こんな社長ブログは嫌だ! 失敗例にみる、避けたいコンテンツ
自社のホームページコンテンツとして「社長ブログ」や「店長日記」などをやるべきか、やるべきでないか社内で議論になったことはありますか? 今回は、社長ブログの成功例や失敗例まで分析して、やるべきか・やらざるべきか、またやるならどういった内容がよいのか、考えてみたいと思います。
社長ブログは百害あって一利なしなの?
コーポレートサイトやウェブショップを運営している運用担当者にとって、「社長ブログ」や「院長ブログ」など、組織トップが執筆するコンテンツは役に立つのか?という疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。ブログが一大ブームを経たいま、社長ブログの在り方と効果について改めて考えてみましょう!
ブログブームがピークに達した平成の終盤には、アメーバブログを中心に、多くの社長、店長、院長などがブログを開設しました。その後、更新をやめてしまった方も多いですが、現在も続けている方も同然多く、LINEブログやnote、自社運営のブログを使うケースが増えています。
インターネットで自由に発信できる良さを活かし、社長ブログもビジネスを広げるために有効活用したいところです。が、しかし、ただ社長が好きなものを書くだけで良いわけではありませんよね。会社のコンプライアンスに沿わない内容では信用はガタ落ちですし、最悪は炎上してしまうケースもあります。またもしも、ネット上に悪評が残ってしまえばブランド毀損にもつながります。
まずは社長ブログの悪い例から「あるある」を挙げていきたいと思います。
客が思わず「引く」ダメな社長ブログとは?
ブログは日々を日記風に綴るというイメージが強く、カジュアルな話題を綴っているケースが多いですよね。社長ブログが社長の日々の日記である場合、それをすごく喜んで読む人は限られるでしょうが、それでもお得意様とのコミュニケーションに役立つでしょう。
しかし、問題はそのコンテンツです。
読んでいる人より書いてる本人が楽しいブログ
過去に目にしたダメな社長ブログの例では、「ゴルフ接待とコンペのことしか書いてない」弁護士さん、「ブランド品お買い物と散在の日々が垣間見れる」女医先生、「政治談義やネトウヨ発言がとまらない」サービス業の社長さんなどを実際に見ました。
本業で発揮されている才能やイメージとはあまりにかけ離れていて、ビックリするとともに、かなり引きました。
もちろん、そんなブログでも良いことはあるかもしれません。サッカーや野球などの話題はファンのボリュームが多いので新しい縁を生む可能性もあるでしょう。しかし、御社はスポーツを売りにした事業でしょうか? スポーツに興味がない顧客には、好かれたくない事業でしょうか? いいえ、違うはずです。
親近感を持ってもらうことは大事ですが、気を抜くと読んでいる顧客よりも書いている本人のほうが楽しいブログになりがち。それは、個人のSNSでやるべきで社長ブログである必然性はありません。
社内事情と違うことを書く(誇大広告)
トップに立って人を率いる人には、「熱い」人が多いですよね。それは素晴らしいことですけれども、時に社長の熱意がありすぎて「社内で実現していない理想」ばかり書いてしまったり、出来事をドラマチックに(悪い意味で)書いてしまったりすることもあります。
その結果、「すごく仲よさそうな会社と思って入社したらワンマンだった」とか「レクリエーションが多いと思ったら社内接待で疲れた」といったグチが内部から聞こえてくるケースも。
また、「売り切れ続々」とか「大好評につき受付を延長」などという宣伝文句も、度を超えてしまうと、現実とかけ離れていると読者にもうすうす感づかれてしまうもの。「ブログと実際で(対応が)違う」などとなれば、信用問題にもなります。
それから、ネットからの声を真に受け、社長の思いつきでネットキャンペーンを勝手に始めるのも考えもの。その昔、ソフトバンクの孫正義さんはツイッターで「やりましょう!」とすぐにリプライしたためにそれに対応するための担当者が必要になったという逸話がありますが、直接ビジネスを成功に導いたケースはないように思います。
読みづらい・トーンが違いすぎる
ブログはテキストベースの読み物なので、文章を書き慣れていないとミスが多くなったり、読みづらい文章の場合もあるでしょう。しかしそれ以上にもったいないのは、そもそも社長が文章が得意で、執筆にも力をいれているのに空回りする場合です。
あまりに砕けすぎたカジュアルなトーンだと、対象読者と距離感があっていないと読者に逃げられてしまいます。読者の温度感をsWeb担当者の意見をもとに、調整をしていきましょう。
というのも、Webページはスクロールしながら読むため、改行が少ない文章やパっと頭に入ってこない(難易度の高い)文章は、読まれづらくなる傾向にあります。
そのために、ビジネスサイトでも、オウンドメディアでも、写真やイラストを使ったり、文章を流し読みしやすい体裁で書く、ウェブライティングを実践するといった工夫をします。Webの特性や読者を考慮しないでびっしり文字で埋めてしまうと、良質なブログでもなかなか読まれないという結果に。価値あるコンテンツを出していくなら、なるべく読まれる工夫をしていきたいですね!
