会議に便利!人気のビデオチャットサービスを無料から有料プランまで徹底比較
クリエイティブなアイデアを出し合ったり、内容を深く掘り下げたいとき、やはり顔を合わせてのミーティングは欠かせません。「他県にある取引先企業の担当者と打ち合わせをしたい」「出張先や外出先から仕事の進捗を会社に報告したい」。場所や時間の都合でなかなか対面でのミーティングは難しいことは多々ありますが、対面の良さはリアルタイムな意見交換と、必要があれば図や表を提示しながら、はたまた身振り手振りを加え、より緊密にコミュニケーションを図ることができること。
そこでもっと利用したいのが、インターネットの「ビデオチャットサービス」です。
ビデオチャットとは?
ビデオチャットは、PCやスマホを使い、離れた場所にいるユーザー同士がテレビ電話のように顔を見ながら会話できるサービスです。複数人で会話できるサービスも多く、参加者が一箇所に集まるための移動時間やコストをかけることなく会議を開くことができます。以前はビデオ会議といえば専門的な機材が使われていましたが、最近のノートPCやスマホにはカメラもマイクも内蔵されているので追加機材は不要。自宅や外出先のカフェなどでも会議に参加できるのが魅力です。
では、最近の仕事環境でよく利用されている代表的なビデオチャット サービスを紹介していきましょう。
4大人気サービス徹底比較
今回、数あるビデオチャット サービスの中でも多くのユーザーが支持する代表的なものとして「Zoom」「Skype」「Googleハングアウト」「Slack」を挙げました。このなかで唯一Slackは有料版でないと3人以上の会議ができませんが、仕事のプロジェクト管理で新規の利用者が増えているため、今回扱いに入れました。
個人同士での利用では、Zoom、Skype、Googleハングアウトが便利ですが、中でもZoomはアカウント登録が不要でミーティングを設定する際の管理が非常に楽なのが特長です。
Goolgeハングアウトはユーザー同士のビデオ通話だけでなくそのままライブ配信をしたり、YouTubeへ公開するなどビデオ素材の再活用にも向いています。また、老舗どころのSkypeですが、マイクロソフト Office 365ではSkypeが使えるので、フリーのツールなどのインストールが禁止されている企業などでも導入しやすいでしょう。
いずれもWindows、macOS、Android、iOSに対応しています。
1. ビデオチャットの新鋭「Zoom」はアカウント要らずが魅力
- 無料版参加人数:最大100人(40分まで、1対1での通話なら時間無制限)
- 有料版参加人数:最大500人(時間無制限)【プロ】14.99米ドル/月〜、【ビジネス】19.99米ドル/月〜、【企業】19.99米ドル/月〜
- 公式サイト:http://zoom.us/
今、最も話題を集めているビデオチャットが、このZoomです。会議の発起人となるユーザーさえ専用アプリをインストールしておけば、全員がアカウント登録の必要なくWebブラウザを通じて無料で40分間ビデオ会議が開けます。
そのほか会議参加者のうち誰かのパソコンやスマートフォンの画面を共有する機能や、参加者の誰もがリアルタイムで図や文字を書き込み可能なホワイトボード機能も搭載。PowerPointで制作したプレゼンシートを会議参加者全員で閲覧したり、スマートフォンの操作法を実際の画面を交えつつ解説したりすることができます。会議の開催時間と参加ユーザーを登録しておいて、定刻にオンラインで会議を開く機能も搭載されています。会議中の映像は、PCやスマホに録画・録音できます。さらにスマートフォン版アプリなら、DropboxやGoogleドライブ上に保存しているデータを会議参加者と共有することも可能です。
会議の参加方法はいたって簡単。主催者はアプリをインストールし、参加してほしいユーザーのメールアドレスを指定するだけ。そのアドレス宛に招待メールが自動送信され、参加者はメール中のURLをクリックすれば自動的にビデオ通話の準備が行われます。それぞれのユーザーがどういう環境で会議に参加しているかをサービス側が自動判定して最適な状態にセッティングしてくれるため、マイクやスピーカー、イヤホンを調整する必要もありません。
