参加者を惹き付けるウェビナーのアイディア、海外の事例4選

最近では、企業の製品発表会や様々なイベントなどもウェビナー形式で行われることが多くなってきました。しかし、日本のウェビナーはどうしても定石的な形式にこだわってしまい、延々とプレゼンテーション画面や資料的なビデオが続くなど、ともすれば退屈に思えるものも少なくないと感じます。

そこで、以前から様々なウェビナーが行われ、色々とノウハウを培ってきたと思われる海外の事例を紹介し、読者の皆さんの参考にしていただくことにしました。
ウェビナー自体は英語圏のものですが、ここで注目したいのは内容そのものよりも見せ方なので、英語のスキルは関係ありません。ただ、どのスピーカーも、かしこまった感じではなく、リラックスして目の前の人に話しかけるような感覚でトークを進めている点は、見習うべきところといえるでしょう。

視聴者を退屈にさせない、海外のウェビナー事例4選

タイトルで目を惹き、直接操作でライブ感を演出

eLearning Brothers

新型コロナウイルス禍以降、世界的にオンラインミーティングサービスのZoomの人気が高まりましたが、実際にはそれ以前からウェビナーのためのプラットフォームを提供するサービスはあり、GoToStageもその1つです。
このサイトには、100万件を超えるウェビナーがホストされていて、リアルタイム視聴のほか、過去に開催されたものは録画されたアーカイブとして閲覧することができます(視聴には簡単な登録が必要です)。自分で計画しているウェビナーとテーマが似たものがあれば、参考のためにいくつかご覧になるとよいでしょう。

さて、その中から2つの事例を紹介したいと思いますが、まず1つ目は、リモート学習サービスを提供するeLearning Brothersのウェビナーです。ここで紹介する特定の回では、プレゼンテーションソフトのPowerPointでダイナミックな3D効果を得る方法を解説しています。

まず目に留まるのは、”Wait,… You Made That in PowerPoint?”というタイトルです。日本語では「ちょっと待って…それって、パワポで作ったの(できるの)?」という感じでしょうか。これだけで、興味をそそられます。
狙いは、まさにそこにあり、これが「パワポで立体的な効果を作り出す方法」のようなタイトルだと、内容に忠実ではあっても、堅苦しい印象でワクワク感が足りません。あまり大袈裟でもいけませんが、ウェビナーには自分でも思わず観たくなるようなタイトルを付けるとよいでしょう。

eLearning Brothersのウェビナー

”Wait,… You Made That in PowerPoint?”というタイトルが、潜在的な視聴者の興味を掻き立てるeLearning Brothersのウェビナー。

そして、このウェビナーは、テーマがテーマだからということもありますが、すべてハンズオン、つまり実演(この場合には、PowerPointの操作)で構成されています。作り込まれたスライドショーは、スピーカーにとってウェビナーを安心して進める上で役立ちますが、視聴者にとっては予定調和的で飽きる要素にもなりかねません。
もちろんテーマにもよるので、全部をハンズオンにはできないかもしれませんが、部分的にでも、実際に手を動かしてその場で何かをするような場面を設けることで、ウェビナーはより生き生きとしたものになるはずです。

また、これはGoToStageのサービスが持つ機能ですが、共有画面の横に2人のスピーカーの顔が常に表示され、表情を見せながら話や進行が行われていることも、視聴者とのエンゲージメントを高めるポイントです。Zoomでは、前回に触れた共有画面とスピーカーの顔を合成できる新機能を使うなどして、視聴者に語りかけるとよいでしょう。

GoToStageを使った例

スライドショーではなくハンズオンによってライブ感を演出し、常にスピーカーの顔が見えることで、視聴者との距離を縮めることができます。

冒頭で質問を投げかけ、短い映像のループでメリハリを出す

Kaino Software

同じくGoToStageでホストされているウェビナーから、2つ目は、AI系の技術開発をしているKainos Softwareのものを採り上げます。
こちらのタイトルも凝っていて”Little less conversation, little more ActIon, please.”(会話は控えて、どうか、もっとアクションを)というものですが、これは、「AIをめぐって話題ばかりが先行し、中身が伴っていないのではないか?」という現状に対する疑問を、開発者の立場から投げかけた形です。アクションの綴りの”A”と”I”が大文字になっている点が、ひと捻りされています。

