今回は、YouTube動画広告をスモールビジネスや読者のみなさんのオンラインショップのためにも出稿できるか? 広告出稿の仕組みやお金について紹介します。
YouTubeの動画広告とは?
YouTubeを連続して閲覧していると、最初や途中で再生されるショートビデオの広告、これが、YouTube動画広告です。みなさんもよく見ているでしょうし、急いでいる時は「あと5秒でスキップ」を連打していることもあるかもしれません。ただ、刺さる広告で思わず最後まで見てしまったとか、気になって商品名で再検索してしまうこともあるでしょう。
YouTube動画広告は、Googleが配信するYouTubeをプラットフォームとした広告配信サービスです。YouTube動画広告は、動画ファイルを準備してGoogleに出稿すれば、個人でも配信が可能なので、小規模予算から動画CMを公開できます。
YouTubeの利用者は現在日本で、18歳から64歳の月間アクティブユーザー数が、6500万人を超えています。子供や高齢者を含めればさらに沢山の視聴者がいるわけですが、購買力のある広告視聴者対象としては、非常に大きなテレビに次ぐ動画視聴メディアです。
↑Think with Googleより。2020年は、YouTubeのコンテンツも視聴も大幅に伸びました。
YouTubeに出稿するメリットは? どんな集客や業種に最適?
YouTube動画広告の大きなメリットは、商品やサービスを探している人へ向けてピンポイントで動画広告を届けることが可能なことです。
YouTubeの広告が出るタイミングは動画と動画のあいだや、動画の中間などさまざまですが、広告の内容は、視聴しているユーザーアカウントによって変わります。テレビでは番組の間に挟む広告を家庭ごとに変更することはできませんが、YouTube広告は、Webサイトと同様に、観ている人の興味関心に近いと思われる広告が表示されるので、効果が高いと考えられます。
YouTube動画広告では、視聴者の匿名化された属性のビッグデータを使い、住んでいる場所や使用する言語、年齢、興味関心などを元に絞り込んで広告を出稿できます。ムダがないだけでなく、検索キーワードなどでも広告を当てられるので、「まさに商品やサービスを探している人」に広告を届けることができるのは大きなメリットです。
https://www.youtube.com/intl/ja/ads/
YouTube動画広告に向いている商材とデメリット
YouTube動画広告は以前はテレビCMの代替のように捉えられており、ブランド広告やイメージアップなどをお金をかけて作り、配信するイメージが強くありました。この場合、広告主の目的はブランドや商品の認知が主でした。
ところが最近ではランディングページへの遷移や、リターゲティングなどユーザーの購入に紐付けることも可能になっており、小規模で商品を販売したい、お店への来店や問い合わせを増やしたいというケースにも向いています。
ターゲットとなるユーザーが長々時間をかけ読みたくないような内容、たとえば難しい保険選びやサービスを比較するビジネスツールなどは、聞いて・観て理解が深まる商材なので動画が向いています。また、視覚に訴えイメージで雰囲気を伝えたい商品やサービスも動画が向いています。
一方でデメリットもあります。動画広告は数秒では内容をうまく伝えることが難しいでしょう。せめて視聴者にスキップされずに30秒程度観てもらう必要があります。視聴者により長い時間消費させてしまうということでは、静止画像のグラフィック広告や文字広告には劣るとは言えます。とはいえ、数秒でも商品名認知などは可能なので、6秒で伝える動画広告枠もあり、用途によって利用価値があります。
文字広告との比較でいえば、若い層を中心に、Instagramで画像をメインとした情報を検索をしたり、YouTubeでノウハウや商品について検索する人が増えています。なにかを「ググって読む」のではなく、動画を視聴して調べているのです。そうなると、テキストメインの媒体は彼らの視界にはありません。若者向けの商品やコスメ、サービスなど、動画広告のほうが効果が出てくるということが期待できます。もしくは、今後はSNSや動画サービスを使わなければ、ターゲット顧客に伝えたい情報が届けられないようになっていくとも言えるでしょう。
広告制作に必要なものや予算感、出稿手順も知っておこう
YouTubeに広告を出稿しよう!となれば、必要なのは以下の3つです。
- 動画広告の対象者や内容、ゴールを決める
- 広告動画を作る
- Google広告で出稿する
順番に見ていきましょう。
1. 動画広告の対象者や内容、ゴールを決める
YouTube動画広告を見て欲しい人、すなわち見込み客はどんな人か、そしてその人に動画を観てもらうにはどういう内容がいいか、を考えます。動画そのものについてはプロに委託する場合は細かな内容は自分で考える必要はないかもしれませんが、「何を伝えたいか」は予め伝えておくべきです。
たとえば通販製品などの場合「通常の製品と違って肌に優しいのに原材料がサスティナブルで地球にもやさしい」とか、「レンジで3分で食べられおいしい冷凍食品。それだけでなく、栄養バランスがしっかり考えられていて子供から大人まで安心」など、自分たちが一番伝えたいことをまとめておきます。
ゴールについては、動画を観た人にどうさせたいかを決めます。商品名を覚えてもらう認知アップや、購入検討に入れてもらうブランドの好感度アップ、商品ページや問い合わせに遷移して購入してもらう行動促進などがあります。
