ひとりでできるインスタライブの始め方。アーティストやショップでの活用術

最近は有名アーティストの「無観客ライブ」がオンライン配信されることが増え、そのクオリティの高さや内容の充実度が話題ですね! コンサートの現場に行けないのは少しさみしいですが、忙しくても、遠くに住んでいても特等席から好きなアーティストのライブが観賞できるのは、オンラインならでは。今後は、もっと増えていきそうなトレンドです。

大手の配信サイトを利用できるのは有名人のみになるかもしれませんが、個人やインディーズでもオンライン配信で音楽活動をしたり、ブランドのマーケティングを行ったりと、スモールビジネスで活用している例もたくさんあるんです。

そこで今回は、スタート時の敷居が低く、ファンと繋がりやすいこともメリットのInstagramでの活用例をメインで紹介してみたいと思います。

Instagramの動画配信は主に3種類

まず、Instagramで動画を配信をするための機能がいくつかあるので確認しましょう。

通常の投稿フィードにも保存済みの60秒までの動画を投稿する機能もありますが、動画投稿の主流は以下の3つになってきています。

1.IGTV(アイジーティービー):1時間までの既成動画をビデオ配信

1分以上の動画をInstagramで配信するために用意された機能で、1分以上かつ、スマホでは15分、ウェブサイトからアップロードする場合は60分までの動画を配信できます。通常の投稿と同様に[+]ボタンをタップしてライブラリから動画を選び、[長尺動画]を選択し、サムネールやタイトルを設定してアップロードします。

IGTVを投稿するとアカウントのプロフィール欄に、IGTVマークが表示されるようになり、そこからすべてのアーカイブを閲覧できるほか、IGTV自体が検索対象となるので、Instagram内の様々なフィードにも表示されます。

  • スマホからの動画の配信時間:1分〜15分まで
  • PC(ウェブ)からの動画の配信時間:1分〜60分まで
  • 容量制限:10分以内の動画は650MB以内に納める、それ以上は3.6GBに納める
  • アスペクト比:9:16もしくは16:9(縦横はどちらでもよい)
  • ファイル形式:mp4(スマートフォンで動画を撮影するとmp4保存になっています)
  • フレーム数:30fps
  • 動画の解像度:720ピクセル以上
  • カバー写真の解像度:420×654ピクセル以上(アスペクト比1:1.55)
    以上Instagramのヘルプより

また、インスタライブをしたときに、その保存場所としてIGTVを使い、ライブのアーカイブとして公開することもできます。

2.Instagram Live(インスタライブ):フォロワーにリアルタイム配信

Instagram Live(通称、インスタライブ)は、Instagramで、映像をリアルタイムで配信できる機能です。スマホ1つで始められ、フォロワーに対して配信が行えます。視聴者はコメントができるので、配信しながらコミュニケーションもしやすいのも特徴です。

インスタライブは最長で60分間の配信ができ、IGTVの保存時間と同じ長さです。また、インスタライブは自分のアカウントのフォロワーしか試聴出来ませんが、IGTVはInstagramを使用していれば(非公開アカウント以外)誰でも閲覧できる、というところが違います。

配信デバイスは、公式にサポートされているのはスマホかタブレット用Instagramアプリからのみです(あちこちのサイトではPCから配信する裏技も公開されているようです)。

スマホ配信のため、縦型動画が基本になります。

  • 配信できる端末:スマートフォンやタブレットのInstagramアプリから
  • 長さ:60分まで
  • 視聴できるのはフォロワーだけ
  • 視聴者の中からゲストを招待し、上下分割画面で対話トークの配信ができる
  • 配信終了後にIGTVでリプレイをシェアできる

3.Reel(リール):30秒までの動画を編集&配信

ストーリーズの中に追加されたショートビデオの作成・シェア機能です。30秒までの動画と短い尺に限られており、人気のショートビデオSNSであるTikTokとよく似た動画投稿機能です。ストーリーズを作成するボタンを押してから横スワイプで「リール」を選ぶと音楽や加工を付けたりしながら、録画ボタンを押している時だけ動画が撮れ(離すとストーリーが区切れます)、合計で30秒以内の動画にしたら投稿するイメージです。

SNSで人気のタテ型動画のメリットと活用ポイントをご紹介

シェアする際に[リール]タブを選択し、[発見タブでリールにシェア]を選ぶとアプリ内へ表示が許可となり検索結果などへ表示可能に、また[フィードにもシェア]で通常のフィードに投稿されます(フィードは縦横比4:5なので縦長のリールは下が多少切れる場合があります)。シェアすると自分のプロフィールにリールボタンが表示されリールが常時見られるようになります。こちらは縦長でも天地の全てが表示できます。

一方、シェアする際[ストーリーズ]を選んだ場合は通常のストーリーズと同じように表示され、24時間で消えます。

  • 配信できる端末:スマートフォンのInstagramアプリから
  • 長さ:15秒、または30秒まで(ピッタリでなくてもOKです)
  • 視聴できる相手はシェアする際の設定やプライバシー設定による
  • フィードにもシェアした際はプロフィールの[リール]タブ内にアーカイブされ常時表示される
  • ストーリーズにした場合はハイライトとして再公開できる

