無料で便利!YouTube Studioの動画編集でできること、お手本にしたい事例
今やコンテンツマーケティングに動画は有効ですが、今回はYouTubeを利用したマーケティングの事例や、YouTubeが提供している動画編集アプリ「YouTube Studio」の使い方について説明します。YouTubeマーケティングが先行している企業やお店は、どのようにして動画を活用しているのでしょうか?
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▽動画を自作する時に役立つ基本の手順を解説
撮影と編集機材はiPhone/iPadとMacBook Airで対応可
動画編集の前に、撮影から編集に必要な機材について、iPhoneやMacBook Airクラスの機材でも十分であるという実例からご紹介します。
iPhoneで撮影され、iPad Airで編集されたこちらの動画は、ベントレーというイギリスの高級車のプロモーションビデオなのですが、3分12秒あたりから始めるメイキング映像を観ると、それがわかります。
もちろん、プロの映像制作者にとっては様々な画角が使えることが重要なので、iPhoneに交換レンズが付けられる特殊なケースや、本体を安定して保持するためのリグなども用いられていますが、このように小回りの効く撮影や即時性のある編集にはiPhoneとiPad Airが十分にその役割を果たしています。
iPhoneで撮影したものをiMovieなどで編集しYouTubeにアップするようなやり方でも、まったく問題ないといえます。
高機能な編集アプリを使ってよほど高度な処理を行わない限り、YouTube Studioはもちろん、今ならAppleシリコンが搭載されたMacBook Airクラスの製品でストレスなく作業することが可能です。
高価な機材での編集に予算や時間を割くよりも、短めのインターバルで定期的に公開できる動画の企画に注力するほうがよいでしょう。
動画編集ツールYouTube Studioの使い方
YouTubeがパソコン向けのWebアプリとして無料で提供しているYouTube Studioの動画編集機能の使い方を説明していきましょう。
この機能は、アナリティクスと同じくYouTubeにアップロードされた動画が対象なので、あからじめ編集したい動画をアップロードしておくことが必要です。(なおYouTube Studioのスマホアプリはアナリティクス機能中心で、動画編集に対応していません。)
YouTube Studioでできることは、基本的に以下の5つです。
(収益化対象のユーザーは広告再生などの位置なども決められますが、チャンネル登録者数が1,000人以上、かつ公開動画の総再生時間が直近の 12か月間で4,000 時間以上という条件が課されるため、ここでは含めていません)
- カット編集をする
- 動画の一部をぼかす
- BGMをつける
- 終了画面を追加する
- 字幕をつける
これ以外の編集を行いたい場合には、サードパーティ製のアプリを使うことになりますが、ぼかしや字幕つけの機能だけでも便利ではあるので、基本的な使い方を知っておくに越したことはありません。
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1.動画をカットする
動画を切って不要な部分を省いたり、つないだりする編集です。場面転換の効果などはありませんが、映画やドラマなどでも単純なカット編集が多用されているように、使い方次第では十分ともいえます。
YouTube Studioは、YouTubeの自分のホームページの右上のアカウントアイコンをクリックすると開くメニューの3番目から開くことができます。そして、左側のコラムから「コンテンツ」を選び、編集したい動画をクリックして、詳細情報を表示します。
詳細情報の画面で左側のコラムから「エディタ」を選びます。動画エディタが表示されるので「カット」を選択してください。すると、タイムラインの先頭と末尾に青い線が追加され、下に「分割」、「すべてクリア」、「プレビュー」のボタンが現れます。
青い線を移動するとその部分が黒っぽくなりますが、これは削除したい範囲を表します。また、再生ヘッドを移動して「分割」をクリックすると、その位置にも青い線が追加されるので、それを移動して削除したい箇所を増やしていくことが可能です。
