ミーティングや集会など人がリアルの場に集まる機会は、今後、長期に渡って影響が出ると考えられています。
そんな中で利用者が増えているのがオンラインレッスン。今回は、ビデオミーティングやデジタル課金を使い、スクールやお稽古をオンラインレッスンで実施するためのポイントを紹介します!
ピアノやヨガなど、オンラインで自宅プライベートレッスンを
以前より、オンライン英会話は、音声が中心で海外在住の講師と気軽に会話ができるということもあり、盛んでしたよね。最近は、ピアノレッスンやギター、笛、バイオリンなどのソロ系の楽器のお稽古がオンラインに対応するケースも出てきています。
私の観測範囲ではさらに、パーソナルトレーニングや筋トレ、ヨガ教室、着物の着付け教室、お能や仕舞い、バレエの教室などまで、さまざまなお稽古がオンラインで対応するようになってきているようです。
カメラとマイク、パソコンやスマホがあれば、Zoomなどのビデオ会議ツールを使ってオンラインレッスンは可能です。レッスンの再開を悩んでいる先生や生徒さんがいらっしゃれば、ぜひ、始めていただきたいと思います!
ただ、レッスンのプロである先生方も、オンラインレッスンは初めてであれば、戸惑われることもあるかと思います。まず、自分のセッティングです。通信アプリには、オンラインミーティングサービスの「Zoom」「Google Meet」などを使うことが多いです。レッスン時間が40分を超え、かつ無料のツールを選びたいなら、Google Meetにしておくとよいでしょう。あとは、パソコンやスマホなどの接続機器などをどうするかです。
オンラインレッスンに向かないお稽古はある?
工夫次第でたいがいのお稽古はできると思いますが、唯一難しいかなというのが、合奏系です。連弾や合奏、または先生と一緒に演奏するといったことは、そもそもタイムラグが発生するうえ、映像と音それぞれがずれることもあるので、現状の技術では難しいです。
音がずれるといっても、ダンスや体操などは、時間差で生徒さんの動きがチェックできるのであれば大きな問題はないでしょう。
オンラインレッスンに必要な機材など
ヨガは得意だけど、パソコンは全くダメ! そんな先生もいらっしゃるでしょう。では、オンラインレッスンはスマホ1台で大丈夫でしょうか?
お勧めは画面の大きいノートパソコンやタブレット
結論から言えば、パソコンは何かとあった方がいいと思います。どうしても無理そうならAndroidタブレットかiPadを1台用意してみてはどうでしょうか? 画面が大きくて、生徒さんの様子も把握しやすくなるからです。また操作はスマホと一緒なので、すぐ慣れます。ほとんど全てのタブレットはカメラとマイクも付いているのでそのほかのアクセサリーを購入する必要はありません。とりあえず、タブレット1台でレッスンが可能になるといってもいいでしょう。
ただし、スマホと違って、Wi-Fiでインターネット接続するのが基本なので、自宅にWiFi設備があることは必須です。
オンラインレッスンでは音声が途切れるなどするとお互いにストレスがかかります。ネット回線はなるべく安定した状態を目指しましょう! Wi-Fiが弱いといった場合もノートPCならEtherケーブルでネット接続するなどの手段があります。
生徒さんの環境は?
生徒さんの環境も先生同様、まず、安定したインターネットは用意していただくといいでしょう。必ずしもパソコンなどでなく、スマホやタブレットでつないでもらい、演奏や実演を先生がチェックするときは、映りやすい位置にカメラを調整してもらいましょう。
ヨガやピラティスレッスンなど、マンツーマンでなく少人数クラスや一対多のレッスンになってくると、セミナーに近い状態で先生もあまり生徒さんを詳しくチェックできなくなってきます。誰かのネットが少し落ちてしまうこともありますし、画面が荒れることもあります。一挙一動をみて個別指導に重点を置くより、見ている生徒さん全員に伝わりやすい表現や指導方法に重きを置いたほうがストレス低く習いやすいでしょう。
運動系などでは、遠くから画面を見たいので、スマホやPCの映像をChrome CastやAirPlayでテレビに映し、大画面で観ているという生徒さんもいるそうですよ。
おすすめはパソコン+スマホで、大画面とカメラの動きやすさを確保
用意するパソコンは、インターネットが繋がるノートパソコンであれば、WindowsでもMacでも基本的には大丈夫です。ノートパソコンの利点は置き場所を変えやすいことです。
デスクトップ型のPCの場合は、レッスン場所に設置し直すことや、カメラやマイクがないときは、通常は、ウェブカム(WebCam)というマイクとカメラが一体になった周辺機器の購入・取り付けが必要になります。
ですが、巣ごもり需要でまだまだWebCamの品切れが多いこと、またほとんどの方がスマホを持っていることから、以下では、WebCamの代わりにスマホを使ったセッティングを紹介します。
なぜスマホをWebCam代わりに使う?