以上の主な3つの中でも、視聴者とリアルタイムコミュニケーションが取れるインスタライブは、ファンや顧客などと繋がるのに最適なツールと言えるでしょう。実際にインスタライブは今年、視聴時間が大幅に伸びました。2020年の4月にはコロナ自粛の影響で、アメリカ国内での利用はたった1ヶ月で70%もアップしたとのこと。いかに気軽なコミュニケーションツールだったかがうかがわれます。

アフターコロナの時代になっても、フォロアーに対して手軽に配信でき、終わった配信を必要とあればストックとしてIGTVで公開できるプラットフォームはさらに伸びていくでしょう。より身近になってきたライブ配信を、みなさんも宣伝やブランディングに活用してみませんか?

インスタライブ活用例①音楽のライブや劇団での活用

スマホのマイクとカメラからの配信になるのでごくシンプルな構成になるのが通常ですが、生演奏をメインに、手軽なバーチャルコンサート配信のためによく利用されています。グラミー賞シンガーのジョン・レジェンドさんや、コールドプレイのクリス・マーティンさん、宇多田ヒカルさんやワンオクロックのtakaさんなどもインスタライブでトークや演奏を披露しました。

宇多田ヒカルインスタライブ画像

宇多田ヒカルさんがインスタライブをしたときの様子

配信画面には、常時視聴者のコメントが画面の下に表示されます。また、視聴者の中からゲストを選択して同時出演してもらえるので、コラボのゲストや一般のゲストとトークしながらの配信も可能です。

インスタライブは、現在のところ配信に課金することができないため、バーチャルライブとしてはプロモーションの一環という位置づけになってしまいますが、2020年秋にバッジの販売という「投げ銭」に似た機能がInstagramで順次提供開始されました。現在はまだテスト的に5万人のトップクリエイターにのみ提供されているので、最終的に全員が使えるようになるかは未定です。ストーリーズでも一部の機能が1万人以上フォロワーのあるユーザーにしか提供されないように、何らかの制限は付くかもしれません。

ただし、ファンと繋がりがとても近く、反響も直に見られ、さらに金銭的なサポートも直接得られる手段の追加で、インスタライブがクリエイターの収入を少しでもサポートすることになればいいですね!

アーティスト業では劇団なども集客が難しい時期です。たとえば、イギリスの国立劇場「National Theatre」は、俳優さんに質問をして答えてもらう簡単なトークや、ライブ配信してアーカイブしてファンに公開しています。

ナショナルシアターのライブ配信画像
上記の劇団では、募金キャンペーンも現在展開中。InstagramとFacebookでは、ヨーロッパ諸国とアメリカを中心に、非営利団体に対して募金キャンペーンを設定できます。日本が未対応なのは残念なところです。

インスタライブ活用例②販促&質問会

コロナ禍で気軽にお店に来てもらうことが難しくなってから、オンラインショッピングすることが増えたことで、お客さんとの接し方もオンラインで行う頻度が増えています。

ファッションでは、店頭に来られないお客さんのために、店頭スタッフがSNSを使ってコーディネートや商品紹介を行うことが増えています。例えば衣料や雑貨などのセレクトショップBEAMSは、積極的にインスタライブでコーディネート紹介をしたり、おすすめの商品の紹介をしています。以下はRay BEAMS SHINJUKUのオフィシャルInstagramから。

BEAMSのインスタライブ画像

商品の販売リンクこそLIVE動画内に表示できないものの、商品名や形や素材や着こなしといったさまざまな知識をスタッフさんが丁寧に説明してくれるので、オンラインショップで購入してもらったり、フィードの投稿から商品を見つけてショップで購入したり、といったことがしてもらいやすくなります。

もっと小規模な個人ブランドなどでは、デザイナーや職人さんがライブに出て商品を説明、そのまま当日販売開始!といったショップもたくさんあります。例えば、「着やせの神」というニックネームをもち、着やせコーデの著書もある太めの女性向けブランドKinglilyをもつデザイナー岡田さん(kinglilydesigner)は、以前より着やせコーデのインスタライブを配信、質問や悩みに答えるなどで人気です。さらに、新商品もライブでお披露目し、人気アイテムは即完売してしまいます。

Kinglily インスタライブ予告画像

インスタライブの告知は、通常ストーリーズをメインに行われています。当日の内容がよくわかるように工夫されてます

また、日本の伝統業界も負けていません、雑誌などで紹介されることも多い着物店「銀座もとじ」(ginza_motoji)も、ライブ配信に積極的。作家さんとお店のスタッフさんとの対談などをライブ配信しています。着物の場合は高額商品でネットですぐ買う…というものはお店にとってはメインの売り上げとなることは難しいですが、比較的若いインターネットを使う層のファンとの繋がりを強くしたり、コーディネート例などを楽しんでもらうことで、将来の来店を促す効果が期待できそうです。

銀座もとじのインスタライブ画像

海外に目を向ければ、大手のファストファションブランドPRIMARKなどでは、商品紹介ライブだけでなくグッズ紹介やメイクアップアドバイス、自宅でのエクササイズ動画などまで配信。IGTVにストックされ、間にはプロモーションビデオも公開されているので別の目的で来訪した視聴者が「続けて観」も期待できそうです。

メイクアップ講座は他の画像の倍は見られています

Primarkの公式ライブ

話している人はスタッフではなくビューティージャーナリストのようです。このようにライブにゲストをアサインすることもできますね

化粧品ブランドの例では、資生堂の「プリマヴィスタTV」(primavista_official_jp)のように、メイクアップの実演をするプロモーションをスタートしたところも。ネット広告まで出ているので大がかりですが、それだけインスタライブがいま、盛り上がっている証拠ですね!

