超基本!最低限チェックしておきたいSEOとGoogle アナリティクス
Google アナリティクスってメニューがたくさんあってどこから手を付ければいいか覚えられないし、数字やグラフが多すぎて、どこを見ればいいかわからない…。そんなふうに思われる気持ち、よくわかります!
私もかつてはサッパリ意味がわからなかったGoogle アナリティクスですが、少しずつ学んでいくうち、だんだんと見たい情報が取れるようになってきました。今回は、Web集客は専門じゃないけど、いつか勉強しなくちゃと思っている…という初心者や、クライアントからのSEO対策への要望に応えたいデザイナーの方に向け、SEOに特化してGoogle アナリティクスからサイトの改善点を見つけるための基本の使い方を紹介します。
SEOのためにGoogleアナリティクスでチェックすべきこと
Googleアナリティクスの画面とにらめっこする前に、SEOで何を改善するか?ちょっと考えてみましょう。
大事なのは狙いたいキーワードで訪問してもらうこと
SEO(Search Engine Optimization)は、しばしば「検索上位に出てくるようにするための対策一般」と言われます。自社サイトの記事が、Google(およびYahoo!)検索サイトでより上位に表示され、より多くクリックされた結果、訪問者が増えるようにする…というようなことです。
では、ナンでもカンでも上位に検索されればよいでしょうか? 自社のビジネスに関係のないアクセスだけが増えても長期的にはあまりビジネスに貢献しないでしょう。大切なのは、「自社サイトの提供するサービスのキーワード」と「ターゲットとなるお客さんの検索するキーワード」が合致し、そのキーワードで検索上位に表示されること。「お客さんとの出会いを増やすキーワードを見つけて育てる」ことがSEOのゴールです。
たとえば、雨具やアウトドア商品を売っているお店の場合。たまたま「山ゴハン レシピ」などで検索上位を獲得したとしても、自社でレシピや調理器具を販売していないのであれば、悪くはないけれど、あまり「よいSEO」とは言えません。これがもし、「雨具 正しい選び方」「子供 雨具 山」などでヒットするように調整できれば、商品販売に結びつく非常によいSEOになっていくでしょう。
Googleサーチコンソールとの連携はマスト
Google アナリティクスに、SEOそのものを向上させるボタンはありません。計測ツールとして「よいSEO」のキーワードからの集客が増えているか、減っているかを確かめるのが、SEOにおけるGoogle アナリティクスの役割です。
また、Google検索での検索キーワードは、通信の暗号化によって直接見ることができません。そこで、Google サーチコンソールの利用はマストです。まだ使っていなかったら、いますぐにも使いましょう。
以下、この設定は終わっている前提で、次のようにGoogleアナリティクスのチェックポイントを見ていきましょう。
Google アナリティクスでわかるSEOとは?
Google アナリティクスは実に多くのメニューが並んでいますが、カテゴリーに分けて考えていくと比較的、数字や用語もアタマに入りやすくなります。
アナリティクスは、基本的に自サイトに来た訪問者が
- どんな人なのか…「オーディエンス」メニュー配下でチェックできる
- どこから来たのか…「集客」メニュー配下でチェックできる
- どんな内容を読んだのか…「行動」メニュー配下でチェックできる
が分かります。さらに細かく設定を行えば、自サイトでどのようにページを遷移してコンバージョン(購入や成約)に至ったのか、もしくは至ることなく離脱したのかまで確認が可能です。今回の記事では、「集客」と「行動」しか見る必要ありません!
