前回、「小さな会社のためのオウンドメディア入門」の記事で紹介したように、オウンドメディア全盛のいま、いざ自分の会社やショップではどう始めるべきかとお悩みのWebオーナーも多いでしょう。
今回は、大きな予算を必要とせず、自社の良さを知っている当人ならできるオウンドメディアの始め方を3つの切り口で紹介します。
オウンドメディアの一番のメリットは、一度公開すれば、ずっと自社の資産となって役立ってくれることです。
広告のように期間で契約が終了したり、ソーシャルメディアのように短命だったり(ソーシャルメディアの過去記事は基本的に読まれません)、外部にお金を払ったときのように別の問題が絡む(たとえば、ブロガーなら依頼したブロガーが炎上してイメージダウンに繋がるなど)こともありません。
だからこそ、自前で本当に役立つコンテンツを用意すれば、立ち上げの労力や多少の手間がかかったとしても、長期的に伸びていく代えがたいメリットが得られます。
1)自社に関するインタビューやお客様の声を載せる
エステ、健康、美容、接客(ホテル)、英会話教室など、価格が高い割に機能性や効果を示すのが難しい産業では、とくに「○○の評判」「○○のクチコミ」などで検索して、実際の店舗を訪れる前に下調べする人が増えています。そこでぜひやってみたいのが、お客様の声を集めて掲載する自社コンテンツづくりです。
本来、クチコミは、自社メディア以外での中立な場所での批評が一番効果があります。
たとえば、お客さん自身のブログ、InstagramなどのSNS、そして中立的な外部のレビューサイトやWebメディアなどです。とはいえ、お客さんがブログを持っているとは限りませんし、いきなり外部メディアにクチコミ掲載がされることを期待するのは非現実的。だからこそ、まずは自社のメディアから始めましょう。
すでに運用しているサイトを見てみると、たいていの場合「お客様からの声」「お客様からの感想」「体験レッスン体験記」などのコンテンツがあります。また医療美容系では、お便り、メールを掲載する場合もあります。
このサイトでは、ホームページの一部に、レビューコーナーを設置しています。こちらは大変凝ったつくりのページですが、手始めにはシンプルに、お客様の声が届く度に順次更新していく1枚のページからスタートしてもよいのではないでしょうか。
レビューを集めるには、手書きのものをいただいて掲載したり、購入者・体験者にメールやフォームで投稿していただくといった方法があります。クーポンや割引といったインセンティブを用意してでも、やる価値があるコンテンツでしょう。
なお、こうした多くのオウンドメディアがサブドメインを切っている理由ですが、これは別サイトと認識させるためではなく、本体サイトと異なる内容についてWeb解析をしやすくなる、URLを覚えやすいといったメリットもあります。
2)販売商品の「周辺にあるものごと」をコラムで提供
なにか特色のある製品を探している人は、その製品の周辺にも関心のあるキーワードを持っています。たとえば、北欧家具や雑貨を買いたいと考えている人は、「暮らし方」そのものにこだわりがあり、そのなかで、カントリーでもミッドセンチュリーでもなく「北欧」を選んだはず。であれば、北欧の社会や暮らしについても興味をもっている可能性が高いですし、一方で「美しく暮らせる掃除術」などのような家事ノウハウにも興味をもっているかもしれません。
充実した周辺情報を提供することは、商品名やショップ名などのメイン・キーワード以外からの検索ユーザーを増やすことにもなるので、サイトのアクセスアップ、ひいてはショップの認知度を高めることにも役立つのです。
3)動画や写真で伝える、ちょっと先ゆくメディアに挑戦
動画コンテンツは、SEOにも強いメディアです。文章のあるページでないと「検索されない」という認識を持たれる方も多いかもしれませんが、SNSを中心に、若者が消費するコンテンツはもはや動画や写真といった文字以外のメッセージの方が主力です。Facebookなどをはじめ、記事を提供するメディアはすでに、クリックでページ遷移しなくても即座に閲覧できる動画コンテンツの提供に力を入れています。動画メインの発信は、モバイルデバイス時代に即したコンテンツの在り方でもあるのです。
こちらは、アメリカの化粧品などを販売するチェーン店が発信する動画コンテンツで、商品の使い方を丁寧に紹介しています。動画の撮影や編集の敷居は低くなっていますから、文章よりもしゃべりが得意な方は動画を作るのがおすすめです。YouTubeに蓄積した動画は、ホームページ上でもSNS上でも繰り返しコンテンツとして流用できますし、直接の流入も期待できます。
頭を使って読み進める文字と違い、動画は受け身になって閲覧できるため、同じコンテンツに文字と動画が用意されていれば多くの人が動画を選ぶようになりました。しかも、動画は閲覧した内容についての記憶力もアップするそうです。
実は、BiNDの姉妹ソフトである動画作成ソフトPhotoCinemaのように、写真を使って作るスライドショーも、今後のコンテンツマーケティングの注目株です。スマートフォンでは音声を出さずにビデオを再生する人が多いため、動画にテロップなどを簡単に入れられるPhotoCinemaはとても便利なソフトと言えるでしょう。
PhotoCinemaはテンプレートに沿ってプロモーションビデオなどが作成できる動画編集ソフトです。
以上、今回は、小さな会社でチャレンジするに値するオウンドメディア運営の方法について紹介しました。
オウンドメディアは、決して「ニュースサイトのような立派なもの」「毎日万人に読まれるもの」だけではありません。
自社の商材やサービスを必要としてくれている、まだ出会えていないお客さんと近づくためのひとつのアプローチなのです。いまあるサイトに人を呼ぶためにも、きちんと読まれるオリジナルコンテンツを考え、第一歩を踏み出してください。
記事の更新に便利なBiNDのブログ機能BiND Pressがお手伝いします。
CMSなのでページの量産、投稿が簡単です。クラウドからアクセスすればスマホからの投稿もできます。
POINT
- 小さな会社のオウンドメディアは自社ならではの良さが伝わるオリジナリティを極めよう
- クチコミやお客様からの感想は、自社で作れて効果があるテッパンのコンテンツ
- 商品にまつわる情報を動画で伝えるのもアイディアのひとつ