これらを組み合わせて残したい部分を決め、「プレビュー」をクリックして再生すると、編集結果を確認できます(この時点では、まだ編集結果は保存されていません)。
再編集が必要であれば、「カットを編集」ボタンをクリックすることでタイムライン編集に戻れるので、結果に満足できるまでプレビューと再編集を繰り返してください。
最後に、右上の「保存ボタン」をクリックしてカット編集を終了するか、他の編集作業に移行します。
2.動画の一部をぼかす
任意の領域や人物の顔部分を、自動的に追従しながらぼかすことができます。動画のタイムラインの中に「動画の一部をぼかす」という文字が見えますが、ここをクリックするか、次の図の赤丸で示した「+」のクリックによって、動画を部分的にぼかすための編集モードに入ります。
「顔のぼかし」と「カスタムぼかし」があり、前者は動画内の人物の顔を自動認識して、また、後者は長方形または楕円で任意の領域を指定して、それぞれぼかし処理が行われる仕組みです。また、領域を指定するカスタムぼかしの場合、ぼかす領域を対象の動きに合わせて自動的に移動するか、位置を固定したままでぼかすかを選ぶことができます。
商品紹介の動画などでは使う機会があまりないかもしれませんが、街中で撮影するような場合には、通行人のプライバシー保護などのために利用できるでしょう。また、テレビのクイズ番組などで見られる手法ですが、たとえば新製品紹介などで最初はアイテムにぼかしをかけた状態で取り出して興味を持ってもらい、後からぼかしをとって正体を明かすような演出に使っても面白いかと思います。
3.BGMをつける
YouTubeが提供する楽曲や効果音をつけられます。BGMは、音符アイコンの横の「+」のクリックで追加できます。
楽曲ならば「無料の音楽」のリストから、効果音の場合は「オーディオライブラリ」(無料の音楽も含まれます)のリストに切り替えて選んでください。また、オーディオライブラリではお気に入りの楽曲や効果音に☆印をつけることができ、「スター付き」をクリックして素早く選べるようにすることも可能です。
終了画面を追加する
終了画面とは、YouTube動画の最後に、チャンネル登録のお願いや、他の動画へのリンクなどを表示する終了画面を動画の終盤にオーバーレイします。長さが25秒以下の動画では利用できません。
次の図の赤丸の「+」をクリックすると、終了画面に表示可能なアイテムがポップアップメニューで表示されるので、適宜選択してください。画面上のアイテムの位置や数は、後から自分で調整できますが、定番的なアイテムを配置したい場合には「テンプレートを適用」を選ぶと表示される、プリセットされたレイアウトを利用すると便利です。
表示アイテムを追加したい場合には、「+ 要素」をクリックして、アイテムの種類を選びます。たとえば、アイテムが動画の場合には、「最新のアップロード」や「特定の動画の選択」などのリストからアイテムを選べるようになります。
字幕をつける
あらかじめ用意した字幕のテキストファイルを読み込んだり、動画を再生・停止しながらキーボードでタイプ入力を行えます。
字幕をつけるには、左コラム内の「字幕」を選びます。元動画の言語(この場合は日本語)は、すでにプリセットされていますので、もし追加したい言語があれば「言語を追加」をクリックしてリストから選択してください。
画面右の字幕欄の「追加」をクリックすると、ダイアログが表示され、2つの方法で字幕が付けられるようになります。1つは、ここのページの仕様に従った字幕ファイルを用意して、それを読み込む方法。もう1つは、動画を観ながら、適宜、再生・停止しつつ、キーボードから字幕をタイプ入力していく方法です。
なお、字幕の言語が動画の元言語と一致している場合には、自動解析によって動画と字幕が同期するように調整されます。また、動画の元言語の字幕がアップロードされていれば、「自動翻訳」によって他言語の字幕を生成することも可能です。
字幕をつけるための設定が終わったら「公開」をクリックして終了します。
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それぞれに個性あるYouTubeマーケティング事例
