失敗しないオンラインセミナーのための進め方と収益化の手段

前回は、Zoomを利用して、無料でウェビナー/オンラインセミナーを始めるための基本的な情報を扱いました。今回は、その続きとして、ウェビナーの具体的な進め方や、リアルタイムで行った内容を保存(録画)して再利用する方法とそのメリット、そして、最小限の費用で収益化(参加者に対する課金)を行うための手段についてお話ししたいと思います。

▽前回の記事はこちら

無料のビデオ会議ツールでオンラインセミナーを始めよう!


前回のまとめのところで、「Zoomの有料プランでは録画機能も利用できる」と書きましたが、正しくは「Zoomの有料プランではデバイスを問わずクラウドへの録画機能も利用できる」ということで、無料プランでも(スマートフォンやタブレットではなく)コンピュータをホストにした場合には、ローカル保存の録画機能が利用可能です。そのため、どちらのプランでもウェビナーの記録を残すことはできる反面、ローカルの録画機能には注意点もあるため、そこを中心にお伝えすることにしましょう。

一方で収益化に関しては、Zoomのサービス内で参加者に課金しようとすると、有料のプロプランと、同じく有料のウェビナーライセンスを取得する必要があり、トータルでは結構な金額となってしまいます。

そこで、ここでは、参加者に対する課金を、外部サービスの利用によって行うことを考えました。その場合、多少の手数料は発生しますが、Zoom内で行うことに比べて、少ない費用で実現することが可能です。自前の告知ページと、外部の課金システムを組み合わせることで、ウェビナーから収益を上げられるようにしてみましょう。

Zoomのミーティングとウェビナーの違いとは?

前回、Zoomの無料プランでウェビナー/オンラインセミナーを行う前提で話をしましたが、もしかすると、Zoomのサービスの中に公式のウェビナーライセンスというものがあることに気づかれた方もあるかもしれません。Zoom自体がウェビナーの機能を提供しているのであれば、なぜ、それを使わないのか、疑問に思われる人も居るでしょう。

そこで、Zoomにおける普通のミーティングとウェビナーの違いを下の図にまとめましたので、少し説明しておきたいと思います。これとよく似た比較の図は、Zoomのサイトにも用意されているのですが、サービスのアップデートが頻繁に行われているうえ、ライブ配信については、外部サービス側の更新によっても利用できなくなっているケースもあるため、情報自体がやや古くなっているといわざるをえません。この図では、わかる範囲で最新の状態にしています。

ポイントとしては、Zoomが提供するウェビナー機能では、最大1万人まで(Zoomサイト内の情報では、5万人となっている場合もあるのですが)の配信がサポートされていたり、参加者一覧を見たりビデオ共有ができるのがホストとパネリストに限られるなど、ホストがウェビナー運営を行いやすいような仕様となっていることが挙げられます。

また、ライブストリーミング的に視聴のみを行える参加者が存在できたり、投票や仮想的な挙手、Q&Aに特化した機能が用意される点も、Zoomウェビナーの特徴です。
それらのウェビナー向け機能は確かに便利なものですが、有料のプロプラン(月額2,000円、もしくは年額20,100円)にした上で、さらに参加人数(100〜1万人)によって異なるウェビナーライセンス(月額5,400〜872,300円、もしくは年額53,800〜8,72,3,600円)が必要となり、最初から購読するにはコスト面でのハードルが高いことも事実です。

そこで、当初は負担にならない無料ライセンスの範囲内で試行してみて、何回か行ううちに一定以上の規模を維持できるようになり、コストをかけてもそれに見合う効果が得られるようになった時点で、有料サービスを利用していくような段階を踏むことをお勧めします(もちろん、問題がなければ、無料プランのままでも良いのです)。

ミーティングとウェビナーの違い
Zoomが提供するウェビナー機能は、確かにホストする側の利便性を考えたものですが、有料プラン+ウェビナーライセンスの購読が必要となるため、投資対効果を考えると、規模が小さいうちや特にコストをかけずにウェビナー的な情報提供を行いたい場合には、ミーティング機能を工夫して利用するほうが適しています。

ウェビナーの進め方

さて、ウェビナーの具体的な進め方ですが、一般的なミーティングは、それなりの資料も用意しつつ、その場での意見交換や、その取りまとめが主眼となるのに対して、ウェビナーでは事前の準備や段取りが重要となります。

