ウェビナーやサイト内の動画にmmhmmやTouchCastのスパイスを!

オンラインミーティングやウェビナーの利用頻度が高まるに連れて、内容は異なっていても、毎回、似たような画面を見せられることに疲れてしまったり、極端な場合には、少し飽きてくる人も出てきているようです。それは、画面いっぱいにスピーカーの顔や資料・プレゼンテーションのイメージだけが表示されて、リアルな会議やセミナーのようなダイナミックさが感じられないことが、原因の1つであると考えられます。

こうした状況を解消するために、最近、Zoomなどのビデオ会議サービスと組み合わせて利用できるmmhmm(「ンーフー」に近い発音を持つ英語の相槌から命名)というサービスが発表されました。すでにオンラインメディアの記事などで目にした方もおられるかもしれませんが、ちょうどニュース番組のようにキャスターと資料映像を1画面に表示できるmmhmmは、現在、ベータテスト(正式リリース前の試験運用)の真っ最中で、秋には正式リリースされる見込みです。

また、mmhmmと似たサービスとして、すでにiPad向けのアプリでTouchCast Studioというものが存在しており、こちらは基本無料で、今すぐに利用可能な状態にあります。

今回は、mmhmmやTouchCast Studioを使ってできることを紹介し、ウェビナーでのライブ配信やホームページ作成サービスの「BiNDup」によるWebページの動画をより魅力的なものとしていくためのヒントを提供することにしましょう。

ウェビナーをセミナーに近づけるmmhmm

映像を介した情報提供の手法について改めて考えてみると、テレビのニュース番組の見せ方は、なかなかよくできていることに気がつきます。
ニュースキャスターの顔だけが大写しになるときもあれば、キャスターの隣に今日の主な項目のリストが表示されたり、これから採り上げる話題のサムネール映像が斜め後ろに現れることもあり、ニュースの本題に入ると全画面が編集済みの動画に切り替わるといった具合です。
長年に渡って培われてきた、このような情報提示の仕方は、視聴者にわかりやすいこと、そして飽きさせないことを念頭に工夫されたものといえるでしょう。

また、リアルなセミナーでも、上手なスピーカーはプレゼンテーションの画面だけに頼らず、自らのジェスチャーや、その場で何かを手にとって聴衆に見せることによって興味を惹き、場を盛り上げる演出を行っています。
ところが、Zoomなどを介したオンラインミーティングやウェビナーでは、大抵の場合、話者の顔か、資料そのものが画面いっぱいに表示されるので、内容は別として、見せ方が単調になりがちです。

かつて一世を風靡したオンラインノート作成・管理サービスのEvernoteの創業者のフィル・リビン氏も、そのようなオンラインミーティングに飽き飽きしていました。そこで、オンラインでももっと生き生きとして楽しめる情報の見せ方ができないかと考えmmhmmを開発したのです。
mmhmmは、まさにニュース番組で見られるような画面構成を、特別なスタジオや周辺機器なしに可能にしてくれます。百聞は一見にしかずで、次のmmhmmの公式プレビュー動画をご覧ください。

mmhmmを使うと、自分がニュース番組のキャスターとなって様々な情報を色々な見せ方で紹介していくようなスタイルでウェビナーなどを行うことが可能になります。

Zoom単体では、話者の顔か資料のどちらか1つだけ、または共有された資料画面の隅に話者の顔が表示されるような見せ方しかできません。しかし、mmhmmと組み合わせることによって、1つの画面の中で話者と資料を自在に組み合わせて効果的に見せることができるようになるわけです。

mmhmm使用イメージmmhmmでは、このように話者と資料(プレゼンテーション、写真、動画など)を同一画面に奥行きを持って表示することができます。

mmhmmグラフを背景このようなグラフも、背景として用いて、まず話者に注目してもらい……

mmhmm背景アレンジそれから、半透明化した話者の顔を自由な位置に配して、説明を加えることが可能になるのです。

現時点でのmmhmmの不明点

mmhmmは、以前に紹介したSnap Cameraと同じような仮想カメラアプリとして提供され、Zoomなどのビデオ設定で標準のカメラ機能から切り替えて利用するようになっています。

また、現在は招待者限定ですが、全世界で6000人以上の人たちが参加したベータテストが行われ、不具合の解消や使い勝手の調整の真っ最中です。
おそらくはZoomと同じように、基本機能を無償で提供して、高度な機能や連続した利用に対して課金するフリーミアム(フリー+プレミアム)のビジネスモデルに基づく料金プランを打ち出してくるものと考えられ、完全無料のサービスになることはないでしょう。

というように、期待は大きいのですが、まだ最終的なリリース日や機能性を含む全貌が明らかになっておらず、一般のコンピュータユーザーがmmhmmを普通に利用できるようになるまでは、あと数ヶ月はかかりそうです。