サイトへの訪問者が「どこから来たか」の「集客メニュー」には「Google検索からきた人」の数の変化がチェックできます。また、その人たちが「どこへ入って出たのか(どんな内容を読んだか)」は、「行動」メニューからチェックできます。
では、具体的にどんな流れで観察するか、ざっと流れを紹介しましょう。
集客→参照/メディアで「どこから来たのか」チェックする
Google アナリティクスの中で「集客」メニュー以下は、自サイトに来たユーザーがどこからのリンクを参照して訪問したかがメインの情報になります。その中でも「参照元/メディア」は、Google検索からの来訪者割合が一目でわかります。
もし、前回の調査日との増減を確認したいなら、期間の指定で比較する期間を追加できます。この際、異なる長さの日数同士を比較しても意味がないので、1か月ごと、1週間ごと、などで比較してください。簡単な方法なら、グラフ右上の期間をクリックして、「比較」にチェックを入れて比較期間を指定し、「適用」をクリックします。
適用をクリックすると、グラフや表の内容も2つになり、前期間との変化がひとめで分かりますす。
訪問者の先週との比較。この場合は残念ながら、検索からの訪問数が減っています。とくにYahoo!からの検索(オーガニック検索)が減っているようなので、単純に検索ボリュームが減ったという場合もありますが、もしかするとYahooでの表示が何か変わったのかもしれない…などの推測もできます。
このように、サイト全体での検索訪問の変化を把握したら、次はどのような記事が影響を与えているのか、見てみましょう。
行動→サイトコンテンツ→すべてのページ で「何が読まれてるか」
「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」もしくは「ページタイトル」では、URL(「ページタイトル」では本来同じURLでもタイトルを変更した場合は表示が分割されてしまいますが、記事の名前がわかりやすいので閲覧しやすいので使い分けてみましょう)ごとにサイトのページビュー、訪問数が把握できます。
上の図では、2番目にアクセスの多いページが、先週比で20%近くアクセスが減っていて、サイト全体にも影響が出ていそうです。4番目のページのアクセスは伸びていますが、純粋な訪問数では、2位が200近く減っており、4位では20程度増えただけなので、10分の1程度の影響だとわかります。
検索訪問に絞り込む方法1:セグメント
上記の「すべてのページ」の内容では、検索から流入したユーザー以外にも、メルマガやブックマーク、またSNSからの流入ユーザーも含まれてしまいます。そこで、検索のみの情報に絞り込む操作をしましょう。
1つ目の方法は、セグメントで「自然検索トラフィック」というセグメントを指定する方法があります(この場合は検索からの流入のみが確認できますが、Google、Yahoo、Bingなどはまとめられます)。
セグメントを追加するには、グラフよりも上のほうにある「+セグメントを追加」とグレーで表示されている領域をクリックします。「すべてのユーザー」の箇所をクリックすると、現在のセグメントを削除して、別のセグメント指定になります。
リストが表示されたら、「検索トラフィック」を選び、「適用」をクリックします。
今回は日付で比較したかったので「すべてのユーザー」セグメントはドラッグして削除しました。以下のように、検索トラフィック情報のみが表示できます。
セグメントを変更して結果したところ、2番目のアクセスに影響を与えているのはやはり検索からの流入だとわかります。そのほかの流入を除いた場合にさらに減少率が高いことが確認できました。
大幅に増えている、減っているなどの差をチェックし、それぞれに変化があれば原因を探ります。例えば、「大幅に増えている」→「タイトルとリードを更新した」など、具体的に運用に因果関係があるかないかを考え、気づいたことは記録を取って関係者にシェアできるようにしましょう。
上の例では、Google検索の変動を確認してみると、あるキーワードでの順位が入れ替わっているということがわかりました。Googleアナリティクスと同じアカウントでGoogle検索した場合、上位キーワードは下記のような画面がユーザーだけに表示されて、確認ができるようになっています。
前後のライバルサイトと比較して記事に不備があれば修正しますが、今回は大きな修正はないので様子見にしました。ほかにも理由があるかもしれませんが、「Aという数字」⇒「B、Cといった原因改善」の道筋が検討できるようになると、いいですね。
検索訪問のみに絞り込む方法2:セカンダリ ディメンション
セグメントを使わない表示方法もあります。
「セカンダリディメンション」に「集客」→「参照元/メディア」を追加すると、URLごとに、自然検索で流入した訪問数を見ることができますので、メルマガや広告からの来訪者を除いて、SEOでの純粋な変化を見ることが出来ます。
この場合は、参照元/メディア毎ということで、Google、Yahoo!、Direct(参照なし)などと、細かく表示が分かれて表示されます。慣れるまでちょっと見づらいですが、細かく分析したいときに便利でしょう。
「セカンダリディメンション」というボタンをクリックして検索窓に「参照」と文字入力するとリストに「参照元/メディア」が表示されるのでクリックします。
その結果セカンダリディメンションが追加されて、ページごとの表示は参照元ごとに細分化されます。
じつは、こちらでみると、確かに大きく下落している2番目の流入も、検索トラフィック全体とは差があることから、リストを見ていくとYahoo!での下落率はさらに大きい(が、数自体は小さいため影響が小さい)ということが読み取れました。
