予算に限りがある中小製造業は、ホームページ作成もWeb集客も専門家に外注せず、自社で対策を行っているところが多いでしょう。そこで、ビジネスサイトを多く手掛ける専門家に詳しく聞いた、ホームページ活用の最新情報を連載でお届けします。
今回は、問い合わせを増やすための目標の立て方や施策を実施するタイミングについてを解説します。
▼前回までの記事
中小製造業ホームページの目標の立て方
中小製造業のホームページでは、通常、問い合わせ数の向上が目標となる。このような成果に関わる数値のことを「KPI」(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)と呼び、問い合わせ数と、その後の商談数が該当する。
そして、最終的には成約(取引成立)数の増減が問われることになり、このような数値をKGI(Key Goal Indicator、重要目標達成指標)と呼ぶ。
これらは、おおむね10%が次のステップにつながると考えておくとよい。つまり、問い合わせが100件あれば、そのうち10件が商談に、さらに1件が成約につながる、ということである。したがって、問い合わせ数を増やすことが第一関門であり、ホームページに期待するもっとも重要な役割ということになる。
なお、ホームページの入力フォームだけでなく、電話による問い合わせや、知り合いからの紹介などもありうる。ホームページ以外の問い合わせ数も全体の成果として把握することが大切である。
KPIでは、問い合わせ数や商談数以外の指標を設定してもよい。たとえば、採用募集であれば、採用募集数と面接数がKPIに、実際の採用数がKGIとなる。また、実店舗を運営しているのであれば、実店舗のアクセスマップのページビュー数と来店予約数がKPIに、実際の来店数がKGIとなる。
このように、ホームページの目的に合わせて、複数のKPIやKGIを設定することが、成果を測る上で大切である。
中小製造業ホームページのKPIとKGI
これらの目標値について、ホームページの立ち上げ期、安定期、改善期での見方と、それぞれで力を入れるべき施策が変わってくる。以下、詳しく解説しよう。
立ち上げ期
問い合わせ数を増やすことが大切な時期(開設後約半年から1年後まで)。そのためには、ホームページの集客数を増やすことが大切である。検索エンジンからの評価がまだ低く、多くの集客は望めないので、コンテンツの充実、お知らせなどのブログ記事の更新、FacebookやTwitterでの周知などに力を入れ、まずは着実に集客数を増やそう。
安定期
集客が増え、問い合わせがコンスタントに寄せられる時期(開設1~2年後)。ホームページからの「問い合わせ」「商談」「成約」という流れを経験し、効果を実感する時期である。年間を通じた傾向、たとえば、集客や問い合わせが増える月などが把握でき、どのようなリズムで運営していけばよいのかが見えてくる。
問い合わせへの返答の素早さ、商談の日程決めや概算見積りの素早さなど、生まれたチャンスを活かすために業務を見直すことが大切な時期といえる。
改善期
ホームページのアクセスデータや問い合わせ実績をていねいに見て、改善点を探り、実施することが大切な時期(開設2~3年後)。これまでの集客や問い合わせの傾向から、顧客の質の向上、つまり、商談や成約に結びつきやすいかどうかを考え、ホームページを改善する。
- 問い合わせをした人がよく見るページ、問い合わせにつながった内容はどこか
- 直帰率や離脱率が高く、ニーズはあるがテコ入れが必要なページはどこか
- これまでの問い合わせ実績から、不足しているコンテンツは何か
といった観点から、ホームページのさらなる充実を図ろう。
中小製造業ホームページの例
阪神精密発条株式会社
http://hanshin-seimitsu.jp/
大阪市淀川区のスプリング製造会社。トップページでは、キービジュアルに多種多様なバネ(スプリング)の写真を使ってインパクトを演出。自社の特徴や代表的な製品をわかりやすく掲載するなど、コンテンツも充実している。ブログを頻繁に更新している点もたいへんよい。
問い合わせへの対応力を備えるホームページ作成ツール
ホームページ作成サービス「BiNDup」は、350以上のテンプレートの中から、自社にマッチするテンプレートが選べ、多くのテンプレートが、中小製造業のホームページにとって大切な「強み」や「問い合わせへの対応力」を力強く伝えるのに最適なレイアウトを用意しています。ブラウザ上で即時にコンテンツを編集できるのも魅力。初年度無料のコースもあるので、ぜひ使ってみてください。
※Ascii.jpより転載。一部の内容を変更しています。
POINT
- 成約がゴールでも、まずは問合せをどれだけ増やせるかがカギ
- 問合せが100件あれば、そのうち10件が商談に、さらに1件が成約につながる
- 立ち上げ期、安定期、改善期で行うべき施策は異なる