では、mmhmmのようなダイナミックなオンラインのプレゼンテーションやウェビナーは、それまで待たなければできないのでしょうか? 実は、コンピュータの他にiOS(現iPadOS)11以降をインストールしたiPadが手元にあれば、mmhmmに近いことを、今すぐ無料で実現することができるのです。

TouchCast Studioの先見性

それには、TouchCast Studioという無料アプリを利用します。このアプリは、最初のバージョンが7年前の2013年にリリースされ、筆者もリアルなプレゼンテーションなどで利用してきました。もちろん、ウイルス禍によるテレワークの普及や、Zoomとの連携など、夢にも思わなかった時代の話ですが、その時点からニュース番組を意識した映像をリアルタイムで作り出すという、mmhmmを先取りした機能が実装されていました。

その概要を説明した動画がこちらになりますので、ご覧ください。

TouchCast Studioは、最初のバージョンが7年前のリリースであるにもかかわらず、mmhmm並みの先進的な機能を備えていました。

TouchCast Studioは、mmhmmのような仮想カメラではなく、iPad向けの独立したアプリです。しかし、iPhone/iPadの画面をAirPlay経由で共有する機能がZoom側に標準で備わっているため、コンピュータを使ってZoomに接続し、そこからTouchCast Studioの画面を共有することで、似たような情報提示が実現します(iPadだけで、Zoomアプリを使ってTouchCast Studioを利用することもできますが、見え方が少し異なるので、これについては後述します)。

 TouchCastが素晴らしいのは、ライブ配信される画面の中に、写真や動画はもちろん、WebページやGoogleマップなどのデータを配置して、そのままスクロールや拡大・縮小などの操作ができてしまう点です。そして、その編集結果を専用サーバーにアップロード(ここが有料サービスなのですが)すると、そこにアクセスした視聴者は単に動画を観るだけでなく、それらの要素をその場で操作することもできる、つまり、動画自体にインタラクティブ性を持たせられるのです。

Zoomと併用する場合にはライブ配信が基本なので、操作は話者のみが行い、専用サーバーにアップロードする必要もありません。そのため、無料で利用できる範囲内で、十分役立ってくれるのです。

ZoomでTouchCast Studioを使いこなすコツ

それでは簡単に、ZoomからTouchCast Studioを呼び出して、テレビスタジオ的なライブ映像を送り出す手順を説明しておきましょう。

まずは、TouchStudio Studio側での準備です。実際のTouchStudio Studioの機能は、ここで説明するよりもずっと豊富ですが、あくまでもZoomでの配信に関係するところのみでまとめてみました。iPadは、iOS(現iPadOS)11以降がインストールされていれば利用可能ですが、理想的には、iPad Proに最新のiPadOSをインストールして使うことが望ましいでしょう。

起動画面
TouchCast Studioを起動してユーザー登録などを済ませると、このようなテンプレート選択の画面が表示されます。ゼロから背景などを選択して利用するためのテンプレートもありますが、最初は、News StudioかTalk Showのテンプレートを選ぶと良いでしょう。
ニューススタジオ
たとえば、News Studioを選択すると、このテンプレートでは、話者の顔が中央のグリーンの部分に表示される旨の英語の説明が表示されます。実際の部屋の背景がどのようなものであっても、アプリは自動的に仮想スタジオの背景で置き換えてくれる仕組みです。”Next”をタップして次に進みます。

操作手順
すると、タイトルとサブタイトルの入力画面に続いて、このような仮想スタジオの画面が現れます。様々なアイコンが並んでいますが、主に使うのは、右下の”vApps”のアイコンです。”vApps”とは、TouchCastの用語で、画面内にインタラクティブに配置できる様々な要素のことを意味しています。

編集方法
”vApps”のアイコンをタップすると、このように、利用できる”vApps”の一覧が表示されます。一般的なプレゼンテーションやウェビナーでは、”Photo”、”Video”、”Files”あたりを利用することになるでしょう。ここでは、”Photo”を選んでみます。

写真アルバム
この場合、iPadの写真アルバムに保存されている写真の一覧が表示されるので、利用したい写真やイメージを選択してください。プレゼンテーションのファイルも”Files”から選択できますが、TouchCast Studio内ではスライドショー形式ではなくスクロール表示されるので、個人的には、全部のスライドを一度イメージとして写真アルバムに書き出して利用するようにしています。

編集方法
選択された写真やイメージが、仮想スタジオの上に現れます。枠の四隅にあるアイコンは、それぞれ「移動」、「設定」、「格納」、「拡大・縮小」の機能を意味するものです。ここでは、すでにいくつかの”vApps”が左下のサムネールとして登録された状態の画面を表示していますが、枠の「格納」のアイコンをタップするか、枠付きのサムネールをタップすると、対応するものが仮想スタジオ上で非表示状態となります。

ユニークな機能
「設定」でユニークな機能は、”Opacity”(不透明度)を変更できることです。これを利用すると、話者の顔の前にあるイメージを半透明化して表示したりすることが可能になります。

