動画制作をサポートする便利なアプリとセルフィー用ライトなど機材4選

これまで動画編集用のアプリを紹介してきましたが、今回は動画の撮影時に役に立つ、ユニークで便利な機材とアプリを計4点採り上げたいと思います。

まず、何らかの商品を説明する動画をスマートフォンで撮影する場合などに、影が出にくく、比較的均一なライティングが可能な、セルフィー用ライト。
次に、スマートフォンに加えて備えておくと、撮影が楽になったり、個性的なビジュアル表現ができるようになる2種類のビデオカメラ。
そして、iPhone XS/XR以降のiPhoneに限られますが、内蔵された複数のカメラを同時に使って、たとえば本体の向こう側と手前側の映像を同時に収録できる無償のアプリ。

こうした機材やアプリを組み合わせることで、自前のWebサイトにおけるコンテンツマーケティングの一環として掲載する動画の撮影はより手軽に行えるようになり、手間がかからない分、長く続けていくための後押しにもなってくれるはずです。
 
では、さっそくセルフィー用のライトから見ていくことにしましょう。

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影が目立たないセルフィーリングライト

スマートフォンで動画を撮る場合のライトは、メインカメラであればLEDフラッシュを点灯状態にする機能で代用でき、簡易的に明るく撮影することが可能です。しかし、内側のセルフィー用のカメラの場合には通常フラッシュに相当するものがありません(静止画撮影では、スクリーン全体を撮影の瞬間だけ高輝度の白色に発光させる機能付きの製品もありますが…)。そのため、一般的には周辺光に頼るか、外部のライトを使って撮影することになります。

これを補うための後付けライト製品は100円ショップでも販売されていたりしますが、発光体が点光源に近いと強い光が1点から投射されるため、影が不自然になることも少なくありません。これを防ぎ、光が顔や手にした物に行き渡るようにするには、リング状のライトを使うことが有効です。

手術室などでも使われる無影灯と同じ原理で、複数の光源を円環状に配したリングライトは、個々の光源が違いに影を打ち消し合う効果があります。また、リングライト自体がクリップのようになっていて、スマートフォンを直接挟んで装着するタイプの製品もあり、持ち運びには便利ですが、自宅や店舗のデスクなどで撮影を行うのであれば、2本のフレキシブルアームの先にスマートフォンとリングライトを別々に装着して撮影時の自由度を高めた製品がお薦めです。価格的にも2000円以下で購入できるので、1つ揃えておくと良いでしょう。

セルフィーリングライト
セルフィーリングライトの例(Selvim 2in1 進化版 自撮り 6インチリングライト)。「自撮りリングライト」などの製品名で販売されており、デスクなどにクリップで固定できます。

セルフィーリングライトの効果がわかる動画

セルフィーリングライトの効果がわかる動画を用意してみました。スマートフォンもリングライトもフレキシブルアームで支えられているので、それぞれの位置や向きを目的に応じて自由に設定することが可能です。

手のひらサイズでブレない映像が撮れるDJI OSMO Pocket

ドローンメーカーとして有名な中国のDJIが開発した小型のビデオカメラが、OSMO Pocket(オスモ・ポケット)です。
手のひらに収まるほど小型でスリムですが、最大4Kの解像度と3軸ジンバルという手ブレ防止の機構によって、手持ちでも美しく安定した滑らかな動画を撮影することができます。また、重量がわずか116gで、握りやすいスティック形状のため、長めの撮影でも苦になりません(満充電では最長140分の連続撮影が可能です)。

DJI OSMO Pocket
ポケットサイズながら3軸のジンバルと最大4Kの解像度で滑らかな映像が撮れるDJI OSMO Pocket。希望小売価格は45,000円ほどですが、発売から1年以上を経て37,000円前後で買えるようになっています。また、スマートフォンとの合体はできませんが、より安価で似た機能を持つ製品が他社からも発売されています。

