東京・飯田橋にて、サイトを作り始めたばかりのスタートアップ起業や、専門のマーケティング部隊のいない小さな会社など、BtoBでスモールビジネスを展開する人が特に留意すべきサイト作りの基礎とトレンド、ノウハウを伝えるセミナーが開催されました。
登壇者は、数々のウェブディレクションの書籍を手がけ、WebサイトやWebサービスのプロデュースに詳しい株式会社まぼろし 取締役CMO益子貴寛氏。コンサルティング事業を行う株式会社ミライフォースの李優未氏。ウェブ開発ツール「BiNDクラウド」の開発プロジェクトマネージャーである株式会社デジタルステージの洪泰和の3名。
セミナーの詳細はこちら
「コンバージョンさせるB2Bサイト作りの基礎とトレンド【Startup Proffesional】」
※このセミナーは終了しています
サイト作りでプロがこだわるところ
3つの視点から見た、サイト作りのノウハウ
今回のセミナーは、Webサービスのプロデュースやコンサルティングを行う益子氏が、李氏のBtoB向けウェブコンサルティング事業のWebサイトを実際にBiNDクラウドで作成し、その制作過程でこだわったポイントや設計の裏側から、要所での課題解決方法、ウェブで顧客を獲得するために必要なノウハウを座談会形式で伝えるスタイルで実施。
サイトをプロデュ―スする側とされる側、そして制作ツールを作る側という3つの視点で、コンバージョンにつなげるためのサイト作りを解説しました。
益子氏がBiNDクラウドで作成した李氏のWebコンサルティング会社のサイトがこちら。
サイトの目的は、李氏のウェブコンサルティング会社の事業や活動を紹介すること。問合せと人材採用をコンバージョンとしたサイトが、BiNDクラウドのテンプレート「CHISATO Plant」を元に作られました。
ビジネスサイトに必要な要件
北海道に拠点を置く李氏をイメージしたというビルボードの雪山の画像と、赤の配色のコントラスト、「UXD×Marketing」という見出しが印象的なサイトですが、イメージ画像に関して最初は社内で反対意見もあったというお話が李氏からありました。
一緒にビジネスを行う相手を探すBtoBのサイトの場合、通常はわかりやすいイメージと、
自分たちとビジネスをすることでどういう課題を解決できるのか?どんなメリットがあるのか?
という具体性を前面に出して、即問い合わせにつなげることが重要です。
その点、このサイトは事業内容から離れたイメージ画像を使っているので、ひと目で何のサイトかはわからない可能性もあります。
しかし、比較的大きな文字で「お客様の課題を解決」というキャッチや「ウェブ戦略コンサルティング会社です。」という答えが明示されており、会社の理念やサービス内容がしっかり伝わる構成になっているので、李氏はとても気に入っているとのことでした。
また「UXD×Marketing」という少し聞きなれない言葉に関して益子氏は、
フックとなるキャッチには自社のオリジナリティを出すことが重要と話し、見る人が見ればわかるような専門性を出すこともアリというお話を聞かせてくれました。
コンバージョンアップのために注意するところ
すべてのページにお問合せへの導線を作る
株式会社ミライフォースのサイトのように、お問合わせへの導線は、全ページに置いた方がいいというアドバイスもありました。ヘッダーやフッターなど、全ページ共通にある場所に入れましょう。
フォームのフィードバック環境を整える
最終的なコンバージョンとなるお問合せフォームは、質問項目の数は多くてもいいけれども、
必須項目は名前・メールアドレスなど最低限に絞ったほうがいいというアドバイスがありました。
そして、問い合わせに即返答できる体制を作るなど、フィードバックのスピードを上げる環境作りが重要というお話が実際に運用するときの注意点として李氏から出ました。
BiNDクラウドのお問合せフォーム機能SmoothContactは、情報を暗号化して送受信するSSLに対応しているのでセキュリティも強固。
お問合せが入ると設定したメールアドレスにすぐにメールで知らせてくれるほか、専用の管理画面から投稿状況をグラフで視覚的に確認できるので、フィードバックしやすい環境をサポートします。
コスト感を明示する
今回サイトには掲載されていませんが、コスト感はどのくらいなのか?というセンシティブな項目も、金額を明示することは失礼ではないので、金額に関するすれ違いや事業規模の合わない会社からの問合せを減らすという意味でも、書いておくほうがいいというアドバイスが益子氏から出ました。
SEOで気をつけるところ
最新のBiNDに搭載されている「SEOアシスタント」機能についてデジタルステージの洪が説明しました。
サイトの検索順位を上げるための細かなSEOのルールを知らなくても、サイトの設定が最適かを自動でチェックできる機能が「SEOアシスタント」です。自分では気が付けないエラーなど少数体制ではとくに漏れがちな部分を補えます。
サイト作りでお金をかけるべきところ
Webサイトを見るとき、通常まずは写真を見ます。次に見出し、本文はほとんど読まれないと考えましょう。
本来、Webサイト制作は、制作会社にきちんとしたものを依頼した場合、100万~200万くらいかかるもの。
BiNDを使って自社で作ってコストを抑えたとしても、これから本気でウェブサイトを使ったビジネスを展開していくなら、
プロの写真家に頼んで、1日10万円でクオリティの高い写真を撮ってもらえるなら安いという考え方もできます。
サイト以外にもさまざまなところで使えるうえ、オリジナルの写真なのでどこでも大手を振って使うことができます。
また、プロのライターに1日話を聞いてもらって、例えば10万円で企業理念や会社の目的、事業内容を書き起こしてもらい、自分ではわからない客観的な会社の利点を知ることができたなら、それもまた安いという考え方も可能でしょう。
BiNDクラウドのテンプレートはデザイン性が高いので、プロが撮った写真とプロに書いてもらった文章を当て込めばプロに頼んだかのようなサイトに仕上げることが可能です。
そこからサイトを育てていくのは自分自身となりますが、プロに地盤を作ってもらうことで、次からの作業が軽減されることも視野に入れてみてはどうかという提案が益子氏からありました。
POINT
- 法人向けなら、敢えてキーワードに専門用語を使いフックにする
- BtoBは競合社を複数検討するので、問合わせが来たら即対応できる体制づくりも重要
- 写真や文章などサイトで重要な部分は専門家に頼むことも視野に