事前準備で心がけたいこと

中には話術だけで聴衆を惹きつけられる人もいるかもしれませんが、通常は、一定の時間内(Zoomの無料プランを使って行う場合には、最大40分)で伝えるべきことを網羅できるように、プレゼンテーション画面を用意しておくほうが無難です。たとえば、前後に少し余裕を見て正味30〜35分程度で話しおえるつもりであれば、1スライドあたり2分程度話すとして、15枚程度のスライドにまとめるようなイメージです。

Appleの元CEOでプレゼンテーションの名手だった故スティーブ・ジョブズは、2時間のキーノートのために数週間前から準備し、本番前の1、2日間はリハーサルを何度も繰り返して完璧を期したといいます。そこまでしなくとも、事前に実際に声を出して説明しながらプレゼンテーションを再生し、理想的なペース配分を見極めておきましょう。
ちなみに、ウェビナーの中には、パネルディスカッション形式を採るものもありますが、40分に収めるのであれば、ホストとゲストの2名での対談レベルに留めるべきです。それ以上の人数では、質問数も限られるうえ、個々の発言時間も大変短いものとなってしまいます。

本番中のトラブル回避と円滑に行うヒント

また、参加者にはマイクをミュートしてもらい、不用意に音を拾って画面が切り替わらないようにしてください。同様に、参加者の顔が見えたほうがやりやすい場合は、そのままでも問題ありませんが、必要に応じて参加者側のビデオを停止してもらえば、ネットワークの負荷が減り、よりスムーズに進行することができます。

そして、前回も書きましたが、ウェビナーに初めて参加する人がいる場合、接続に手間取ることもあるので、本番前や、場合によってそれ以前の別の日に接続テストの時間を設けて、実際につながるかどうかの試験をしておくと良いでしょう。

本番が始まってからも、いきなり本題に入らず、最初の1、2分は天候や身近なニュースなどの雑談的な話題に触れることで、自分と参加者との間にあるよそよそしさや緊張感を和らげるのも1つの方法です。ある意味で落語の枕話のような、前説にあたるもので、準備運動的な役割を果たします。
慣れれば、常にリラックスした状態で進行できるようになるはずですが、最初のうちは、話の途中でも緊張してしまうかもしれません。そのようなときには、あえて隠さずに緊張していることを打ち明け、深呼吸などして続けるようにしてみましょう。

さらに、ウェビナーの終了後は、ホスト側でいきなりセッションを終えずに、参加者が全員退出するのを待ってから切断したほうが、唐突な印象を与えずに済みます。このような気遣いが求められることは、参加者の立場になってみると、よく理解できるはずです。

無料プランにおける録画機能の注意点

ウェビナーの様子は、録画(スクリーンレコーディング)しておくことで、再利用することが可能となります。これによって、リアルタイムで観られなかった人も後から閲覧できたり、自分のプレゼンテーションの様子を振り返り、改善すべき点を発見することができるわけです。

Zoomには、そのような録画機能が備わっていますが、有料プランでは、録画された動画ファイルの保存場所として、クラウド上と、ホストのコンピュータ内のストレージへのローカル保存の、どちらかを選ぶことが可能です(ただし、スマートフォンやタブレットの場合には、クラウド保存のみ)。一方、無料プランでは、コンピュータでのローカル保存だけが有効で、スマートフォンやタブレットをホストにした場合には、録画機能そのものがサポートされません。

有料プランでサポートされるクラウド保存のメリットは、プランに含まれる1GBのクラウドストレージが利用できることと、動画ファイルそのものを送らなくても動画のリンク情報を使って共有が可能となる点です。

ローカル保存の場合には、ハードディスクやSSDなどのストレージ容量を取ってしまう難点がありますが、有料プランでも、1GBでは足りなくなった場合に容量を追加するには追加料金がかかり、基本料金のままで無限に保存できるわけではありません。逆に、無料プランでも、保存された動画ファイルをYouTubeなどの動画共有サービスにアップロードする手間を惜しまなければ、元の動画ファイルを削除してストレージの圧迫を防ぐことができ、共有も楽に行えるようになります。

無料プランで録画を行う方法

無料プランで録画を行う方法は、以下の図にまとめましたので、まだ行なったことがない方も試してみることをお勧めします。
レコーディングメニューZOOMアプリの「設定」コマンドを選ぶと現れる設定アイアログで「レコーディング」を選択すると、録画機能に関する設定パネルが表示されます。基本的には、標準の設定のままで構いませんが、右上の「レコーディングの保存場所」を確認しておきましょう。「開く」ボタンで該当するフォルダを開いておけば、保存後の動画ファイルを見つけやすくなります。