オンラインレッスンの実施では、カメラの位置が比較的自由に調整できる外付けカメラを使うのがおすすめです。
たとえば、ディスプレイでは生徒さんの様子を見たいので自分の正面に置きたいけれど、カメラでは自分の手元を映したいということがあります。こういった時、スマホやタブレットがカメラになるなら、三脚やホルダーを使って比較的自由な場所へ設置ができますよね。
もちろん、正面からはPCのカメラ、横からは別のカメラ…とテレビのように複数カメラを切り替えてレッスンすることも、オンラインミーティングのソフトのカメラ切り替えをすれば可能です(操作に慣れれば)!
ここで、2009年からオンラインビデオレッスンをしているという先生の面白いビデオがあったので紹介します。かなり本格的ですが、クリックで再生できる箇所から数分は、2カメ+MacBookをセッティングしている状態を紹介しています。最後まで観るとペダルカメラまでつけています! 興味のある方は観てみてください。
スマホをWebCamにする3つのアプリ
上のビデオに出てくる先生は物理的な機材を駆使して複数のカメラとマイクを外付けしていますが、いきなりそんなことをするのは大変です! なので、今回は、手軽に利用できるスマホをWebカメラにするアプリを3種類、紹介します。
いずれも、スマホアプリと、PCサーバーアプリ(ドライバ)をインストールすると、スマホのカメラがPCに繋がるしくみです。手順としては、どのアプリも同じで、
- カメラのアプリをスマホにインストールする
- PCでサーバーソフトをインストールし、起動しておく(EpocCamドライバの場合はインストールだけでOK)
- 両方を同じWi-Fiにつないでいることを確認し、スマホのアプリを起動する
- カメラが認識されるので、映像が出てきたことを確認して、ZoomやGoogle Meetといったオンラインミーティングのサービスを開始する
※映像が出ない場合は、環境設定の「カメラ」セクションで使いたいカメラ名を選択してください。 - ケーブルを接続しなくてもWi-Fiで繋がりますが、もし、レッスン中に無線が不安定になったりするようなことがあれば、なるべくUSBケーブルなどを使って接続してみましょう。
になります。
Windows向けの——iVCam
スマホでは、AndroidとiPhoneの両方に対応しており、接続するパソコンは、Windowsになります。有料版は610円。無料版はすかしマークや広告が途中で入ったりします。
iPhone版のアプリ/Android版のアプリ
Windowsのサーバーアプリは公式サイト からインストール
インストールのあとに出てくる設定では、Windowsのファイヤウォールの設定を確認しますが、デフォルトのままにしておかないと動作しません。スマホカメラが繋がらないときは、環境設定で、Windowsのファイヤウォールの設定をオフにしてみてください。ただ、PCのセキュリティ設定は一段低くなるので自宅や社内LAN内など安心できる場所で利用し、外出時はファイヤーウォールはオンにしたほうがいいでしょう。
MacでもWindowsでも使える——Epoccam
スマートフォンではAndroidとiPhoneの両方に対応しており、パソコンも、MacまたはWindowsで利用できます。有料版はEpoccam HDで、980円です(https://apps.apple.com/jp/app/epoccam-hd-webcam-for-mac-pc/id435355256)。また、有料版のみバック/フロントの両方のカメラが利用可能です。
Epoccam HDでは縦カメラにもなるのですが、映像が横に寝てしまいます。縦方向で映したい場合iVCamのほうがましです(ただし、PCにつなげば、ZoomやGoogleMeet内では正方形に近い形に縦の下部分が切れます)。
iPhone版アプリ
MacもしくはWindowsのドライバーは、公式サイトのページの②でお使いのOSのものをダウンロード&インストールします。
無料でシンプルな——Iriun Webcam
シンプルなウェブカムアプリ。細かい設定はなく無料です。無料で使えるのはいいですね! 現在のところ、Windows版は解像度設定があり、Macは設定がありません。
