失敗しないオンライン取材の完全マニュアル|準備から記事作成のヒント

昨今、ビデオ会議で取材するケースが増えてきました。初対面だととくに距離を感じやすい環境ですが、今回は、オンラインでも上手にコミュニケーションし、よいインタビューを取れる方法について、取材する側の視点を中心に、紹介していきます。

オンラインインタビューとは?定番となってきた背景

新型コロナにともなうパンデミック以降、ビデオ会議ツールの利用はごく一般的になりました。アメリカではパンデミック以前よりビジネスで利用されることが多かったビデオ会議ですが、フェーストゥフェースが基本だった日本の会議でもすっかり定着しました。低予算で、移動に時間をかけず、気軽に遠隔地や自宅で勤務する人ともコミュニケーションが取れるメリットは大きく、コロナウイルスが落ち着いたあとも、確実に高頻度で利用されていくでしょう。

ところが、オンラインで問題になるのが、プレスインタビューやメディアインタビュー、グループセミナー、またコンテンツ作成用のクライアント取材などなど、これまでは対面で行われることが多かった取材におけるコミュニケーションテクニックの変化です。オンラインビデオにはもはや、名刺交換も、お茶の接待もなくなって、インタビュー相手とアイスブレイクする手法も違ってきています。

いまや、Webコンテンツ制作に欠かせない取材によるコンテンツ作成。E-A-Tの観点からも専門家の話を掲載することは、サイト評価を上げていくために欠かせません。プロの記者でなくとも多くの人が取材を実施し、記事作成に取り組むようになってきていますよね。

オンラインインタビューあるある、よくある失敗や残念なケース

自宅やリモートオフィスなどで行われることが多いオンラインインタビュー、参加者は相手に指摘しづらかったり、気付かないフリをするものの居心地の悪い思いをしたという体験、ありませんか? たとえば次のようなことが、オンラインインタビューでありがちな失敗としてありがちです。

声が大きすぎる・聞こえない

Aさんの声はB,Cさんに比べて音割れするほど大きい、逆にAさんだけ声が小さすぎてボリュームの調整に四苦八苦したという経験はありませんか。全員に対して音が聞こえないならまだしも、うるさいから声を小さくと言うのは、失礼にならないかと心配で、なかなかお願いしづらいものではないでしょうか。

また、ミュートにしたままたくさん喋ってしまうこと。Zoomでは音声を自動認識して「ミュートになっていますよ!」と画面に表示する場合もありますが、ミュート解除の指摘は、「もう気付くかな?」と、すぐには相手もやりづらいものです。

オンライン会議の音声は、有線の電話や現実の会話程度の音質が得られるので、コミュニケーションのメインチャンネルですが、音声が聞き取りやすいかどうかは、マイクやパソコンの周辺環境も影響するので、入出力レベルをきちんとテストするだけでなく、ミーティングをスタートした時点で音声などに問題がないか、相手にも口頭で確認するのがベストです。
失敗しないオンライン取材の完全マニュアル|準備から記事作成のヒント

周囲がうるさすぎる

企業に勤めている人が自デスクで会議すると起こりやすい現象です。別のデスクで会議している人の大きな声(電話で声が大きくなるタイプ?)や、お昼を食べているスタッフ同士の笑い声なども思い切り入ってくることがあります。予期しない救急車のサイレンなどコントロールできない邪魔が入る場合もあります。

ミーティングで3人以上いる場合は、メインで話す人以外は一時的にミュートを活用するにしましょう。もちろんミュート解除のしそびれにも注意します。

カメラオンでも、ほぼ天井が映っている

ノートパソコンの利用者ではよくあります。意図的に背景を見せないために上めにカメラを設定している人も多くいるかと思います。普段のミーティングはOKでも、初対面の相手とオンラインで顔を見せ合う際には最適ではありません。せめて顔全体が映るくらいに調整が必要です。

段ボールや簡易的な台にパソコン本体を置いて高さを少し上げると顔を正面からカメラに映すことができます。ただし、パソコンが落下しないように設置はしっかりと。

急にマイクが使えない

音声の入力と出力は自動にしておけば、Bluetooth(ブルートゥース)接続のヘッドセットを繋げばそちらが優先に、ヘッドセットが解除されれば本体のマイクが優先にとなるのが通常ですが、何らかの不具合でBluetoothが切れてつながらなくなることもあります。パソコンを再起動するなどで大抵は直りますが、ミーティング中にそれは厳しいもの。