炎上やクレームになったときの準備をしておく
ネット上では、有名人や企業経営者の「口が滑って」炎上という例は枚挙に暇がありません。
ブログやSNSは、企業理念から切り離して個人として運用されていることが多いのですが、仮にも「○○会社の社長ブログ」と社名を名乗って運用し、さらには会社の繁栄を目標にするのなら、クレームや炎上の発生を考慮に入れて運用体制を検討しておくとよいでしょう。
炎上が心配な場合は、公開前に、顧客とのコミュニケーション(Web担当者でなくとも、PRや宣伝、営業でもいいと思います)を取っている専任の担当者の目で、記事内容の事前チェックをしましょう。もちろん、宣伝部が企画した内容であっても炎上が耐えない時世ですから万全ではありませんが、顧客の反応を実体験している社員の方は、リアルなお客さんが読んだときの反応をよりしっかりと想像しながらブログの内容に目を通せるのではないでしょうか。
とくにSNSなどで非難されやすい話題の察知は、SNSを使いこなしているデジタルネイティブが敏感だと言われ、ソーシャルマーケティングも若い人が担当するケースが多いでしょう。そういった、経営層周辺以外の人にチェックしてもらうとのもいいアイデアです。
顧客視点で書かれたブログは人気のものが多い!
いろいろと社長ブログの危険性や、ありがちな難点をあげつらってきましたが、決して社長ブログを否定しているわけでありません。
ウェブが重要な集客ツールとなっている現在、社内からの発信がより重要性になることはあっても、不要になることはありません。これから社長ブログを始めるのは大変かもしれませんが、うまく発信すればやるだけの価値があるでしょう!
ただ、社長ブログに向き不向きの内容や、やり方があるということでした。
経営者の方のブログで人気があるのは「大きなビジョン」や「その人でなければ得がたい情報」をシェアしているケースですよね。
マーケティング企業であれば今後のマーケットの分析や最新ツールの解説、美容師の方なら髪の毛をうまくまとめるコツ、大きな企業の経営者であれば経営理念やリーダー論・組織論など、代理店社長であれば顧客の課題解決のためのインサイト。また、学習塾の塾長であれば、自宅でやるべき試験勉強の方法の順序を公開するなど…。
それではここで参考になる社長ブログをご紹介しましょう。
BiND CAMPの執筆陣でもありコンサルタントである田中千晶さんの公式サイト。ブログでは、売れっ子マーケターがどんな日々を送っているのか等身大で語りながらも仕事目線の洞察が光ります。
青野慶久さんのブログは現在noteで連載。仕事環境をチームアプリで改善するサイボウズの社長さんだけあって「働き方」の見直しに対するエントリーなど、とても勉強になります。
LINEの社長を経て現在動画情報アプリC ChannelのCEO、森川亮さんのブログ。以前はふつうにブログでしたが、最近はこのひたすら書評をするというスタイル。これ、なかなかできませんよ、素晴らしいです。SNS業界のトップからデジタルマーケティングや経営者の目線が学びたい人の参考にもなりそうです。
いかがでしょうか。やはり、餅屋は餅屋で、その「業界の人だからこそ教えられる情報」がシェアされれば、顧客は喜びますし、人気が出やすいと言えます。同業界の人からの共感も得やすいです。
本人にとって簡単なことでも、ほかの人には貴重で、役に立つことが多々あります。それがシェアされることで、潜在ニーズのある未接触の顧客に届くチャンスになります。また、無料で丁寧な情報をシェアすることは、信用の積み重ねにもなるのです。
テーマ選びは、「顧客の目線」で、お客さんが欲しいと思う情報がいかに出せるかがカギとなるでしょう。
ブログの読者をビジネスにつなぐ導線を設けよう
企業のブログ、社長ブログにランディングした読者の人たちは、将来のお客様になる可能性がある人たちです。少なくとも「この人は誰なんだろう」「この会社は何を売っているのだろう」と思った読者に適切な情報を提供できるような、リンク(導線)を用意しておきましょう。
方法としてバナーやリンクを貼るのは良いですが、モバイルで読まれることを想定してサイドバナーだけでなくメインのカラムにバナーやリンクを配置しておきたいものです。
外部のブログサービスは導線作りが難しいので自社サイト内に置く
無料ブログサービスなどでは独自のバナーを張ることが禁止されていたり、関係のない広告によって自社への遷移が目立たなくなるケースも多いため、社長ブログはコーポレートサイトのドメイン以下に配置・運営することがベストです! 同じサイト内であれば、左上の社ロゴをクリックすればコーポレートのトップに遷移、またグローバルメニューから各サービスへ遷移させやすくできますので、良いことづくめです。CMSやブログのツールをインストールという手間は出ますが、読者をつなぐ環境としておすすめの体制です。
ホームページ制作サービス「BiNDup」には、CMSで更新しやすいホームページ作成機能だけでなく、BiND Pressというブログ機能が付いています。BiND Pressならスマホからも記事の更新ができますから、社外で暇をみて記事を書きたい社長さんなどにもおすすめ! 操作も簡単なので、ソフト操作の習得に手こずることなく、記事内容に集中して執筆が行えます。
いかがですか。もしも御社で社長ブログについての議論や迷いがあったら、今回の記事が参考になれば幸いです! ビジネスに結びつかないけれど社長がなんだかブログをやっている、という場合は、どうすればブログがビジネスのプラスになるか、もしや会社のリスクになっていないか、会議で一度は議題に挙げてみてもいいかもしれませんね!
BiNDupでブログを作ってみる
POINT
- 顧客が知りたい情報を無料で提供するのが人気社長ブログの鉄板
- 社長ブログが炎上したり、クレームのもとに? 防ぐために社内で事前確認を
- 社長ブログはコーポレートサイト内に置くと良いこと尽くし