iPhone版アプリ/Android版アプリ
PC用のサーバーのインストールは公式サイトの左にならんだボタンで、お使いのOSのものをダウンロードします。
動画を保存しておけば何度でもおさらいでき、“コンテンツ化”も可能
リアルタイムだけのレッスンでなく、ぜひ動画を保存して二次利用しましょう。レッスンの動画をYouTubeなどの動画共有サイトに限定公開すれば、生徒さんだけにおさらいビデオができあがります。また、録画なら繰り返し見たい部分を再生して練習ができますし、ほかの生徒さんに同じ演目や曲を教える場合も予習・復習に使ってもらったりと、お手本を見せる側も省力化ができます。
Zoomでは会議中の内容を主催者が動画録音し、終了後に保存できます。Google Meetの場合は、有料契約をすると保存できるようになっています。
あらためてお手本を録画をするとなると気合いが入りすぎて時間もかかってしまうでしょうが、レッスンの録画であれば、一回きりその場で終わり、あまり気負わずに済むでしょう。
録画で自分の演奏や動作(所作)などを見直すのは、生徒さんにとっても勉強になります。ケースバイケースで活用してみてください。
おけいこ代の徴収方法は手数料の低いものを選ぶ
レッスンも無事終わり、お話も弾んでではまた次回。となったとき、お稽古のたび謝礼を手渡し、という場合もまだ多いでしょうか? リモートレッスンでは現金手渡しはできなくなりますが、銀行振り込みの手数料がかかるのを嫌う方も多いでしょうし、ネットバンキング未登録の人は銀行まで行く手間が発生します。ではどうすれば?
個人でもオンラインで支払いをしていただく方法はいくつかあります。
スマホだけで始められるデジタル送金
ひとつは、スマホだけではじめられるデジタル送金です。
LINE Pay、楽天ペイ、PayPayなどの個人間送金に対応したスマホ決済アプリなら、携帯電話の連絡先で繋がって、簡単に個人間送金できます。
注意点は現金化する際に手数料がかかることです。そのままデジタルキャッシュとして使えば手数料はかかりませんが、事業収入ですから、売上げ計上のためには現金化はどこかで必要かと思います。
そのほかにはPayPay加盟店になってしまうというのもありでしょう。QRコードができたらそれを送ってスキャンしてもらえば遠隔でも支払い可能です。手数料も導入費用も無料でスタートできます。
手数料が掛からずクレジットカード決済が可能
最後に、日本では技術系の方に偏って人気ですが、手数料が掛からずクレジット払いでき、それもスマホアプリでメールアドレスを指定して送金が可能なのがPayPalです。PayPalで銀行から手数料無料でお金を受け取れるようにするには、受取手が本人確認を行うビジネスアカウント申し込みをすること、5万円以上を引き出すことが条件です(5万円以下の引き出しは、250円の手数料)。
銀行振り込みなどと違い手数料無料の決済方法を取得したら、将来的も使えますし、生徒さんにも利便性を与えるので、お稽古でもいろいろな選択肢が増やしていただきたいと思います。
いかがでしたか? 簡単なようで、ちょっとずつ勝手が違うオンラインレッスンの始め方。あいまいになっていた部分がハッキリすれば幸いです。最初から完璧なレッスンとはいかないかもしれませんが、それぞれの環境で試行錯誤しながら、ベストのレッスンを作り出していってください!
お稽古がオンライン化できれば、こうした事態が終息した後も、逆に生徒さんはどこからでも習いにくることができます。
ホームページで集客すれば新規の生徒さんの加入も
この機会にホームページを作ったり充実させておけば、これからの集客にも役立つはず。BiNDupでは、個人事業主やアーティスト、教室などに向いたホームページデザインが多く揃っています。個性にあった使いやすいホームページをゼロから作ってみたい人におすすめです。
POINT
- オンラインレッスンはビデオオンラインツール、接続機器やカメラ、Wifiがあれば気軽にできる
- カメラ、マイクとしても優秀なスマホはウェブカム代わりになる
- オンラインレッスンはリアルタイムだけでなく保存して二次コンテンツとしても活用できる