プリマヴィスタ公式のライブ予告画像

まだまだ探せばさまざまなな例が見つかるでしょう。みなさんのビジネスや活動に近く、参考になりそうな活用をされている方をぜひ探してみてください!

インスタライブを始める前に知っておきたいこと

本番前にはリハーサルをする

インスタライブはすぐに始められるので、本格的にスタートする前に自分のアカウントから自分のフォロワーに配信する練習はぜひしてみたいところです。音声が入ってないよ、とか、画面がよく見えないよ、はたまた60分経過して途中で終わっちゃったよ、といった基本的なトラブルは練習配信で慣れておくことができるでしょう。

それ以外にも本番のアカウントや会社で運営中のアカウントでライブをする前に、いくつか確認しておきたいことを紹介します。

告知とアーカイブを残すのも忘れずに

インスタライブは、他の投稿と違って検索しても「ライブ中のアカウント」のような検索結果一覧として出てきません。また、インスタライブは観たいと思ってもまずフォローしないと観られないようになっています。

逆に、Instagramの通知をオフにしていない限り、自分のアカウントフォローしている全員に、「Live配信が始まりました」というリアルタイムの通知が出ます。Instagramはスマートフォンで、しかも一日に何度も観られているSNSなので、この通知だけでも気づくユーザーはけっこういると思います(YouTubeは改めてリマインダーを設定しないと通知はされませんがInstagramはデフォルトが通知です)。

より多くの人に観てもらいたいならば、ストーリーズや投稿にフライヤー的なものを作り、「11月1日18時からライブします」といった告知をしっかり行いましょう! 告知をした上でさらに通知が行けば、観たいと思っていた人も準備ができてライブを見逃さずにすむようになるでしょう。なお、視聴はPCからも可能です。

もうひとつ、Twitterなどに「インスタライブの配信を開始しました」とスタート時にツイートでお知らせするなど、リアルタイム性の高い別のSNSを活用するのもいいかもしれません。

より多くの人に観てもらいたい内容ならば、ライブが終わった後すぐにIGTVとして公開しましょう! IGTVは投稿と同じように検索画面に出てきますから、サムネール動画、サムネール画像、タグ付けなどもしっかり行うことで、Instagramの検索からクリックされやすくなります。

ライブ視聴に課金することはできないの?

ここまで、インスタライブについて紹介してきましたが、「ライブに対して課金するということはできないのだろうか?」と考える方もいるかもしれません。

方法としては一応あって、フォロワーからフォロー申請してもらい、非公開アカウントを使い、別途ショッピングカートやイベントオーガナイズサイトを使ってチケットを購入した人だけを承認し、非公開でライブ配信する、というやり方があります。

チケットの販売はPeatixもいいですが、「BiNDup」のようなホームページ作成サービスを使い、クレジットカード決済が可能な申し込みのWebページを作って、購入者にはログイン情報をメールなどで送付する方法もあります。(BiNDupは商品点数が5つまでは無料でカート機能が使えます)

失敗しないオンラインセミナーのための進め方と収益化の手段

このやり方では課金の確認やユーザーの承認・ブロックが手動になってしまうので、かなり手間はかかりますが、考え方はFacebookグループを利用したオンラインサロンの運営と同じ要領です。ライブの度に手続きをするのが大変になるので、サロン風の運営のほうがやりやすいのは確かですね。

配信に課金するための方法については、いまみんなが使うよういなったZoomでウェビナー(オンライン配信)を行うときも同様に課題といえるでしょう。

参考まで、今は英語のみの対応ですがEventbriteStageitのようなワンパッケージでチケット販売・配信・アーカイブ公開までできるオンラインイベントのオーガナイズサービスが日本でも流行るかもしれません。これらのサービスはチケット枚数ごとに手数料もありますが、配信の前後の手間をトータルにサポートするということで利用者が多いようです。

また、国内大手のサービスもいろいろ動いています。コブクロがライブに利用したリクルートのTixplusのFanStreamようなサービスや、電子チケットサービスのボードウォークで提供するneo bridgeのような配信付ソリューションがインディペンデントのミュージシャンなどでも使えるようになるかもしれません。

オンラインショップと違い、課金の方法にはまだ課題はありますが、ライブ配信を活用してファンを増やしていくことは、どんなビジネスでもきっと役に立つはずです! みなさんも、これからチャレンジしてみませんか?
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