最後に、企業やお店のYouTubeマーケティング事例を3つ、見てみることにしましょう。
アサヒグループのYouTubeチャンネル
大手企業の場合、テレビCMなどの映像資産を持っているため動画マーケティングを行いやすい面があります。しかし、商品自体を売るための映像であるため宣伝要素が高く、コンテンツマーケティングとは正反対の方向性になってしまうことが難点です。
このチャンネルでは、お酒に合うおつまみ紹介という切り口の「おつまみレシピ」というコンテンツがあり、実はチャンネル内の動画数でも115本と群を抜いて多くなっています(他は数本〜40本)。
しかも、そのほとんどが1分以内という短さで、かつナレーションはなく、ポイントとなる部分は字幕で説明するなど、わかりやすさを重視しています。筆者はお酒を飲まないのですが、観ていて思わず作りたくなり、いくつか試してみましたが、どれも簡単にできて美味しく、他の動画も観たくなる十分な動機付けとなりました。まさに、コンテンツマーケティングの術中にはまったといえるでしょう。
美容室アグヘアーのYouTubeチャンネル
チャンネル登録者は3160人と少なめですが、人気動画の「【美容室に行けない方に伝えたい】おうちで毛量を減らすポイントを解説!」が1年間で35万回再生されるなど、リピーターあるいは登録せずに観ている人が多いのでしょう。顧客の望みや悩みに寄り添い、それを解決する技術やノウハウがあることを地道に伝える動画を作って公開し続けています。
また、シーズンごとにコンセプトムービーを制作し、この美容室が、子供からお年寄りまで幅広い人たちを対象にしていることやスタッフが顧客と共に成長していくことを伝えています。
コンセプトムービーはプロに外注しているように見えますが、レギュラー動画は自主制作と思われ、そのような使い分けによって予算を抑えつつも定期的な動画公開がなされています。自らの専門知識を活かして動画を作り、公開する。そのサイクルを確立することが大切なのです。
吹奏楽譜の制作・出版会社ウィンズスコアのYouTubeチャンネル
ユニークな業種もさることながら、YouTubeなのに動画ではなく、静止画のタイトルイメージを表示したまま、吹奏楽の演奏を聴かせるスタイルが貫かれています。しかし、チャンネル登録者数は約22万6000人もいてアサヒグループの倍以上となる、数多くのファンを掴んでいるのです。
聴いて気に入った曲は、概要欄に記されたリンクから同社のオンラインショップの当該ページに飛んで購入できる仕組みで、楽譜集も人気アニメ映画監督の細田守作品の主題歌メドレーなど、時流を見据えた商品企画が光っています。
業種や扱い商品・サービスの種類にもよりますが、これもまたYouTubeマーケティングの1つの形だといえるでしょう。
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まとめ
今回のYouTubeマーケティングの事例とYouTube Studioの動画編集機能は、いかがだったでしょうか?
大手企業も、商品紹介だけでなく、思わず見て真似したくなるようなおつまみの情報を発信したり、事業規模はコンパクトでも美容室や楽譜の出版社がそれぞれの得意分野に基づいてYouTubeを活用していることが、おわかりになったかと思います。また、少しクセはありますが、ベーシックな動画編集ならば、無料のYouTube Studioを使ってできてしまうことも、理解していただけたはずです。
YouTubeで公開した動画は、Webサイトとの連携で双方のアクセス数を伸ばすうえで有効です。ホームページ作成サービス「BiNDup」なら、YouTube動画の埋め込みも簡単です。ぜひご自身のWebページに埋め込んで活用してみましょう。YouTubeマーケティングは、このステップを踏むことで強化されるのです。
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POINT
- 無料のYouTube Studioは動画公開に必要なカットや字幕、ぼかしなどの基本編集が装備
- 字幕を入れておくと他言語に自動翻訳して生成してくれるので便利
- 動画の質よりも視聴者が見たくなる中身で勝負できるのがコンテンツマーケティング