コンテンツマーケティングに必要な要素を深掘りする【前編】

 前回は、マーケティングのデジタル化が進む中で、コンテンツを意識したWebサイトの構築やSNSの活用が重要になっているという話をしました。商品を売り込むプッシュ型の情報発信ではなく、潜在的な顧客が求めている有用な知識全般を継続的に提供することで消費者を惹きつけるプル型の情報発信が好まれ、実際にも効果を上げているということです。

そうした流れを捉えて、もはや「コンテンツマーケティング以外はマーケティングではない」とさえ考える専門家が現れたり、今や「すべての企業がメディア企業であるべき」と唱えるジャーナリストも出てきています。後者は、いわゆるマスコミ以外の事業でも、メディア企業と同じ熱意を持ち、様々なコンテンツを駆使して消費者とコミュニケーションをとることの重要性を端的に指摘したものといえるでしょう。

 今回は、マーケティング・エキスパートのアンデ ィ・クレストディナが提唱する理想のコンテンツマーケティングの実現に必要な要素について解説します。

認知段階と興味段階をカバーする9要素

 コンテンツマーケティングの基本については、前回のコラムに目を通していただいたものとして進めますが、もしまだご覧になっていない読者の方がおられましたら、まずはお読みください。

コンテンツマーケティングって何?:サイトオーナーが意識すべき基礎知識

 そこで触れたコンテンツマーケティングの18要素と略称は、次のようなものです。
コンテンツマーケティングの18の要素
そのうち前編では、最初の以下の9要素について解説していきます。

  1. ソーシャルポスト(Sp)
  2. ブログポスト(Bp)
  3. ニューズレター(Ne)
  4. ポッドキャスト(Pc)
  5. プレゼンテーション(Pt)
  6. ラウンドアップ(Ro)
  7. インフォグラフィック(Inf)
  8. ランディングページ(Lp)
  9. Webページ(Wp)

 実は、一般的な消費者が、あるお店や会社の顧客になる過程には4つの段階があるとされています。コンテンツマーケティングの各要素も、それらの段階と密接に結びついているので、その4つについて簡単に説明しておきましょう。

1つめ:認知段階

どんなビジネスでも、お店や会社、あるいは製品やサービスの存在を知ってもらわないことには、その先に進むことができません。この段階のコンテンツは、バラエティ豊かな話題で惹きつけることが大切です。

2つめ:興味段階

存在は知ってもらえましたが、相手(消費者)は、まだこちらのことを詳しく知りません。そこで、様々な情報を提示して、こちらが特定の製品やサービス分野のプロとして信頼できる存在であることを示し、興味を持ってもらえるようにします。

3つめ:検討段階

信頼関係が築ければ、次は、具体的に製品を購入したり、サービスを受けても良いかなと考えていただけるようになるでしょう。この段階では、そう思ってもらえた潜在顧客の背中を押してあげるような情報が求められます。

4つめ:決定段階

ここまで来ると、相手の意思はほぼ固まっています。そのときに求められるのは、自分の決定は間違っていないと感じてもらえるような、追加の情報です。

 これらの4段階を経て、消費者は顧客へと変化してくれるわけですが、先に挙げたコンテンツマーケティングの最初の9つの要素のうち、ソーシャルポストとブログポストは認知段階、ニューズレターからWebページまでが興味段階をサポートすることになります。
 それでは、それぞれ具体的に見ていくことにしましょう。

こちらの存在を知ってもらうためのコンテンツ

ソーシャルポスト(略称:Sp)

これは、SNSへの投稿などを指しています。オウンドメディアの外側にありますが、今日のようにSNSの利用者が多く、毎日、投稿のチェックが行われているような状況では、無視できない存在です。

ソーシャルポストされたコンテンツはどんどん流れていってしまうため、旬を維持できる期間は短いものの、手軽な割に大きな効果を生み出せる可能性があります。SNS上で行ったアンケートの集計結果を、次のブログポストで記事化するなどの方法によって、フォロワーがオウンドメディアに興味を持つきっかけにするような使い方もできるでしょう。

ブログポスト(略称:Bp)

いわゆるブログ記事ですが、外部のブログサービスは使わずに、オウンドメディア内にコーナーを設けることが重要となります。記事の導入部分や要約をソーシャルポストして、続きはブログで…というような誘導を行うことで、トラフィックの流入促進も可能です。

ブログ上でアクセス数の多い記事は、消費者の興味を惹いているということですから、それらを再編集して、後編で説明するホワイトペーパーやeブックの形で読めるようにし、閲覧やダウンロードの条件としてメールアドレスの登録を求めれば、それをベースにして、より深い情報提供などもできるでしょう。
また、興味をそそるブログ記事には、優れたビジュアルも不可欠です。

ブログポストの実例~ホクト

ホクトのサイトキャプチャ
きのこ販売で有名なホクト株式会社の「きのこらぼ」は、一見するとそのように感じられないかもしれませんが、月ごとに特集テーマを決めて、ブログポスト中心に構成されているコンテンツサイトです。ページトップの興味を惹く健康と美容チェックや、きのこレシピなどもアクセスを誘う工夫です。

ニューズレター(略称:Ne)

主に電子メールによって配信される製品・サービス情報やセールの告知などを指しますが、短いものやスポット的な話題はメッセージングサービス経由で発信されることもあります。ソーシャルポストに、比べて情報の鮮度を維持できる期間が数日程度と長いことが特徴です。
概要をニューズレターで伝えた上で重要箇所や結論的な部分はブログポストなどに掲載し、文中や文末にそこへのリンクを埋め込むようにすることが効果的といえます。

ポッドキャスト(略称:Pc)