編集方法
TouchCast Studioでは、このようにプレゼンテーションやウェビナーで使いたい(見せたい)資料などを、あらかじめ”vApps”として登録しておき、順番に(あるいは必要に応じてランダムに)タップして表示したり、仮想スタジオ上でリアルタイムに位置やサイズを変更して変化をつけながら見せていくことが、操作の基本です。また、右下の”NEXT VAPP”のアイコンをタップすれば、個々の”vApps”のアイコンをタップしなくても、頭から順番に入れ替わりながら表示していくことができます。

アレンジ方法
このように、複数のイメージや動画を同時に仮想スタジオ上に表示することも可能なので、効果的な演出を考えながら利用すると良いでしょう。

なお、登録した”vApps”や、それらの位置とサイズは、”Close Project”メニューから”Save Project”を選ぶことで記録され、”My Project”の中に保存されます。
再び、同じプロジェクトファイルを用いてプレゼンテーションやウェビナーを行う場合には、”My Project”から目的のプロジェクトのサムネールをタップすると、プロジェクトに関する情報が表示されます。
プロジェクト編集
このようなプロジェクトの再生画面が表示されたら、左下の”+Clip”をタップし、さらに”Record in Studio with Camera”を選択します。これで仮想スタジオの操作画面に戻りますので、先ほどと同じように”vApps”の追加や操作を行ってください。

ZoomからTouchCast Studioを呼び出す

続いて、ZoomからiPad上のTouchCast Studioを呼び出す方法について説明します。なお、ZoomからのiPadの画面共有は、必ず先にiPad上でTouchCast Studioの操作画面を表示してから行ってください。AirPlayによる画面共有を開始した後でTouchCast Studioを起動するとメモリが不足気味となり、起動途中で止まることがあるためです。

画面共有
Zoom側では通常通りに新規のミーティングを開始した後で、「画面を共有」から「iPhone/iPad (AirPlay使用)」を選択します。すると、初回のみAirPlayのためのプラグインを要求されるので、指示に従ってのインストールしてください(簡単な作業で、すぐに完了します)。そして、「画面の共有」ボタンをクリックします。

操作手順
すると、このようにiPadのAirPlay機能をオンにするための指示がZoom画面に表示されるので、これに従ってTouchCastの画面をZoomで共有します。

念のため、iPad側のAirPlayの設定方法を書いておくと、まず、iPadをZoom用のコンピュータと同じWi-Fi ネットワークに接続して、コントロールセンターを開きます。iPadのコントロールセンターは、iOS(現iPadOS)12以降を搭載した iPad の場合には、画面の右上隅から下にスワイプ、iOS 11の場合には画面の下から上にスワイプすると表示されるはずです。

そして、コントロールセンターの「画面ミラーリング」をタップし、リストから 先のダイアログに表示されたコンピュータ名を選択すれば、iPadのTouchCast Studioの画面がZoomに表示されるようになります。
あとは、TouchCast Studioを操作してプレゼンテーションやウェビナーを進めていけばOKです。

ちなみに、iPad用のZoomアプリにも画面共有機能があり、こちらを使えば、iPad1台のみで、TouchCast Studioの画面と操作を共有することも可能です。ただし、コンピュータ上のZoomからの共有ではTouchCast Studioのインターフェースは見えずに仮想スタジオだけが映し出されるのに対し、iPad上のZoomからの共有ではインターフェース部分まですべて見えてしまうという違いがあります。

この点を特に気にしなければ、iPadのZoomアプリを使って、より簡便にTouchCast Studioの機能を利用しても良いでしょう。

提示の方法
コンピュータ上のZoomからAirPlay経由でTouchCast Studioを利用すると、仮想スタジオの画面だけを参加者に提示することができます。

まとめ

いかがでしたか? mmhmmやTouchCast Studioを利用すると、ウェビナーを、より生き生きとしたものへと進化させられることが理解していただけたでしょうか。
Zoomとの統合性の高さという点では、おそらく、専用に開発されたmmhmmのほうが優れていると考えられますが、先にも触れたように、現段階では最終的な仕様や料金プランが発表されておらず、はっきりしないところがあります。

これに対して、TouchCast Studioは、基本機能の点ではほぼ遜色がなく、今回の記事のような使い方をする上ではアプリ内課金も不要ですから、気軽に試すことができるでしょう。
最終的にどちらが自分の使い方に合っているかは、mmhmmが正式リリースされてから判断すれば良いのです。

また、TouchCast Studioは、無料機能の範囲内で、自分が画面上で操作した結果をそのまま動画として保存することが可能なので、ウェビナー以外に、通常のWebページ内で利用する動画を作うえでも利用できます。ウェビナーの予定の有無にかかわらず、BiNDupで制作するウェブページに斬新な動画を採り入れたいと思う方は、ぜひ挑戦してみてください。
無料でBiNDupでサイトを作ってみる
次回は、グループワークや人脈づくりに利用できるZoomの機能や事例について掘り下げる予定です。