このウェビナーの特徴の1つは、冒頭でまずオンラインアンケートを採って結果を表示し、視聴者のAIに対する取り組みを把握している点です。アンケート機能は、最後にウェビナー自体の反応を確かめる目的などで利用されたりしますが、テーマによっては、このように最初に視聴者の知識や意識のレベルを確認して、その後の進め方や内容をリアルタイムで調整するうえでも有効といえます。

ウェビナー事例

Kainos SoftwareのAIに関するウェビナーも、捻りの効いたタイトルで、潜在的な視聴者にアピールしています。

アンケートを採取

ウェビナーの冒頭でアンケート(ここでは「あなたの企業は、すでにAIを利用、または導入を予定していますか?」というもの)を取ることで、視聴者のレベルを考慮したウェビナー進行が可能となります。

そして、今ではプレゼンテーション内でビデオを見せることは簡単に行えるようになりましたが、数分も続いてしまうと、やはり視聴者の集中力を削ぎかねません。このウェビナーでも、AIの顔認識機能や、街の風景をどのように認識しているかを示す映像が使われているものの、どちらもループ再生される数秒程のビデオです。
短くても、写っているものが興味深ければ強い印象を残せますし、ウェビナーの時間も無駄になりません。また、視聴者の通信環境によっては、長いビデオの再生がスムーズではない場合も考えられます。もし、ウェビナーでビデオを再生する場合には、そのあたりのことも考慮してください。

動画の活用例

Kainos Softwareのウェビナーでは、AIによる顔認識の様子を写した短いビデオが、効果的に挿入されています。

賑やかで統一された誘導ページと、掛け合いの妙

Intercom

日本の同名の株式会社とは無関係なこちらのIntercomは、対話式の顧客サポートプラットフォームを提供する企業です。ここのウェビナーの特徴は、楽しげなグラフィックスと、複数の話者の掛け合いによって進行するものが多いことにあります。また、録画されたウェビナーを観るには、個々に氏名とメールアドレスを入力する必要がありますが、それだけで手軽に視聴可能です。
ウェビナーのアーカイブページに並ぶサムネールは、まるで子どものイタズラ描きのようにカラフルな背景に手描きの文字で構成されていて、堅苦しさが一切ありません。また、サムネールに必ずスピーカーの顔写真と再生時間が含まれているのも、わかりやすく親切な点です。

ウェビナーのアーカイブページ

カラフルなサムネールが並ぶ、Intercomのウェビナーのアーカイブページ。しかし、スピーカーの顔写真や再生時間のように、押さえるべきところは、しっかりと押さえられています。

複数人で登壇する例

Intercomのウェビナーは、このように2人や3人が掛け合いする形式で進められるものも少なくありません。役割を分担することでスピーカーの負担が減り、進行にも変化が生まれて単調なものではなくなるという相乗効果が生まれました。

ちなみに、Intercomのウェビナーのアーカイブビデオには、画面下の再生箇所を示すバーの所々に○印が付いていますが、これは話題の区切りを示しています。つまり、途中を飛ばして観る場合の目安となるものです。これは、Intercomが利用しているウェビナーシステムの機能なので、他では使えませんが、もし自分のウェビナーのアーカイブをYouTubeなどで公開する場合には、説明欄に、話題の区切りとなる箇所の秒数や分数をリスト化して書き込んでおくとよいでしょう。
また、Intercomのウェビナーのいくつかはリモートインタビュー形式になっていて、パートナー企業の担当者との一問一答的なやりとりによって進行します。このやり方もライブ感があり、スピーカーの負担を減らせる方法です。

