DXに続くSX。最新のコンテンツマーケティングに不可欠な”S”の視点とは?

持続可能な社会を作るための世界共通の課題として、2015年の国連サミットで採択された”SDGs(接続可能な開発目標)”は、すでに小学校の授業にも採りれられるなど、これからの生活の中に根づこうとしています。大企業のみならず、スモールビジネスがWebサイトなどを通じて情報発信を行う上でも、SDGsの視点は欠かすことができません。
今後のコンテンツマーケティングのあり方に大きく関わってくるSX(サステナブル改革)とは、どのようなものなのでしょうか?

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SDGsとは

改めて、おさらいするまでもないかもしれませんが、”SDGs”とは、地球環境や社会を持続可能なものにするために、図に示すような17の課題を2030年までに達成しようという取り組みです。

ここまで高いSDGs、ESGへの関心

SDGsの17の課題とは

SDGsの17の目標

SDGsは、このような17項目について、2030年までに達成することを目指す取り組み。自分のビジネスにすべてが当てはまらなくても、該当するものについて努力していくことが重要とされている。

また、投資家の間では、SDGsに積極的に取り組んでいる企業を、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の観点から評価して投資を行う動きが強まってきており、それらの頭文字をとった”ESG”という指標も注目されてきました。
 株式会社電通PRコンサルティング内の企業広報戦略研究所が生活者1万人を対象に行った調査によれば、SDGsに対する関心は年毎に高まっていて、2021年には2020年と比べて約2倍の76.7%に達しています。

SDGsの認知率の増加

SDGsの認知率(「詳しく知っている」と「聞いたことがある」の合計)は年毎に高まっており、2021年には2020年と比べて約2倍の76.7%に達した。

参考:2021年度 ESG/SDGsに関する意識調査

関心の高い項目と対策

特に関心が高い項目は「すべての人に健康と福祉を」、「貧困をなくそう」、「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」となっており、こうした課題に関連する活動や事業を行なっているビジネスは、消費者の支持を集めやすいといえるでしょう。

また、ESGについても3人に1人が見たり聞いたことがあるとしていて、その認知率は2021年からの1年間だけで約10ポイントも高まっています。そして、消費者に対して直接的で誠実な情報発信を行うことが、ESGの課題に積極的に取り組んでいると感じてもらうための重要な要素であることもわかりました。

少し前から様々な企業が、AIなどのデジタル技術を活用して業務や働き方を効率化し、社員が本来の専門的な仕事に集中できるようにするためのDX(デジタル改革)を推進していますが、上記のような世の中の流れを受けて、SX(サステナブル改革)にも力を入れるところが増えてきました。

SXでは、SGDs関連事業への取り組みはもちろんですが、ビジネス全体に関わる二酸化炭素の排出量を抑えてカーボンニュートラルの達成に尽力したり、サステナビリティにつながるイノベーションの創出や最先端技術の開発、社会課題の解決を目的とした製品やサービスの提供を行うことが求められます。そして、短期的な利益につながらなかったり、効率面では不利と思えるような事業であっても、チャレンジすることに意義があると捉えられているのです。

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魅力を感じたビジネスのWebサイトを閲覧する消費者

さらに、同調査結果からわかる重要なことは、「生活者は、SDGsやESGに対する関心が高いだけでなく、それを具体的な行動に結びつけている」という点でしょう。

具体的には、SDGsやESGに前向きに取り組んでいるビジネスについては、そのWebサイトを閲覧して、より深い情報を知ろうとする行動が見られるのです。つまり、これからはスモールビジネスでもSDGsやESGに関心を持ち、それらに関する情報を積極的に発信していくことが、アクセス数の増加やエンゲージメントを高めるうえで重要になってくるといえます。

企業のSDGsやESGに対する取り組みを知った後の行動

企業のSDGsやESGに対する取り組みを知った結果として、過半数の人たちが何らかの行動を起こし、その行動のトップ(22.6%)はWebサイトの閲覧だった。

身近なところからSXの取り組みをアピール

筆者が関係している、あるIT企業のオウンドメディアでは、コンテンツマーケティングの一環として各部門が行なっている先進的なプロジェクトをピックアップして、担当者のインタビューを掲載しています。
そのインタビューの特徴は、単にプロジェクト自体の概要や意義を紹介するだけに留まらず、必ず担当者自身のサステナビリティへの思いや、これからの社会や世界に期待すること、そして、それに対して自分がどのように貢献できるかといった抱負にも触れられている点です。