レコーディング中
実際の録画の開始は、ミーティングウィンドウの下部のメニューにある「レコーディング」ボタンで行います。録画中かどうかは、左上の「レコーディング」の表示でわかる仕組みです。

レコーディング変換中録画で利用されるファイル形式はZOOM独自のものですが、セッションの終了時に、そのファイルが自動的に汎用的なMP4形式に変換されます。

レコーディング変換後
変換後は、先の設定ダイアログで確認したフォルダの中に、このように動画ファイルが保存され、自由に利用できるようになります。MP4形式のファイルの他、音声のみを収録したm4a形式のファイルと、プレイリストを記述したm3u型式のファイルも作られますが、動画の記録として必要なのは、MP4形式のファイルのみです。

無料/有料を問わずウェビナー開催に役立つPeatix

最後に、ウェビナーの収益化、つまり参加者に課金して、参加費を払った人のみがアクセスできるようにするための方法について書いておきましょう。

冒頭で触れたように、こうしたことはZoomのウェビナー機能を使えば可能なのですが、それなりのコストがかかってしまいます。そこで、外部のeチケットサービスと組み合わせて課金することを考えます。

昨今の新型コロナウィルス禍によるイベント開催の変化を受けて、以前はリアルイベントのみに対応していたeチケット販売の大手Peatixが、最近になってオンラインイベントにも対応しました。Peatixは、無料、有料のどちらのイベントにも対応し、有料イベントの場合にのみ「販売実績の4.9%+売れたチケット1枚あたり99円」の決済手数料がかかる仕組みです。

Peatixを使ったイベント情報の作成については、公式のヘルプに詳しく書かれていますので、そちらを参照していただくとして、かいつまんで説明すると、従来は実在する会場名を入力していたフィールドに「オンライン」と書き込むことでオンラインイベントの設定となり、イベント情報のページにもその旨が明記されるようになります。

Peatixを利用するメリットはイベント管理の容易さにあり、Peatix上の告知ページから申し込んだユーザーにのみ、ZoomミーティングのURLやミーティングID、パスワードなどを送ることができるため、有料ウェビナーの場合には課金ユーザーだけがアクセス可能となるわけです。
 無料ウェビナーの場合も、課金がなく手数料も徴収されないだけで、イベント管理は同じようにできますから、最初は無料で試してみて、徐々に有料に移行するというやり方をしてみても良いでしょう。
 
Peatixオンライン設定
Peatixのイベント作成ページの会場名欄に「オンライン」と入力することで、簡単にオンラインイベント(この場合はウェビナー)の設定になります。

Peartixオンラインイベント
オンラインイベントは、Peatixの告知ページにもその旨が明記されますが、リアルなイベントと同じようにチケットを購入することが可能です。

Peatixメッセージ
Peatixには参加者に対してメッセージを送る方法が3つ用意されており、これを利用して、チケット購入者にのみウェビナーへのアクセス情報を伝えることができます。

まとめ

本文中でも触れましたが、ウェビナーにとって最も重要なのことは、その内容、つまり伝えたいことです。リモートワークや、オンラインミーティングが注目されるようになった最近では、より良い画質や音質が得られるWebカメラや外部マイクなどの製品の情報も目につくようになりましたが、機材は、とりあえずカメラ付きのノートPCのみで始められます。最初からハードウェアに凝るよりも、実際に始めてみて、もし不足を感じるような部分があれば、順次、そこを補っていくようにすると良いでしょう。

ウェビナーの告知について

ウェビナーの告知に関しては、Peatixを使って不特定多数の人たちに向けて行うことができますが、大企業が行うような規模の大きなものでない限り、あるいは、自分のウェビナーが浸透して多くの注目が集まるようになるまでは、参加者は常連の顧客やその知人関係など、普段から自社サイトを閲覧してくれている方々が中心となるはずです。

その意味からも、ホームページ作成サービス「BiNDup」を使って、効果的な告知とわかりやすいPeatixへのリンクを含むページを用意しておくことは意味があり、ウェビナーを成功させるための第一歩といえるでしょう。
もちろん、自社サイトがあることでウェビナーのアーカイブを再販することも可能です。

さあ、あなたも得意分野を生かしてウェビナーを始めてみてください。

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