ポッドキャストは、元々、アップルの携帯音楽プレーヤー、iPodに音声番組を保存して聴くことから広まり、日本での人気は今一つという印象がありますが、欧米ではビジネスの世界でもしっかり利用されているメディアの1つです。制作にかかる手間やコストが動画よりも少なくて済み、通勤や通学の途中でも気軽に聴いてもらえることがメリットといえるでしょう。

内容も、わざわざポッドキャスト用に新規に用意せずに、ブログポストを読み上げるようなやり方も考えられます。その場合、リスナーからのコメントやディスカッションの場をオウンドメディアのブログに用意したり、逆にブログでポッドキャストの告知や概要紹介をして、相乗効果を上げることも可能です。

ポッドキャストの実例~大塚製薬

サイトキャプチャ
https://www.otsuka.co.jp/company/global-topics/
日本では珍しくポッドキャストにも力を入れているのは、ポカリスエットやカロリーメイトなどでお馴染みの大塚製薬株式会社です。かつて発行していた社内英字新聞をWebコンテンツとして復活させ、ポッドキャストと連動させています。

プレゼンテーション(略称:Pt)

ひと口にプレゼンテーションといっても、リアルタイムで画面を動かしながら説明を行うライブプレゼンテーションと、閲覧者が自分のペースでページをめくっていくスライドショーの2種類があります。どちらも、写真やイラスト、グラフのようなビジュアル要素を効果的に利用し、テキストを詰め込み過ぎないようにすることを心がけてください。
ライブプレゼンテーションの告知は即時性のあるソーシャルポストを通じて行い、スライドショーには関連するブログポストやWebページへのリンクを埋め込むようにして活用しましょう。

ラウンドアップ(略称:Ro)

ラウンドアップとは日本では耳慣れない言葉ですが、「まとめ」や「総括」を意味しています。コンテンツマーケティングでは、特定分野の専門家にコメントを依頼するなど、第三者とのコラボレーションによって作られるコンテンツを指し、その専門家がSNSなどで多くのフォロワーを擁していれば波及効果も期待できるでしょう。

ラウンドアップを通じて多くの専門家とのコネクションが生まれることで、様々なアドバイスをもらえるなど、副次的なメリットも見逃せません。
専門家と聞くと難しく考えがちですが、個人商店ならば、町内の生き字引のような方や、人生の先輩としての自分の祖父や祖母のコメントを盛り込んでも、一味違うコンテンツを作ることができると思います。

ラウンドアップの実例~ライオン

ライオンのサイトキャプチャ
ライオン株式会社のコンテンツサイトである「リディア」は、プロのスタイリストに古着リメイクのアドバイスを受けたり、お坊さんに朝の掃除の精神的な効果を尋ねるなど、ラウンドアップに相当するコンテンツの使い方、見せ方が巧みです。

インフォグラフィック(略称:Inf)

主に数字がメインの様々なデータをビジュアル化してわかりやすく提示するものが、インフォグラフィックです。グラフとイラストを融合したようなイメージを思い浮かべてください。ブログポストに埋め込んで、その内容を視覚的に説明したり、人気のあった記事に追加することで、さらにアクセス数を伸ばすためのツールとしても利用されます。
また、ビジュアル情報は引用されやすいので、インフルエンサーの目に留まるなどすれば、新たなアクセス流入のきっかけとなることも期待できるコンテンツです。

インフォグラフィックの実例~ANA

ANAのサイトキャプチャ
ANAこと全日本空輸株式会社の「Travel & Life」には、その名もインフォグラフィックのセクションがあり、国別のカニ消費量から世界の花ごよみ、異界からの神、そしてこのウイスキー蒸留所に至るまで、多様な話題がわかりやすくグラフィックスで表現されています。

ランディングページ(略称:Lp)

次のWebページのバリエーションではありますが、特にソーシャルポストや電子メール/メッセージングサービスによるニューズレター内のリンクからアクセスがあった際の受け皿として特に用意されたページを意味しています。ただし、ここは興味段階の入り口にあたる部分ですから、いきなり製品やサービスの話を持ち出すのではなく、閲覧者の興味を持続させながら親近感を持ってもらえるような中身にすることを心がけてください。

リンク元のソーシャルポストやニューズレターで使った印象的なタイトルやキャッチフレーズをランディングページでも目立たせるようにすると、確かにリンク先に移動したことを認識できるので、閲覧者に安心してコンテンツを読み進めてもらえます。

Webページ(略称:Wp)

お店や企業のWebサイトのメインとなるページで、ここだけ製品やサービスに関する直接的な内容で構成することができます。そして、ブログポストなどのコンテンツマーケティング関連のオウンドメディア側にリンクを用意し、該当する製品やサービスのページに飛んできてもらえるようにするのです。また、アクセス数の多いページに動画を埋め込むことで、実際の購入や登録につながりやすくなる傾向が見られます。

逆に、Webページ内に別のページへのリンクを貼る場合には、閲覧者の興味をそらさないように慎重に設定してください。後編で説明する、ケーススタディやホワイトペーパーなど、見ているページの内容の延長として、より深い知識を与えるコンテンツへのリンクが有効です。

まとめ

コンテンツは自前のサイトで管理し閲覧者の行動を把握

 前回にも触れたように、コンテンツマーケティングの要素すべてを無理してオウンドメディアに盛り込むことはありません。対応しやすいものや手軽に続けられそうなところから始めればよいのです。

 ただし、SNSやライブ配信のサービスなどは別として、できるだけ自前のサイト内でコンテンツを管理し、アクセス変動や閲覧者の行動履歴などを把握できるようにしておくことが重要となります。ブログやポッドキャストなどの動的なコンテンツも扱いやすく、スタイリッシュなまとめ方ができるBiNDupは、この点でもコンテンツマーケティングに向いたプラットフォームだといえるでしょう。
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