セッティングに不安がある場合は、ケーブルがつながっているイヤフォンヘッドセットを使うのをお薦めします。ケーブルがちぎれたり断線しない限り、まず接続が切れる心配はありません。本体のマイクとスピーカーを使ったほうが確実なこともあります(とくにMacBookなどは本体のスピーカーとマイクが安定している)。

計算したつもりで顔が白光りや真っ暗に

太陽などの光を窓辺を背にして受けるとビデオカメラは背景の光に調子を合わせるので、人の顔が暗く写ってしまいます。顔の正面から光が当たるように座席を逆にセッティングしておきましょう。また、斜め前からの光は顔に立体感が出てOKですが、あまり強い光だと影が濃くなり、自分のディスプレイも見づらくなってしまうので、カーテンなどで調整が必要です。

夜や暗い部屋で話す場合は、蛍光灯の明かりに加えて、ディスプレイの白い光が顔が当たり、不健康な顔色に写ってしまうことがよくあります。リングライトやLEDライトをプラスして調整する、ディスプレイが真っ白にならないようにナイトモードにしてみるなど工夫してみましょう。

準備した資料が開かない

資料が開かないということは、非常によくあります。たまに起こるならばご愛嬌かもしれませんが、あまり手こずると、1回きりの取材では残念な印象にもなります。ソフトの操作に自信がなかったり、トラブルを避けたいならば、資料は取材相手や関係者にあらかじめ共有しておきましょう。資料が開くリンクもチャットで送れば、うっかりファイルやウィンドウを閉じてしまったときもすぐにリカバリーでき、安心です。

録画領域が足りずに記録が途中停止

録画の権限はビデオ会議ツールの管理者(ホスト)にあります。また、プランによって録画のできるクラウドの容量が異なる場合があります。事前に取材予定時間に見合う容量が残っているかなどを確認してください。少なくとも、録画ツールだけでなくパソコンやスマホのボイスレコーダーで手元で録音もしておけば、録音が急に止まってしまっても、すべてを失うという心配はありません。

インタビューを成功させる準備のしかた

以前の記事でもお伝えしたように、オンラインでのインタビューは、即興にまかせず、インタビューのための資料や目的の事前共有が重要になります。もちろんリアルもそうですが、オンラインでは表情やあうんの呼吸など、円滑なコミュニケーションの助けとなる情報が欠けるため、事前に趣旨を理解しあうことで、より円滑な進行を可能にしたいためです。お互いが想定したシナリオにそって話を進めるからこそ、足りないニュアンスも拾いやすくする準備がととのう、とも言えるでしょう。

Zoomを使いリモートでオンラインインタビューを成功させるコツ

相手が答えやすい質問シートづくりとは?

具体的な準備の内容や進行のコツやポイントを紹介していきましょう。
インタビューでは、まずテーマとゴールを共有します。例えば、次のように簡単にまとめた内容などを、取材日程を決めるタイミングで共有しておきしょう。

◎取材趣旨の例

取材の目的:弊社の販売する冷凍食品の栄養や健康面でのメリットを専門家の目からお伝えする

お聞きしたいこと:管理栄養士で子育てインフルエンサーの視点から、弊社の製品を利用した体験と共に、仕事と家族の健康管理の両立において、どんな工夫をされているかお聞きします。

上記では、専門家による商品へのお墨付きとともに、インフルエンサーの購読層に向けて役立つ情報を記事としてまとめたいという2つの意図が伝えられるかと思います。

さらに、取材の数日前までに細かい質問票を用意しましょう。取材先の規模やタイプにもよりますが、広報部などが事前に目を通して質問内容に対して答えられないものをチェックしたり、質問の意図をチェックされる場合もあります。また、取材先で担当者がリハーサルを行ったり、回答用の原稿を用意しているケースがあります。
質問内容を固めることで、記事完成のゴールが近くなります。質問シートがあれば、多くの事例インタビュー(ケーススタディなど)では、時系列に沿って質問することができ、かつ、まとめやすくなるでしょう。

◎当日の取材質問票の例

質問票の例は次のようなものになります。
Q1. 子育てインフルエンサーのAさんは、栄養管理士の資格を活かし、SNSで子どもの喜ぶレシピや子育てのノウハウ日々公開され、多くのファンをお持ちです。このような活動を始めたきっかけについて、あらためて教えていただけますか? また、食に関する知識や料理のスキルはどのようにして勉強されたのですか(導入——自己紹介)

