動画マーケティングの極意|人気の縦型動画を作るヒントと多面展開するアイディア
効果的なコンテンツマーケティングのためには、利用できるコンテンツが多く、継続的であればあるほど良いとされています。
しかし、現実的には、大企業からスモールビジネスまで、コンテンツが足りない、あるいは連続的に多くのコンテンツを用意するだけの余裕がないのが実情です。今回は、動画コンテンツを有効活用することで、そうした悩みを解決するための方策をご紹介します。
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動画コンテンツを作るなら縦型動画がおすすめ
動画マーケティングの市場において、縦型動画の重要性はますます強まっています。SNSで動画を観る側の消費者の8割がスマートフォンから情報にアクセスしていることに加え、コンテンツに合わせてデバイスの向きを変えることを嫌う傾向にあるためです。
また、マーケティング的な観点からも、ユーザーがより集中して情報を得ようとする姿勢は、横型や正方形の動画よりも高いという結果が出ています。
SNSの広告動画も縦型動画が好印象
FacebookがSNS内での広告動画の視聴についてA/Bテストを行った結果を見てみましょう。A/Bテストというのは、同じ内容の情報を、異なるレイアウトやグラフィックスを使って複数公開したときに、どのパターンが一番エンゲージメントが高くなるかを調べるテストのことです。
この広告動画の視聴テストでは、同じ内容、長さ、ターゲット層、予算の10本の動画をベースに、縦横比だけが3通り(横型、正方形、縦型)に異なる広告が用いられたのですが、縦型動画のときのみ、10本中7本でブランド認知度の向上が見られました。また、広告が印象に残る率も、縦型動画では他のものより3〜9%アップしたとのことです。
さらに、モバイル状態でFacebookを利用するユーザーは、通常、音をミュートして動画を視聴することが多いのに対し、縦型動画のみ70%の動画(広告動画を含む)が音付きで視聴されていることがわかりました。
縦型動画専門で成功している配信サービス
縦型動画の需要を汲んで、日本でも、2020年にスタートした動画サービスの「smash.」は、自らを「バーティカルシアター」と呼び、プロクオリティの縦型動画のみを扱うことで話題となっています。
世界的なK-Popグループ、BTSのオリジナルコンテンツを配信したことも普及の後押しとなり、2022年の3月には200万ダウンロードを達成しています。
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縦型動画の特性と制作時の注意点
縦型動画は、そのままスマートフォンのスクリーンいっぱいに広がるので、被写体と1対1で向き合っているかのような没入感があり、動画の世界観に浸れるという大きな特徴があります。これがエンゲージメントの高さにもつながるわけです。しかし、その一方で、制作する際には注意すべき点も存在します。
横方向のカメラ移動は少なめにする
まず、カメラのパン(横方向の動き)は極力控え、パンする必要がある場合にはゆっくりと行ってください。これは、縦型動画は横幅が狭いため、横方向の視点移動はせわしなく見えてしまうためです。
上下のスペースに余白をつくりすぎない
次に、縦型の画角では、被写体によって上下のスペースが空いてしまうことがあります。こうしたスペースの空きは冗長に見えてしまうため、キャプションやグラフィックス、スタンプなどを配して埋めるようにしましょう。
人物を写す際は近い位置を意識する
被写体が人間の場合、全身はもちろん、上半身や顔だけをフレームに収める際にも、縦型動画では横型動画に比べてカメラとの距離を近くできます。この被写体との近さも縦型動画でエンゲージメントが高まる理由の1つなので、思い切って近づいた位置から撮影することがオススメです。
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SNSを起点としたコンテンツのマルチユース術
こうした動画を活用して、コンテンツを効率よく増やす方法をアメリカの著名ブロガーであるマイク・オールトン氏が実践しているやり方を例にしてご紹介します。
コンテンツの大元は編集の手間がかからないライブ配信動画