Zoomでスマホを使って会議に参加。右下のワイプ画面をタップすることで、相手側と自分側の映像の大小を切り替え表示できる。
また各種有料プランには「プロ」「ビジネス」「企業(エンタープライズ)」というコースがあり、時間無制限で最大500人での会議が可能になり、その内容をクラウド上に録画・録音しておくことなどができるようになります。
2. 全世界で最も知られたチャットサービス「Skype」
- 無料版参加人数:最大25人
- 有料版参加人数:最大250人(【プラン1】220円/月〜、【プラン2】600円/月〜
- 公式サイト:http://www.skype.com/
Skypeは、2004年に正式開設された老舗のビデオ会議サービスです。チャットソフトとして知っている方も多いでしょうが、現在ではオンライン英会話の基盤として使われたり、企業の通話会議に使われたりと幅広く利用されています。また、マイクロソフトに買収されて以降、Office 365に含まれる企業向けサービスも加わりました。
利用するには会議の主催者、参加者の全員がユーザー登録をした上、使用デバイスによっては専用アプリもインストールしておきます。なお、歴史が長いこともあり対応デバイスは多彩。PCではブラウザで通話できるほか、WindowsやMac、Android、iOS用はもちろん、WindowsモバイルやKindle Fire HD、Xbox One用のアプリも提供されています。
無料会員では最大25人での音声・ビデオ通話が行え、さらにプリペイド式のSkypeクレジットを購入したり月額固定の利用料を支払うと、ユーザー固有のSkype番号という数列が付与され、固定電話や携帯電話との音声通話も可能になります。同一国内、特に同一区域内の相手と通話する場合は固定電話や携帯電話を利用するよりも割高になってしまうこともありますが、遠方や海外とひんぱんにやりとりする人なら、固定電話・携帯電話よりもはるかに割安で通話することができます。
Skypeにはビジネスパーソンや法人向けの有料プランであるSkype for Businessも用意されています。Skype for Businessに登録すると最大250人でビデオ会議を開催することができ、PowerPointで作ったプレゼンシートを各参加者と一緒に閲覧したり、誰もが画面上に図や文字をリアルタイムで書き込めるホワイトボード機能や会議の模様の録音機能が使えます。さらにマイクロソフトの提供する定額制サービスOffice 365との連携版があります。このサービスに登録するとSkypeを通じて最大1万人に映像を配信したり、Skypeでの会議参加者同士で最大1TBのデータ共有をしたりすることも可能になります。
Skypeの通話画面。映像の横にコメントを表示することで、チャット画面を見ながらの通話もできる。
3. Googleサービスとの連携が便利「Googleハングアウト」
- 無料版参加人数:最大10人
- 有料版参加人数:最大50人(【Basic】600円/月、【Business】1200円/月、【Enterprise】3000円/月)
- 公式サイト:http://hangouts.google.com/
普段GmailやGoogleドキュメント、Googleカレンダー、Googleドライブなど、Googleのオンラインサービスを利用しているユーザーに特にオススメしたいのがGoogleハングアウトです。
Googleハングアウトはその名のとおり、Googleの提供するビデオチャットサービス。最大10人と同時にビデオ通話することができます。また、ほかのGoogleのサービスとの連携機能にも優れており、Googleカレンダーにハングアウトを使った会議の予定を事前登録しておき、当日自身と参加者にハングアウトへのログインすることを促したり、会議中にGoogleマップの位置情報を共有したりすることができます。
なおハングアウトMeetと呼ばれる有料プランに登録すれば、Googleドライブ上に専用のディスクスペースを作成して会議の参加者同士でデータを共有することで、Googleドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーションなどの資料ファイルを会議中に作成することができます。録画した会議を共有したり、映像版議事録として会議の内容を記録・公開したり、多くの人に観てもらいたいセミナー・レクチャー用動画を作成したりするのに便利に使えるでしょう。