Q2. Aさんの家庭での食生活について伺います。栄養面に配慮しながらも忙しい毎日を乗り切るためのレシピや料理の工夫をSNSで数々公開されていて、とても感動しました。これらのコツはどのように生み出したのですか? また、ふだんの家庭の食生活でAさんが大事にしていることを教えてください。(取材目的その2:食事に関する専門情報)

Q3. Aさんには、弊社の商品をたびたびお使いいただいています。冷凍食品を家庭料理に取り入れるのに抵抗がある方もまだまだ多くいらっしゃる中、Aさんが弊社商品を選んでいただいている理由、また使って気に入っていらっしゃる面をお教えください。(取材目的その1:弊社製品のメリット)

Q4. Aさん流の冷凍食品の上手な使い方がありましたら、ぜひ、伝授してください(弊社以外の商品についてでもけっこうです)。(取材目的その1:弊社製品をとりまく情報)

Q5. 家族の健康管理の面ではいかがでしょうか。食生活の他、健康維持において実践されていらっしゃることや、お考えを教えてください。(取材目的その2:健康に関する専門情報)

Q6.子育てをしている読者層の方々に対して、あらためてメッセージを頂けたらと思います。また今後の活動予定や告知がありましたらお教えください(結末)

ちなみに、質問末尾の( )の部分は相手に渡す必要はありません。作成者が何のために質問を作っているのか確認できていれば十分です。抜け漏れ、関係無い話題が多すぎないかなどを見なおしてから回覧しましょう。

取材当日は質問票に沿って話を進めつつ、答えが足りないなと思ったときは、フォローアップの質問をしてみましょう。たとえば、

Q1の補足として:食の知識については大学と資格取得、就職先で徹底的に身に着けたとのことですが、料理についてはどうでしたか? ご家族や料理学校などで習ったのですか?(より具体的な内容を聞きたいなど)

Q3の補足として:Aさんも昔は冷凍食品が嫌いだったということですが、それが生活に取り入れるようになったきっかけを具体的に教えていただけますか?(エピソードを教えてもらうことで記事も読みやすくなる)

などのように、流れに沿った内容であれば、答えを受けて、補足質問を追加してみましょう。

用意されていない質問で、関連性の薄い質問を追加で聞かれると、アドリブが難しく混乱する人もいます。流れや相手の話し方に合わせた追加質問をしていきましょう。

そして、一般の方に多いですが、いったんインタビューを終了します、というと、とたんにリラックスして面白い話をする人も多くいます。使わないといいつつも、話が弾めばしばらく会話をしてみると、本編で使いたいような言葉がもらえることもあるので、インタビューアーは、最後までコミュニケーションを丁寧に続けましょう。

伝わりやすい答えの準備は?

この記事に目を通している人の中には、インタビューに答える側(インタビューイー、インタビュー対象者)の方もいるかもしれません。オンラインのインタビューに慣れていない場合に、質問をより伝えやすく答えるには、何をするのがいいでしょうか? お勧めは、ごく簡単なメモを作るか、複雑な内容であれば該当する資料を用意しておく(使うかどうかはわからない)ことです。

簡単なメモを作る場合は、伝えたいポイントや数字などを箇条書き程度でよいので準備しておくことです。箇条書きにすると、話し始めのとっかかりで戸惑うことが少ないと思います。また、見なおして伝えそびれがないかがチェックしやすくなります。
全原稿を書いておくのをあまりお勧めしないのは、資料の棒読みになり、会話が不自然になったり、内容が伝わりづらくなってしまうためです。多少言い間違えたり、言い淀んでも、通常は誠意が伝われば相手に内容がしっかり伝わっていきますから心配ありません。

一方で、話し上手な人では、早口過ぎたり、話がアチコチに飛んでしまうことがあまり多くなりすぎないように注意しましょう。

資料については、画面の共有が容易であれば表示しますが、ホスト側のコントロールができる状態か、また共有をしやすい相手か考えて判断します。技術系のインタビューでは、資料がマストな場合もあり、URLを共有したり、ホスト権限をあらかじめ確認しておきプレゼンテーション資料を共有するのも、回答を進めやすいでしょう。

受け答えをしっかりして話を進めていこう

質問の台本があり、相手も準備をして進めている取材は、全体的にスムーズに進められますが、ちょっと単調になっていく可能性もあります。そこで、相づちを大げさに入れる「徹子の部屋」方式を利用するのもいいかと思います。