最初にSNSで1時間程度のライブ動画配信を行います。
ライブ動画は編集なしで配信できますから、実質的な拘束時間も短くて済むわけです。ポイントは、動画の完成度を求めて時間を費やすよりも多作に徹することにあるので、定期的かつ継続的に配信していくことを重視してください。
ライブ配信後に、その録画データをダウンロードし、動画をYouTubeにアップロードして公開します。
SNSのショート動画やPodcast用のデータとして編集
次に、その動画のキーとなるいくつかのパートを小分けするのですが、これは短くても構いません。なぜなら、これらはメインの動画や自分のWebサイトへの呼び水的に、自分が利用している各SNSにポストしてリンクを貼るためのものだからです。
続いて、メインの動画の音声だけを切り出し、Podcastとして配信します。そのため、動画を撮影する際にも、ある程度音声だけで内容がわかるように配慮しておくとよいでしょう。しかし、あまり深く考えすぎずに、あえて声だけではわからない箇所は動画を見てもらうように誘導するのも1つのやり方です。
もしフォロワーの多いインフルエンサーにつてがある場合、トークの内容からキーワードを拾い出し、グラフィックスを作成するなどして、その人の配信やブログの中で紹介してもらうことができれば、さらにリーチを広げることも可能です。
プレゼンテーションや記事にまとめ、それぞれ適したプラットフォームでコンテンツ化
さらに、トーク内容をYouTubeビデオへのリンクを埋め込んだプレゼンテーションにまとめて、Slideshareなどのスライド共有サービスで公開します。こうすることで、より多くの人の目に触れやすくなるわけです。
そして、最後に動画の内容を記事にまとめて、自身のWebサイトのブログに掲載します。1時間のトークは、3000〜1万字程度の文章になりますから、1回分として長すぎる場合には、前後編や前中後編に分けて掲載することで、複数回のコンテンツを用意することが可能となります。
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老舗生活雑貨店のコンテンツ活用事例
日本では、まだここまでのワンソース・マルチユースが展開されているケースはありませんが、たとえば、Twitterで断片的に発信した考えをまとめてブログ記事にしたり、その記事をさらに動画・グラフィックス・スライドで解説してリンクを貼るようなやり方も考えられます。
老舗生活雑貨店である中川政七商店では、Podcastチャンネルにて、季節の話題や工芸産地を巡ってうんちくを語る番組を配信しています。その音声番組をYouTubeでも配信しているのですが、実は語り手の顔出しや産地の映像などはなく、その回を象徴するグラフィックスが静止画として表示されるのみです。これは、多チャンネルでコンテンツを展開したいけれども、顔を出して話すのは苦手という人にも参考になるかもしれません。
また、Facebookでは「試し聞き」というスタイルでYouTubeコンテンツのさわりを紹介し、全編を聴きたい人のために、公式サイトのブログのPodcast案内ページへのリンクが貼られています。
このようなやり方であれば、ハードルはさほど高くありませんので、ワンソース・マルチユースの第一歩を踏み出すにも良いやり方といえるでしょう。
まとめ
最近では、YouTuberやポッドキャスターでもライブ感を重視して編集を最小限に留め、言い間違いがあっても、その場で言い直したりキャプションで訂正する程度で配信するケースが目立っています。スモールビジネスのコンテンツマーケティングにおける動画コンテンツも同様に、ライブでの配信や、撮って出し的な手法を取り入れることで、気楽に取り組めるのではないでしょうか。
BiNDupで作ったWebサイトのブログページなどの更新で悩まれている方は、ぜひ縦型動画コンテンツをマルチユースで活用する中で記事執筆にも応用し、相互リンクでアクセスを増やす手法によってコンテンツマーケティングを充実させていってみてください。
POINT
- 動画マーケティング市場では、コンテンツも広告も縦型の方が好まれている
- ライブ配信した動画をPodcastやスライド化して様々なプラットフォームに展開できる
- 動画のポイントとなる一部を切り出してSNSへ投稿することで、メインの動画やサイトへ誘導できる