質疑応答にならないようにするということです。用意した質問を読み上げるだけでなく、なるべく会話をするように取材をしましょう。
ただ、どうしても思いどおりに取材が進まず、やり取りがぎこちなくなったり、質問に詰まってしまうこともありますよね。そういった状況を解消するテクニックを紹介します。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン
オープンクエスチョンとは、制約を設けず自由に答えてもらう質問です。「どう思いますか?」とか「今後の予定は?」といった問いですね。
それに対して、「AかBか?」とか「YesかNoか?」といった具合に、回答範囲を限定した質問をクローズドクエスチョンといいます。オープンクエスチョンは話が広がりやすく、予想しなかった回答を得られる傾向があります。ただしインタビュイーが答えやすいのは、一般にクローズドクエスチョンのほうですね。
例えば、質問に対する答がなかなか出ないときはクローズドクエスチョンに切り替え、話が広がりそうなときはオープンクエスチョンに切り替えるなど、2種類の質問をうまく組み合わせれば、取材がスムーズに進むはずです。
「6W2H」で質問を広げよう
次に聞くことが思いつかない! そんなときは「6W2H」で質問をつなげていきましょう。ご存じかもしれませんが「6W2H」とは、When(いつ)/Where(どこで)/Who(誰が)/Whom(誰に)/Why(なぜ)/What(何を)/How(どのように)/How much(いくら)のことです。
インタビュイーの答えに対し、「それはいつですか?」「どこでですか?」「どのように進めたのですか?」といった具合に質問していくわけです。より深い話を聞き出すテクニックとしても有効ですね。
あえてネガティブな質問をしてみる
通り一遍の答しか話してくれないな……と感じたら、あえてネガティブな質問をしてみるのも手です。例えば、会社のいいところを話してもらう取材であっても、「逆に不満に思っていることはありますか?」といった質問を投げかけるわけです。そこから新たな話題につながり、いい話が聞けることがあります。
メモの取り方のポイント
「準備編」で説明したように、取材時にはボイスレコーダーなどで音声を録音するのが一般的です。ではメモはとらなくてもいいのでしょうか? 結論からいえば、メモはとったほうがいいでしょう。メモをきちんととっていると、インタビュイーも「自分の話をしっかりと聞いてくれている」と感じ、話にも力が入ります。
ただし、話している内容をすべてメモする必要はありません。書くことばかりに集中してしまうのも問題です。メモをとるのは「これは記事に使えそうだ」というキーワードを中心にするといいでしょう。
さらに、タイトルや中見出しに使えそうなキーワードには○などの印を付けておきます。こうしてとったメモは、記事の構成を組み立てる際に非常に役立つものとなります。
また、話を聞いている内に新たな質問が浮かんでくることがあります。思いついたら忘れずに、メモの欄外にでも書いておき、タイミングを見計らって質問してみましょう。
写真を撮る場合の留意点
取材の際、同時にインタビュイーの写真を撮ることも多いと思います。時間や予算に余裕があるのなら、カメラマンには、さまざまなカットを撮っておいてもらいましょう。実際にレイアウトを組むときに「右フリの写真しかない!」といった事態は避けたいですよね。
まず、右フリ左フリは両方撮ってもらいます。あと、目線あり、なしの写真もあるといいですね。話しているときの写真も、できれば身振り手振りがあるものが望ましいです。さまざまなパターンを撮っておけば、実際に記事にする際にレイアウトしやすくなるはずです。
実は重要な取材後のやり取り
取材が終わりました。ただし、「ありがとうございました!」と挨拶をした後でも、実は気を抜いてはいけません。取材が終わってリラックスしたインタビュイーが、ぽろっといい話をつぶやくことがあるからです。
書類などを片付けながら、こちらから「そういえば○○って、ホントのところどうなんですか?」といった感じで質問を投げてみるのもいいでしょう。ボイスレコーダーは止めても、最後までメモとペンは手放さないようにしましょう。もちろん、だらだらと話を続けるのは厳禁ですが。
<最後のまとめ>
今回はインタビューのノウハウの第2回目ということで、実際の取材時のポイントを紹介しました。どれも、実際に筆者が取材で活用しているテクニックばかりです。ただし、取材は水物、予想外の展開も十分考えられます。落ち着いて臨機応変に対応するというのも、大事なテクニックといえるでしょう。3回目の最終回では取材が済んだ後の作業、つまり原稿執筆のノウハウを紹介します。
オンラインインタビューで気をつけたいポイント
昨今はZoomなどを利用したオンラインインタビューを行うことも多くなっています。
通常のインタビューとは勝手が違いますが、リアルに対面できない場合の会話のテンポや撮影素材の集め方など、しっかり把握しておくと安心して進めることができます。オンラインインタビューのノウハウをまとめた記事はこちらからどうぞ。
ちなみに、オウンドメディアを始めたいなら、自社サイト内にブログが設置できる制作サービス「BiNDup」がお勧めです。
スタッフブログやニュースメディアまで、バラエティ溢れるテンプレートがありますのでチェックしてみて下さい。
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POINT
- YesかNoかで回答できるものと、自由に答えてもらうものを臨機応変に織り交ぜる
- メモを取ることだけに集中しすぎないようポイントに絞ると記事構成するときに役立つ
- 撮影時は同じ角度だけでなく、左右のフリのものを押さえておくと使いやすい