PCの場合、ブラウザでハングアウトのサイトにアクセスすれば、すでに利用開始した知り合いの名前がリスト表示される。
Gmailアカウントでログインし、「ハングアウト」をクリックしたあとで相手のGmailアカウントのメールアドレスを入力して招待し、会議を開く。
Gmailやカレンダーと相性の良いGoogle Meet
Googleは、さまざまなビデオや音声通話サービスを持っています。PCやスマホで無料のビデオ会議ができるツールとしてはGoogle Hangoutが存在しています(最初はGoogle+、そのあとGmailの一部機能から独立しました)。もうひとつは、2017年からエンタープライズ向けとして、G Suite(グーグルのビジネススイート)内にHougouts MeetとHangouts Chatがありました。これが、2020年5月、新名称のGoogle Meet、Google Chatとして生まれ変わりました。これまでG Suite内のサービスで課金版のみでしたが、このほど無料版も登場しました。Google Meetは、誰でも無料で利用できます。
GmailやGoogleカレンダーから会議を予約・参加できるなど、Google関連のサービスとの親和性はもちろん高いのが魅力で、G Suiteなどを使っている場合も便利でしょう。
- 無料版:Google Meetは、無料版あり(有料版はG-Suiteに含まれる)
- 会議の主催者は、Goolgeアカウントが必要(ビジネスアカウントでなくてよい)
- 会議参加者も、Googleアカウントが必要
- 会議の参加者:100人(有料版では250人まで)
- グループミーティングは60分までに制限(ただし、2020年9月30日までは無制限に利用できる)
- その他:リアルタイム文字おこし機能あり(英語)、ビデオ画面のレイアウト機能あり
- 対応OS:Mac、Windowsの各ブラウザ、iOS、Androidの各アプリ
4. ビジネスシーンの新定番サービス「Slack」
- 無料版参加人数:最大2人
- 有料版参加人数:最大15人(【スタンダード】960円/月、【プラス】1800円/月)
- 公式サイト:http://slack.com/
2~3年前ごろから国内のヘビーユーザーの熱い注目を集め、昨年の日本語版サービス開始と同時に瞬く間にビジネスシーンで人気を集めたSlack。ビジネス用に特化したコミュニケーションサービスです。部署ごと、プロジェクトごとにメンバーを登録しておけば、チャット画面を中心に、案件や業務の内容に応じて同時並行的に円滑なコミュニケーションが図れます。プロジェクト内でのビジネス文書の共有も簡単です。
このSlackにもビデオチャット機能が搭載されています。無料版では1対1での通話しか行えませんが、有料プランでは、最大15人でのビデオ会議が行えます。ほかのサービスと違ってビデオチャット機能に軸足は置かれていないものの、文字や画像、映像、データとさまざまな情報を通じたコミュニケーションを図りたいなら使ってみたいサービスです。
Slackでは気軽なチャット形式でのコミュニケーションが、グループおよびダイレクト(個別ユーザー同士)に行え、無料版では1対1のビデオ通話が使える。
ビデオ通話のことを「Slackコール」と呼ぶ。通話したい相手のユーザー画面を表示して「Slackコール」から通話開始。
いかがでしたか? ここまで見てきたとおり、ひとくちにビデオチャットサービスといっても、参加人数や使える機能といった特徴や料金体系はまちまちです。記事を参考に、自身のオフィスや業務の性格や規模にふさわしいサービスを選びましょう!
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POINT
- 主催者1人がアカウントを持っていれば、ほかの人は登録要らずな「Zoom」が話題
- 少人数のビデオ会議なら無料で使えるサービスがほとんど。利用環境に合わせて選択を
- 映像と音声だけでなく書類やプレゼンシート、PC・スマホの画面も会議中に共有できるものも