訪問者が検索したキーワードを見る
「セグメント」は「すべてのユーザー」に戻しておきましょう。
続いてのチェック、「集客」→「Search Console」→「ランディングページ」では、Google 検索で流入したユーザーの数が変化が見られます。大幅に変化していればSEO順位の入れ替えを疑ってみましょう(単にニーズが増減している場合もありますが)。検索結果を見るにはSearch Consoleの利用開始と、Googleアナリティクスとの連携設定をあらかじめ行います。
ここで集計に表示される「表示回数」が検索結果に表示された数、「クリック数」が実際にクリックされた数、そして「クリック率はCTR(クリック数/表示回数)」です。掲載順位が上がっているのにクリック率が下がっているなどの場合、コンテンツがユーザーの気持ちと乖離していないか、考察してみることもありでしょう。ただし、順位が低いうちは、周りのサイトと比較して、自サイトの内容で改善すべき箇所を探すほうがよいでしょう。たとえば、読みやすさ、内容の深さ、分量など大雑把に、他に劣っているところがあれば改善します。
さらに、検索キーワードを確認するために「集客」→「Serach Console」→「検索クエリ」を選びます。「検索クエリ」は検索語です。
ランクが下がったとか、クリックされていない場合は、そもそもユーザーが知りたいと思ったことと、サイトの内容が異なる(あるいはリード内容が異なる)ことを疑います。上の例では、なぜか3番目にアクセスの多かった検索クエリで、掲載順位が大きく落ちています(「掲載順位」で「変化率」が増えているのは、順位が下がっているという意味)。
上位争いでは、ライバルとなる同様な内容のサイトがタイトルを変えただけなど、本質的でない原因でランクが下がってしまうこともあり、どこまで対応するかも考えどころですが、1位と2位ではクリック数は、一般的に、倍程度異なります。もしPDCAを回して改善を試そうというのであれば、履歴を記録した上でタイトル変更などを試みてもいいでしょう。
いかがでしたか? ほかにもモバイルとPCの訪問ごとの要素分けして分析したり、サイトの速度が影響していないかなど、見るべき箇所はいろいろありますが、ここで紹介した項目だけなら、そこまで時間をかけずにチェックができるでしょう。
Google アナリティクスは定点観測のためのツールです。SEOについても、このように「先週」「先月」などと比較しながら定期的に作業をするのがベストです。月曜日は必ず見る、そこで気づいたことは1つは改善してみる、などと決めてしばらく続けていくと、きっとあなたのサイトにもよい変化が訪れるはず!
Google サーチコンソール連携を使おう
なお、最後にGoogle サーチコンソールについて、紹介しておきます。
Google サーチコンソールは、自サイトのGoogle検索の結果をモニターし、インデックスが正しくされていることができるサービスで、こちらもGoogle アナリティクス同様、無料で利用できます。また、SEOの最適化のためのアドバイスも得られ、本来SEOの効果改善には欠かせないサービスになっています。
もしもGoogle サーチコンソールを始めてない場合は、いますぐ開始しましょう。登録する際のGoogleアカウントは、Googleアナリティクスで使っているものと同じものを使いましょう(連携をするため)。ただし、連携にはGoogle アナリティクスでプロパティの管理権限が必要です。
サーチコンソールで、サイトURLを「プロパティ」登録すると、しばらく確認に時間がかかり、その後登録が完了します。
Google アナリティクスからSearch Consoleのメニューを使えるようにする
Google サーチコンソールでサイトのプロパティを登録後、Googleアナリティクスの画面に戻ります。「集客」→「Search Console」配下のメニューをクリックすると、「このレポートを使用するには Search Consoleの統合を有効にする必要があります」という画面が出ますので、「Search Consoleのデータ共有を設定」ボタンをクリックして、連携作業を行います。
「プロパティ設定」が表示されるので、画面の下の方にスクロールダウンして「Search Consoleを調整」をクリック、「追加」をクリックし、開いたSearch Consoleの画面でサイト名を選び、「保存」します。
Googleアナリティクスの「プロパティ設定」も「保存」をクリックして閉じます。以上で連携が完了すると、上で紹介しているように、GoogleアナリティクスからもSearch Console項目が使えるようになります。
いかがでしょうか? とにかく複雑なGoogle アナリティクスもポイントだけピックアップすれば、知りたい数字を知ることができる便利なツールに見えてきますよね。
次回は、もうすこしGoogle サーチコンソールの調整についても詳しく紹介したいと思います!
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Googleアナリティクスやサーチコンソールでの解析はどうも難しくて苦手、という方の救世主になります。Webマーケティングのハードルがグッと下がってわかりやすくなりますので、ぜひご利用くださいね。
POINT
- Google アナリティクスでは訪問者の「タイプ」と「参照元」「訪問ページ」などが計測できる
- SEOにかかわるチェックならまず「参照元/メディア」で「Google / organic」を追おう
- Google サーチコンソールと連携して、ランディングページの変化や、検索クエリもチェックしてみよう