2021年版 Instagramマーケティング事情−注目すべきトレンドは?

今や、若年層に限らず、SNSの代表的存在としてすっかり定着してきたInstagram。そのマーケティング効果やクチコミ効果も期待され、企業SNSを運用する場合、Twitterと並んで代表例となってきています。ここでは、注目される新機能やトレンドをまとめ、2021年現在、ビジネスで活用できるポイントも紹介していきます。

複雑になってきたInstagramの機能をおさらい

Instagramはもともと、短い文章とハッシュタグを添えて写真を1枚ずつ投稿するような写真SNSとして10年前、2010年10月に始まりました。いま流行のClubhouse同様、開発元はスモールチームでiOS版しか開発されておらず、パソコンで閲覧することは一切できないアプリとして人気は急上昇し続けてきました。

そんなInstagaramも、Facebook社の一部になることで、いまでは機能も相当増えています。もちろん、Androidスマートフォン、パソコンからの閲覧(インスタライブも含む)も可能になっています。現在の利用者は月間アクティブユーザーで10億人程度とのこと。以前の予想を超えるスピードで増加しつづけ、今後も伸び続けると予想されています。

そして、今や写真だけでなく動画系の機能も花盛りです。以前、インスタライブについては、こちらの記事で紹介しました。

ひとりでできるインスタライブの始め方。アーティストやショップでの活用術

さて、2021年のトレンドを抑えていくためにも、まずはInstagramのアカウントの種類や機能についておさらいしておきましょう。

Instagramは個人アカウントとプロフェッショナルの2種類

Instagramは通常は、個人アカウントを作成してSNSの投稿や閲覧を楽しめます。アカウントは、メールアドレスごとに複数のアカウントを作ることができます。アプリで「アカウントを追加」すれば、切り替えながら利用が可能です。

プロフェッショナルには「ビジネス」と「クリエイター」がある

また、マーケティングを積極的に展開した企業や個人のために、プロフェッショナルアカウントが存在します。個人アカウントから切り替えや新規にアカウント作成することで、事前審査など不要で作れます。正確には、「個人」に対して「プロフェッショナル」アカウントがあり、その中に「ビジネス」と「クリエイター」の2種類があるのですが、クリエイターは、ブロガーやインフルエンサー、デザイナーやクリエイターなどの個人で行うビジネス枠なので、企業でのマーケティングや販売促進のアカウントは「ビジネス」を選びます。なお、クリエイターでは企業情報のような連絡先表示をしないですむなどの見え方の違いがあります。

ビジネスアカウントへの切り替えは、すでにあるアカウントならばInstagramアプリの「設定」から行えます。

ビジネスアカウントの最新情報

ビジネスアカウント関連の最新情報は、「Instagram for Businees」のサイトで確認できるようになっています。ビジネスアカウントの大きな特徴は「広告が出せる」(広告には審査があります)そして、「投稿した結果の反響をみるためのインサイトを閲覧できる」「ショップ」の3つです。Instagram内で商品販売が完了できるショップは新機能で、現在「チェックアウト」機能は日本に上陸しておらず、Shopifyなど対応しているショッピングカートサービスと連携してショップを構築するのが一般的です。SNSの好ましい写真や投稿からすぐに購入できるポテンシャルは大きく、さらに伸びが期待されているところです。

Facebook for BusinessのウェブページFacebook for Businessは、ビジネス運用の最新情報や機能を探せるページです。

Instagramで使うビジネス機能は、Facebookに統合されているので、Facebookのビジネスマネージャから主に行います。それぞれの連携や機能を軽くまとめてみた図が以下になります。広告を出稿する際は、ビジネスマネージャ、コマースマネージャを使用します。

Instagramの機能とFacebook連携の関係図

2021年トレンド:引き続きリール動画やストーリーズが人気

Instagramで投稿から24時間だけ表示される「ストリーズ」のDAU(デイリー・アクティブ・ユーザー)は500万人と引き続き多く、さらに、TikTok風のショートムービー投稿機能のReel(リール)が登場したことでショートビデオSNSの風合いが強くなりました。次々にコンテンツが表示される切り替わりの速さやどんどん消化できること、今見ておかないと消えてしまうというFOMOも、ヘビーな視聴者を引きつけるものとなっています。

まだ実用がどこまで進んでいるかは未知数ですが、Reelからスワイプアップして商品をすぐ購入できる機能も提案されているそうで、ビデオからワントゥワンの販売が可能になるとも言われています。

(12月11日の開発者のつぶやきでは、リールでタグ付けした商品を、そのまま購入できる機能がクリエーター向けに追加されました。とあります)

一方、フォロワーに向けてコンテンツを作って提供する立場として考えると、ストーリーズで何を出せば楽しんでもらえるのか、気になりますね。個人や小規模でも使えるアイデアとしては、次のようなアドバイスが参考になりそうです。

1) インタラクティブにユーザーの質問に答えてみる

ストーリーズで好まれるのが写真や動画だけとは限りません。

質問をストーリーズから募集することもできます。「質問」や「アンケート」のステッカーを使うと質問を募集したり、二択で意見を教えてもらうことができます。下は「hadakara」の広告ですが、「おおきな泡に決まってるよね!」といったリアクションを前提としてボタンを配置しているのも面白いですね。こういった視聴者の反応を予想しつつ反応をあおるのもひとつの手です。

「hadakara」広告のYES/NOボタン

また読者へ質問を募るといった方法もあります。下は「ELLE JAPAN」のオーガニック投稿です。ハガキを投稿しなくてもいい、便利な時代ですよね。閲覧者は、フォームを使って入力が可能です。