テレビ番組の「徹子の部屋」は、事前にゲストのことを調査して話題を決め込んだ上でトークショーが行われるといいますが、わかりやすく、かつ楽しんで見ることができます。徹子さんの進行は、最初に話題を振ったあとは、相手の言ったことを繰り返すだけのことも多いのです。意見を差し込んだり、別の視点から光を当てようといったことはあまりしません。「あら、そうなのね」「そうだったのね」「大変だったわね」とシンプルな返しで続いていきます。これも、相手の言葉を受け取るのも会話術のひとつです。

時間が決められたインタビューでは、先を急ぐあまり、あるいは自分で必要な情報が取れているかを計算するするあまり、相手の言葉を受け止めたというフィードバックが伝わりづらいこともあります(ウェブ会議では、互いの目線がどこにあるのかわかりづらいということも問題として残ります)。そこで、多少大げさでも「そうだったのですか。◎◎だったとは私も驚きました」などといったリアクションを回答を受けたあとで、追加するのもいいと思います。

感想を言うことで相手の話を楽しんでいるということにもなりますし、単純な返しになることで、インタビューで話す内容に集中し、邪念を寄せ付けない効果もあると思います。

オンラインでも映える記事のビジュアルづくりのポイント

記事の仕上げるために、やはり話し手の写真や関連するビジュアルが入ると読者の好奇心をそそります。

コロナ禍では、訪問撮影が難しくなりました。最近では、撮影担当だけが出張する例も見られますが、まだまだ、リモートワークなどの都合で適切な撮影場所が用意できないこともあります。

そこで考えられる代案は、まず広報写真などとして取材相手が持っている写真などを素材として借りることです。この際にタイトルの文字やテーマにあった素材を組み合わせるなどすると、単純に借りてきた(ほかのサイトでも掲載されている)だけの状態から、オリジナリティが付加できます。

素材写真やビジュアルは、ある程度気軽に選べるように、フォトストックなどと定期契約することも必要ですが、中には無料で使えるサイトもありますのでチェックしておきましょう。

【保存版】差別化できる、商用OKな海外フリー写真サイト8選

次に、セルフィー写真や手持ちのプロフィール写真、身近な方に撮ってもらった取材相手の写真などを借りるということもありえます。ただし、稀にしかトップに掲載するクオリティのものはないかもしれません(またはスマホ用の縦型写真なども多く、Webで使いづらい場合もあるでしょう)。写真を切り抜きできるようであれば、ロゴや題材のビジュアルと組み合わせて使うこともできるでしょう。

単品で映えない場合は素材をコラージュしてみるなど、サイトのトーンマナーにもよりますが、一手間かけることでなんとかなることもありそうです。

<斜め半分上をタイトルなどにしてごまかす例などあるかと思いますがサンプルがあるほうがいいかなあ>

まとめ

このように、インタビューは、事前の情報をできるだけ収集し、伝えたい内容をイメージして質問を立てていくことで成功しやすくなると思います。そこで、すでに知っていることを繰り返し聞くだけでよい場合と媒体のために新しい切り口や情報を加えないとならないことがあります。資料だけに頼らずにゴールをイメージして質問を組み立ててみます。

インタビュー当日は、相手にリラックスして気持ちよくしゃべってもらえるようにします。準備を整えたのであれば、あとは回線の音声をしっかり確認して、快適なビデオ会議環境で進めましょう。

インタビュー後はお礼とともに、記事の完成や公開についてのレギュレーションや時期などについて確認し、掲載に必要な素材があれば、集めてから記事制作に入ります。

いかがでしたでしょうか。オリジナルで専門性の高いコンテンツを自社から発信していくニーズは、Web上でのマーケティングの重要性とともに高まり続けています。自社のビジネスにふさわしい専門性のあるインタビュー記事の制作や、事例の取材は必ず必要なコンテンツです。もちろん外部のプロに依頼することもありますが、スモールスタートやスモールバジェットではまず社内のメンバーで、トライしてみるのがよいでしょう。そんな時に今回したようなポイントを参考にしてみてください。

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  • POINT

  • プロでなくても、コンテンツの専門性を高めるのに取材は欠かせない
  • 事前の情報をできるだけ収集し伝えたいゴールに向けて質問案を作る
  • 音声や照明などの周辺環境をあらかじめリハーサルして本番にのぞむ

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