たとえば、より良い環境の世界を子どもたちの世代に残したい、日本の高度成長期に培われた公害抑止のノウハウやルール作りを開発途上国にも広めて貢献したい、あるいは、病気の早期発見にAIを活用して健康寿命を伸ばしたいなど、担当者個人が、自身の人生や仕事の目的としていることを、自らの言葉で語ります。

そうした内容が含まれることにより、この企業が優れた技術を持つだけでなく、SXに積極的な社員たちによって構成された組織であると読者やクライアントに理解してもらえるようになるわけです。その結果、この会社と契約して一緒にプロジェクトを進めれば、自社のサステナブルな経営にもプラスに働くという印象を強く与えられ、受注にもつながりやすくなります。

スモールビジネスがSXをアピールするには

先に触れたように、生活者・消費者は「SDGsやESGに取り組んでいるビジネスの情報について、より深く知ろうとしてWebサイトを訪問する」という調査結果が出ていることがわかりました。
こうした傾向に即して自社サイトのアクセス数を伸ばそうとするならば、単なるポーズではない、SXへの理解や実際の施策が求められます。まず、自分がなぜこのお店や事業を行っているのか、その大元になった理由を、改めて見つめてみてください。

「店を訪れる人々に安全で美味しい食品を提供したい」、「ヘアスタイルやファッションの力で、お客様の気持ちを明るくして、毎日を楽しく暮らしてもらいたい」、「地域の伝統や自然に根ざした物産品を盛り立てて、街づくり・村づくりに貢献したい」など、周囲の人々や地域社会との関係を重視した様々な起業のきっかけがあったはずです。
このような店主や創業者の考えをスローガン的にコンパクトにまとめてトップページやランディングページの冒頭に目立つように配置し、強く印象付けるようにしてもよいでしょう。

また、仕事と直接の関係がなくとも、オーナーやスタッフが日頃から心がけているサステナブルな行動や次世代への思いをブログとしてまとめていくのも効果的です。

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SDGsに対する取り組みを発信する事例

最近、SNS上で見た広告動画では、古くから天然素材の木材パルプや天然ゴムを主原料とするセロテープを生産・販売しているニチバンのものが目を引きました。同社が、製品のよさを時代に合わせて改めて紹介するにあたって、セロテープを燃やしたときに排出されるCO2の量が一般的な合成樹脂製のOPP粘着テープの約1/7で済み、もしも、全国の小売店がOPPテープをセロテープに切り替えると、CO2排出量を6,300トンも削減することが可能という点を上げていたからです。

セロテープように馴染み深い商品であっても、見方を変えることによってSDGsに貢献するという切り口でアピールできるというのは、大いに参考になる事例ではないかと感じました。そして、単に言葉で説明するだけでなく、視覚に訴えるグラフを使っている点も効果的でした。

セロテープとOPP粘着テープの燃焼時のCO2排出量

OPP粘着テープと比べて、燃焼時のCO2排出量を約1/7に減らせることをアピールするグラフ。お馴染みの製品でも、切り口を変えればSDGsに貢献できる点を訴えられるという好例。

まとめ

読者の皆さんのWebサイトでは、すでに製品やサービスの良さを説明したり、ユーザーが知りたいと思える関連情報をコンテンツマーケティングの視点で提供したりされていると思います。そのWebサイトをさらに効果的なオウンドメディアへと進化させるために、一度、改めてSXの観点からビジネスを見直してみると、これまでとは異なる構成や盛り込むべき情報のアイデアが湧いてくるでしょう。

また、自分のビジネスが行なっているSX関連の実践をSNSや動画共有サービスを通じて発信し、そこを起点にして、詳しい情報が載っているWebページに誘導するという流れも理に叶っているので、ノーコードでサイトを作成できるBiNDupでスタイリッシュなランディングページを整備して、このトレンドをしっかり受け止められるように準備しておいてください。
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  • POINT

  • SDGsや、企業へのESG投資に対する関心は年々高まってきている
  • SDGsを意識したコンテンツマーケティングで企業に対するイメージアップにつながる
  • 従来の製品やサービスも切り口を変えることでSDGsに関連したアピールポイントを作れる

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