インタビュー形式のウェビナーの例

“Inter/Views”と名付けられたものが、インタビュー形式のウェビナーです。自社や店舗の評判などをお客様に話していただくような場合に、適したスタイルといえます。

炉端談義的なリラックスした雰囲気で、視聴者を惹き込む

Atera、Clutchgrowth、Amazon Web Service

そして、究極のリラックス形式ともいえるものが、”Fireside Chat”、つまり「暖炉脇での雑談」と称されるウェビナースタイルです。文字通り、炉端談義的にスピーカーが集まって進行するこのタイプのウェビナーは、少し硬めの話題でも肩肘を張らずに提供し、視聴できるところにメリットがあります。
Fireside Chat形式のウェビナーの例
eラーニングサービス企業、AteraのCEOとCTOが、司会を交えて四半期を振り返るこのウェビナーも、Fireside Chat形式で行われました。表示はプレゼンテーション画面が中心ですが、会議室らしき場所に担当者が集まって、和気藹々とした雰囲気で進行します。

マーケティング系のSaaS(サービスとしてのソフトウェア)を提供しているClutchgrowthのマネージング・パートナーであるランディ・ハミルトンという起業家は、このFireside Chat形式のウェビナーがコンテンツマーケティングに適していることに気づいて大いに気に入ったあまり、そのやり方を詳細に記した無料のeブックまで作ってしまったほどです。

このeブックは、英語ではありますが、Fireside Chat形式のウェビナーを開くためのノウハウが、準備段階から機材配置に至るまで事細かく書かれているので、興味のある方はダウンロードされるとよいでしょう。

The Fireside Chat Playbookより

Clutchgrowth氏が著した”The Fireside Chat Playbook”には、Fireside Chat形式のウェビナーに関するノウハウが詰まっています。

さらに、Fireside Chat形式のウェビナーは、Amazon.comのWebサービス部門であるASWでも利用されており、たとえばAmazonにおけるソフトウェア開発について語られているこのウェビナーは、セッティングにも凝って構成されています。
よく見ると、暖炉はディスプレイに表示されたフェイクで、IT企業らしいウィットといえますが、雰囲気作りでは今回紹介した事例の中で1番といえるでしょう。
ウェビナーのテーマは「AmazonにおけるDevOps(ソフトウェアの開発と運用を迅速に進める方法論のこと)」という専門的なものですが、Fireside Chat形式にすることで、気軽に視聴してもらう狙いがあると思われます。

Fireside Chat形式のウェビナー

まさに、暖炉を囲んだ友人同士が雑談を交わすようなセッティングでウェビナーが進行していきます。

アングル例

単調にならないように、途中でカメラのアングルを変えたり、話題が変わり目でそれを表示するといった工夫もありますが、基本的にはシンプルなセッティングと、会話のみ(プレゼンテーション画面などはなし)で構成されるので、内容さえしっかりしていれば、導入しやすい形式のウェビナーです。

まとめ:ウェビナーへの誘導と告知

今回紹介した事例を見ていただくと、ポピュラーなウェビナーは40〜60分程度のものが多いことに気づかれるでしょう。学校の授業などもそうですが、人間が1つのことに集中できる時間がそのくらいの長さなので、たとえばZoomの無料アカウントの40分間という制約もポジティブに考えて、ウェビナーの内容を構成するとよいと思います。

また、ウェビナー自体の見せ方も重要ですが、そこに集客するうえでの誘導ページのデザインなども、かなり気を使って作られています。その部分は、まさにWebデザインの力によって、コンテンツをより魅力的なものにしていこうとする努力の成果です。
つまり、ウェビナーの内容とその誘導ページは車の両輪のようなもので、それぞれが充実していてこそ、求める結果が得られるといえるでしょう。

そのためにも、ホームページ作成サービス「BiNDup」でターゲット層の興味を惹くデザインのWebページを工夫して作り、ウェビナーの申し込みにつながるような流れを生み出してください。そして、自分らしいウェビナーのあり方を確立しましょう。

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