ELLEjapanのオーガニック投稿(ストーリーズ)の質問フォーム

これらのインタラクティブフォームは、個人アカウントでは、スティッカーで簡単に作れます。プロフェッショナルアカウントでは広告を制作する場合は別途ツールがあります。

スティッカー機能の画面

写真の上にQ&Aの回答を掲載するなどしてフォロワーに役立つ知識を提供してみるのもいいでしょう。文字入力(Aa)のボタンでテキストを入力してレイアウトするだけ。撮影と違って数を多く作ることが可能です。すぐに消えてしまうストーリーズのほうが、頻繁に見てもらえる可能性が高いコンテンツと言えます。画像なのでコピー盗用もされづらいでしょう。

Q&Aをテキストツールで自分で作成する

なお、広告で投稿した場合は回答者のプロフィールはわかりませんが、個人アカウントでは回答者のアカウントも確認できます。インタラクティブに気軽なやりとりができるために人気があるだけでなく、反応を誘う画面では、ただの画像よりもアクションされる率が高まったという結果も出ているそうです。ぜひ使ってみましょう。

2)手作り感があるローファイ動画も人気がある

TikTokがいい例ですが、コロナ禍で家庭で気軽に動画を撮ってシェアする人が増えました。Instagramといえば「インスタ映え」に象徴されるように、過度に綺麗だったり魅力的な写真を載せないとならないという強迫観念も一時期は強くありましたが、最近では気軽に個人で撮った動画コンテンツなども支持されています。
もともと、プロが撮った写真より一般人が撮った写真のほうが人気が出るSNSというメディアの特性上、気負わず手作りしてみることがおすすめです! 以下はFacebookビジネスで取り上げられていたアカウントです。

ローファイのコーディネートビデオ

こちらはamaroというブランドのリールを使ったコーディネートビデオ。いかにも家かどこかで気軽にとった雰囲気が好感度高い。ジャンプするとトップスの服が替わる編集をしています。

同じくリールの利用例で文房具の和気文具さん。いろいろな使い方を動画で紹介してくれています。
リール動画

フィードへの投稿は、カルーセルづかいに注目!!

ストーリーズやリールだけでなく、依然としてInstagramのメインの活動場所はフィードへの投稿です。検索して出やすいのもフィードですので、定期的にコンテンツや話題を提供する方法も工夫していきたいものです。投稿のトレンドについては,以下の2つを紹介します。

1)カルーセルで観たときの効果を狙う

Instagramの投稿も、1枚の写真から、複数写真の投稿に慣れました。写真の下のドット(○)が並んでいる場合は写真が複数枚投稿されているカルーセル投稿です。気になった商品などを見るときはとてもよい機能です。

カルーセル写真の人気は今後も続くでしょう。投稿するときに「全体」「アップ」「別角度」など、1つの商品やものをさまざまな視点で見せるだけでなく、「ビフォア」「アフター」を並べたり、雑誌をめくるようにビジュアルを作ったりと、工夫が光るカルーセル利用が増えています。

下は、環境問題系のFutureEarthで毎週投稿される週変わり記事。まるで雑誌を読んでいるようで楽しいです。

 

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steph & max(@futureearth)がシェアした投稿

また、商品のバリエーションをスワイプで展開している例などもわかりやすいですね。他にも画面が繋がっていると考えているデザインなどもあり、パラパラマンガ感覚でいろいろなアイデアが浮かびそうです!

 

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FENTY BEAUTY BY RIHANNA(@fentybeauty)がシェアした投稿

2)マイクロブログ的な利用者も増えている?

以前からInstagramの文章(キャプション)が長めの人はいますが、ブログのようにさらに長文を掲載する人も増えています。インスタグラムはTwitterなどに比べると非常に炎上しづらく、また、エンゲージメントが高いので、文章の公開場所として利用しやすい場所である可能性はあります(文字が小さいのですが…)。また、文字をすべて画像にしている例もありますね。グラフィックが凝っていると、印象もだいぶ変わり雑誌やフリーペーパーを読むようなおもしろみがあります。

まとめ:Instagramはコミュニティになりつつある

いかがでしたか。Instagramは身近なSNSとして見て楽しむ、情報を検索するなどに使われています。しかしコロナになってから、お店のクチコミなどを検索して出掛け、その出掛けた先でインスタ映えする写真を撮って自撮りを投稿する、というところから、少しずつ変化してきているように思われます。

そのひとつは、ブランドや企業も、SNSの一員として、健康でよりよい(楽しい)社会に貢献できるような参加の仕方が求められていること。それだけに一般のユーザー感覚に寄り添った投稿ややり方が求められているとことが、ローファイや簡単に作れるショートムービーのリールを使う感覚によく現れているように思います。

また、過度な「映え」よりももっと気軽に、あるいは共感できる「内容」が大切になってきていること。コロナ禍で大がかりな撮影やロケなどができなくても、自宅でインスタライブを使ったり、コメントやメッセージでコミュニケーションができ、地に足のついたエンゲージメントが高まっていると言えます。

Instagramはキラキラ画像を見るだけというところから、コミュニケーションが可能なブランディングツール、フォロワーやファンの間でコミュニティづくりが可能な場所へと変化しているように見えます。

ここまで、スマホひとつでできる、最近のInstagramの投稿アイデアをご紹介してきました。ぜひ、みなさんの会社やショップのインスタアカウントでも参考にしてみてください!

まだ決済機能がついていない今、公式サイトにリンクを飛ばしたりSNSでは伝わりにくいコンセプトなどを伝えていくのは大切なことです。InstagramとWebサイトと気軽に連携できるホームページ作成サービスBiNDupもチェックしてみてください。
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  • POINT

  • ビジネスアカウントで使える、Instagram内で商品が販売できるショップ機能に注目
  • ストーリーズを使ったアンケートやキャンペーンも新たな手法に
  • インスタ映えよりも共感できる中身の方にエンゲージメントが高まっている

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