2. 広告動画を作る
いわゆるYouTubeに公開する広告動画はTrueViewというタイプのものですが、配信に必要な動画の長さは30秒以上です。長さの最長制限はありませんが3分程度までにおさめることが(観終わりやすいことから)推奨されています。一方、スキップボタンが出ないショート広告はバンパー広告と呼ばれており、6秒で作ります。
動画のフォーマットは縦横比や解像度に最低限の決まりがありますので、目的に合わせて調べておきましょう。
肝心の動画の制作ですが、制作手法によって必要なスキルや予算も変わってきます。たとえば、30秒程度でも、イラストや静止画写真と文字を組み合わせて、簡単なアニメーションを作るのであれば、Flash動画(今年サポート終了となったAdobe Flash Playerなどで再生できる動画)を作るような感覚で、Web制作などを行っているスキルをベースに作成することもできます。
また、Adobe Premiereなどの動画編集を使えれば、簡単に静止画をつなぎ合わせてショートムービーを作ることもできるでしょう。ただし、音声は入れるべき。なので、BGMだけでなくボイスオーバーや声優を使った録音音源なども用意する必要があるでしょう。
こういった比較的手間をかけない動画については、最近では、スライドショーを作成するような感覚で動画広告が作れるツールも登場してきています。
一方、俳優を出演させ、セットやロケで撮影をし、動画を編集したり特殊効果を加えてムービーを作るとなれば、テレビCMのようなレベルの手間と予算がかかってきます。個人が自由にクリエイティビティを発揮するYouTubeならではで、もちろんこれを内製することもいまでは可能ですが、その才能があれば、自前のYouTubeチャンネルを開設して発信していくほうがよいかもしれませんね(笑)。
このように作り方もさまざまな広告動画制作は、外部委託した場合は数万円から1千万円レベルと、予算も非常に幅が広くなります。動画制作から配信まで行う代理店も多く存在しますから、問い合わせしてみる前にどのクオリティ、どんな内容を求めるのかは一応決めておくと、かかる予算も概算で出してもらいやすいでしょう。
3.Google広告で出稿する
動画を用意したのち、配信プラットフォームのGoogle 広告のアカウントを開設し、キャンペーンを展開します。
YouTube広告は、キャンペーンタイプで「動画」を選び、予算、配信動画、配信ターゲットなどをセッティングします。
広告の配信予算は1日1000円からと低予算で始められます。ただし、ディスプレイ広告と同様、競合企業がある場合は、掲載予算がせり上がる可能性があります。
YouTube動画広告にかかるお金は?
広告作成の流れがわかったところで、YouTube動画広告にかかるお金についてもまとめておきます。YouTube動画広告のためにかかるお金は、大きく分けて「動画制作と関連サイト制作」「YouTubeの広告配信料金」「改善のための予算」になります。
動画制作と関連サイト制作の予算
動画制作については上記に紹介しましたが、YouTube広告があっても、それに関連する商品やサービスを詳しく説明できるランディングサイトや、申し込みページ、問い合わせ先などのWebページがなければ広告をしている意味がありません。広告興味をもったユーザーが次にやりそうなことに対して、Webサイトのほうも対策しておく必要がありますので、Webページの新規企画と制作ための予算も必要です。
YouTubeの広告配信料金
YouTubeの配信料金は、TrueViewでは入札制で決まります。相場の価格は数円〜数十円程度とされています。スキップされた表示には課金されません。届けたい相手の数や効果によって、どのくらいお金をかけるのかは調整していく必要があります。
改善のための予算
最後に、改善のための予算は、数ヶ月など広告を運営してみてその結果を検討し、さらに効果を上げるためにかけていくためにかけるお金です。低予算で作れる広告動画であれば、切り口を変えて複数の動画を展開するということもありますし、反応が良かった視聴者などを分析して、ターゲットについて見直す必要もあります。これらは広告代理店に専門家をおいている場合はそういった会社に委託する方法もありますし、Google 広告などを運営している経験があれば、自社でWebの担当者が行う可能性もあります。動画広告も出したら終わりというより、結果を見ながら改善を続けることで、さらに効果を上げることができます。
いかがでしたか? オンラインの動画の視聴時間が伸び、SNS動画広告なども増える一方のなか、ビデオ広告の用途や効果も増えています。ぜひチャレンジしてみましょう!
なお、動画広告を出すなら、それに合わせたWebサイトの改善も欠かせません。BiNDupは、テンプレートを使ったランディングページ制作も瞬時にできる便利なWeb制作のためのオンラインサービスです。動画広告からランディングさせるためのWebページ(広告から飛ばすリンク先のページ)作成にも最適です。
POINT
- YouTube動画広告はターゲティングもでき低予算で配信できるためスモールビジネスにも最適
- 動画広告に向いているのはナレーション解説や具体的なイメージを視覚で伝えたい商材やサービス
- 動画広告を作る以外にも配信予算と改善予算も加味しておこう