電源ボタンを短く3回押すことで、カメラ部が180度回転してセルフィーモードに切り替わり、フェーストラッキングされるので、何かのレポート的な撮影を行っている途中で、自分の映像に切り替えてナレーションを入れるようなことも簡単に行うことができます。

さらに、本体の画面では小さすぎるという場合には、iPhoneやAndoidのスマートフォンを、それぞれ付属のLightningまたはマイクロUSBアダプタによって合体でき、あたかも大型のファインダーのようにして撮影することも可能です。その場合には、スマートフォン側の画面で、より細かな設定を行えるようになっています。

本体には三脚穴がなく、三脚に取り付けるにはオプション部品を装着する必要がありますが、底面が平らなので、水平な面があればその場に置いての撮影にも対応できます。

DJI OSMO Pocketを使ってイベントを撮影した例

DJI OSMO Pocketを使って、支笏湖デザインプロジェクトAR展示会の撮影を行った例です。手持ちで歩きながらの撮影でも非常に安定し、途中でワンタッチでカメラ部のみを自分側に向けて説明を入れるような使い方がわかるかと思います。

DJI OSMO Pocketを使ってブツ撮りした例

DJI OSMO Pocketを使ったブツ撮り(製品撮影)を想定した例です。実際に詳細に製品を見せる場合には、そのまま手持ちで色々な角度から撮影したり、別に撮影した静止画を編集時に挿入したりすると思いますが、手持ち状態でも、カメラ部の向きだけを変えてナレーションと製品を交互に見せられることが理解できるでしょう。

編集時に撮影方向や構図を決められるKANDAO QooCam

KANDAO QooCam(カンダオ・クーカム)は、上下左右に360度の全天球映像を撮影できるVRカメラ(別名360度カメラ、全方位カメラ)です。また、筐体の中央部分を90度曲げると、上下左右に180度の立体映像を記録可能な3Dカメラにもなる独自機能も備えています。価格は44,000円前後ですが、3台分のカメラ機能が内蔵されていることを考えれば、リーズナブルともいえます。

VR撮影されたデータは、そのままVR映像として、ユーザーが自由に見たい方向を選んで再生することもできますが、スマートフォンやコンピュータ用の専用アプリを使い、一般的な動画として書き出して利用されることも少なくありません。特に、映像を作る側の意図を反映させたい場合には、後者の書き出し機能を利用するケースが多くなります。

外国人向けに大阪城の見どころを紹介した”The Osaka Castle at a Glance”という映像は、筆者が以前に別のVRカメラ(Insta 360)で撮影し、一般的な動画として書き出したものですが、周囲をすべて撮影して後から構図を決められるという特性がよく現れているといえるでしょう(以下のサンプル動画も、同様に後からの編集で見せる方向などを決めています)。

QooCamでは筐体が長めのスティック形状であることを活かして、最長3時間の連続撮影できるバッテリー容量が確保され、三脚を使わずに置いてもレンズから床やテーブル面までの距離をある程度確保することが可能です。

KANDAO QooCam
伸ばした状態では360度撮影が可能な4K解像度のVRカメラ、筐体の中程で折り曲げて変形させると立体撮影ができる3Dカメラとなる、1台2役の製品がKANDAO QooCamです。2019年末に、360度撮影のみで変形機能のない上位機種として、画質を重視した8K解像度のQooCam 8Kも登場しています。

なお、QooCamに限らずVRカメラの映像は、たとえ高解像度の撮像素子を使っていても、見た目の解像感が低く感じられます。その理由は、たとえばQooCamのように4KのVRカメラでも、その画素数があくまでも全天球に割り当てられ、ユーザーが一度に見ることのできる範囲はHD〜2K程度の解像度になってしまうためです。

また、近くから遠くまでピントの合ったパンフォーカス状態を作り出すうえで、レンズの絞りが絞られて(光の通り道を細くして)います。そのため、光量の少ない屋内での撮影ではノイズが乗りやすくなり、作例もザラついて感じられるはずです。しかし、Web動画として幅500〜640ピクセル程度のサイズで再生することで、画質の点はさほど気にならなくなります。

