優秀な人材をどう集めるかイチから考えたいビジネスパーソンに向けて、コンサル事業を手掛ける「株式会社ミライフォース」のサイトを例に、「採用」にフォーカスしたサイト作りをレクチャーしていく連載です。今回は、採用サイトにインタビューコンテンツを載せる方法や注意点を説明します。
1.採用サイトにおけるインタビューの役割
採用サイトには、インタビューコンテンツを掲載したいところです。なぜなら、「採用」は人と人とが密接に関わる行為であり、社内の人物のメッセージや顔写真を掲載することで、人としての「魅力」や「信頼感」を伝えられるからです。
採用サイトに掲載するインタビューには、たとえば次のパターンがあります。
- 代表インタビュー
- 社員インタビュー
- 採用担当者インタビュー
これらのうち、まず代表インタビューは、会社の代表者(代表取締役やCEOなど)のインタビューです。「会社の顔としてのメッセージ」を伝えることが主目的です。スタートアップ企業は比較的小規模であり、代表者と社員との距離が近いといえます。気をつけたいのは、内容が「ビジョン」寄りになってしまい、「採用」から遠くなってしまいがちなところ。あくまで採用にフォーカスした内容にするよう心がけましょう。たとえば、ほしい人材を頭に描きながら、語りかけるような内容にするのがオススメです。
社員インタビューは、社内の様子や就労環境をわかりやすく伝えるのに適しています。読んだ人が等身大のこととしてとらえやすく、会社や社員への親近感が高まるでしょう。募集したい職種の社員を出すのがセオリーです。こちらは状況に応じて募集職種の追加や変更がありうるので、スピーディにウェブサイトに反映しましょう。
意外とおろそかになりがちな採用担当者インタビューは、人事責任者などが採用の考え方や求める人物像について語るコンテンツです。スタートアップ企業では、採用プロセスや人事制度がまだ確立されていないケースが多く、応募や入社といった重要な局面では、担当者や代表者の属人性(熱意、魅力など)が決め手になることが少なくありません。また、採用担当者の顔写真やメッセージを掲載しておくことは、応募する側にとってひとつの安心材料となるでしょう。
インタビューコンテンツの量は、少なくとも数段落(200~400文字程度)、多ければ1ページ分用意するのが一般的です。シングルページを前提すれば、コンテンツブロックの一部として数段落用意するとよいでしょう。また、顔がわかる写真を載せることも、「人」という魅力を伝える上で大切です。
ミライフォースでは、上記3つのインタビューのうち「採用担当者インタビュー」を掲載することとしました。すでに述べたとおり、応募する側に安心材料を提供したいことに加えて、採用担当者がメッセージをストレートに伝えたいことが理由です。
2.社内インタビューするときのポイント
インタビューコンテンツは、実際にインタビューを実施し、それを文章にまとめる方法はもちろん、対象者にテキストを考えてもらう方法もあります。
いずれの場合も、数段落の内容であればそれほど手間はかかりませんが、1ページ程度のインタビューの場合は、事前の質問設定、事後の赤入れなどにある程度時間がかかりますので、スケジュールに余裕をもって進めることが大切です。
採用担当者インタビューの場合、担当自らがテキストを書けばそれでよい、と考えがちですが、自然な会話の中から出てくるやわらかな言い回しなどを活かすには、社内の誰かにインタビュワーを務めてもらって、それを文章にまとめるのがよいでしょう。このようなひと手間が、採用サイトの魅力を高めます。
なお、テキストと顔写真を段組みでレイアウトする場合、あらかじめ顔写真の向きと配置に気をつけて撮影しておきましょう。正面を向いている写真は左右のどちらに配置しても問題ありません。一方、左右どちらかを向いている写真は、目線が内側に向くように配置するのがセオリーです。つまり、左を向いている写真は右に、右を向いている写真は左に配置します。
次回予告
次回は、募集を増やして見てもらうためのデザインのヒントと採用サイト全体のブラッシュアップを解説します。
※ASCII.jpより転載
POINT
- 採用サイトにインタビューを掲載すると自社の「人の魅力」や「信頼感」が伝わる
- インタビューの文字量は、少なくとも200~400文字程度、多ければ1ページ分用意する
- 左右どちらかを向いている顔写真は目線が内側に向くように配置するのがセオリー