一方で、撮る方向を気にせずに撮影でき、後から納得のいくまで見せたい部分を切り出して編集できるメリットはVRカメラならではの特徴なので、目的に応じて他の撮影機材と使い分けるとよいでしょう。

QooCamを使ってイベントを撮影した例

先と同じイベントをQooCamで撮影した例です。一見すると、カメラの向きを変えながら撮った映像のようにも思えますが、見回すような動きも筆者の顔が写っているのも、後から編集時に決めたものです。

QooCamを使ってブツ撮りした例

QooCamのもう1つのメリットは、狭い空間でもカメラのセッティングを自由に行え、助手がいなくても自分撮りを含めながらの製品撮影がやりやすいことです。目の前にQooCamを置き、手にした製品をレンズの手前や向こう側で動かしながら撮影するだけで、後から視点を移動したように見える動画にまとめることができます。たとえば、対談のような映像も、話者の中央にQooCamをセットして撮影すれば、後から発言に合わせて顔を切り替えるような編集が行えるわけです。

iPhoneで2つの動画を同時撮影できるDoubleTake

DoubleTakeは、2019年秋のAppleのスペシャルイベントでiPhone 11シリーズが発表された際に、デモが行われたFiLMiC Proという有料アプリのマルチカメラ機能を独立させた無料アプリです。実際には、製品版のFiLMiC Proへのマルチカメラ機能の実装に時間がかかっているため、原稿執筆の時点ではDoubleTakeがiPhone用では唯一のマルチカメラ対応の動画撮影アプリとなっています。

マルチカメラ機能とは、iPhone XS/XS Max/XRでは、望遠・広角・セルフィー、
iPhone 11では、広角・超広角・セルフィー、iPhone 11 Pro/11 Pro Maxでは、望遠・広角・超広角・セルフィーの複数のカメラから任意の2つを選択して、同時に動画撮影ができるというものです。それより前のモデルでも、望遠・広角・セルフィーの3つのカメラを内蔵したものはありますが、本体性能が高くないと2つの動画を同時収録できないため、このような対応機種となりました。

DoubleTale
DoubleTakeでは、最大でiPhoneの4つのカメラの画角を一度に確認したうえで任意の2つを選び、同時に撮影することが可能です。この図では、選択された2つのカメラのプレビューがカラー表示され、残りのカメラのプレビューはモノクロ表示となって区別されていることがわかります。

撮影された2つの動画は、事前の設定によって、別々に保存することも、またどちらかの動画内にもう1つの動画を小さく埋め込むピクチャー・イン・ピクチャー形式でも保存できます。前者の場合も2つの動画は完全に同期しているため、時間軸を合わせて交互に異なるカットを入れるような編集が楽に行えます。

DoubleTakeは無料で気軽に試すことができるので、対応する機種をお持ちの方は、ぜひ使ってみてください。

DoubleTakeを使ってイベントを撮影した例

DoubleTakeの超広角カメラとセルフィーカメラの組み合わせで撮影し、ピクチャー・イン・ピクチャー形式にしたイベント映像の例です。iPhoneの構造上、外側と内側のカメラは必ず180度異なる方向に固定されているという制約はあるものの、片方を超広角としてカバー範囲を広くすることで、被写体を捉えやすくなります。

まとめ

最近ではスマートフォンだけでもかなりの映像制作ができるようになり、一般的なユーザーにとって、専用のビデオカメラの出番は減った感があります。しかし、DJI OSMO PocketやQooCamのような個性的な製品は、スマートフォンを補完する撮影機材として重宝する存在です。
さらに、DoubleTakeのようなアプリの登場によって、1台で異なる画角のショットや、前後両方の被写体を同時に撮れるようになり、スマートフォン自体の利便性も高まりました。

なお、これらの機材は最大4Kの解像度で動画を撮影できますが、Webで利用する場合を想定してHD解像度で編集したものを作例としました。また、YouTubeからのストリーム再生では実際よりも解像感が低下することがあります。

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