最近、いわゆるフリーランスの人が増えているそうです。かくいう私もその一人。フリーランスって自由なのはいいんですが、確定申告が面倒ですよね。いつもは自己流で計算していますが、一度は専門家のアドバイスを受けてみたいもの。そんなわけで、税理士事務所を探してみることにしました。
ここでは、利用者目線で税理士のホームページをチェックして気づいた、選びたくなるポイントを紹介します。税理士でなくても同じ士業ならばヒントになることがあるかもしれません。
トップページが重要! まずはメイン画像で差別化
「税理士事務所」というキーワードで検索してまず気付くのは、その数の多さ。ふだんは気にしてませんでしたが、税理士事務所ってたくさんあるんですね! 日本税理士連合会によると、東京都の税理士登録者数は2万3024人とのこと(2019年4月末現在)。これだけあると、差別化が難しそうです。
“親しみやすさ”と“信頼感”を得る良い例と悪い例
さて、初めて税理士事務所に相談してみようとしている人にとって、親しみやすさは重要なポイントです。例えば女性の写真をメインにすると、柔らかい印象になります。またスタッフの集合写真を載せるのもいいアイデアだといえるでしょう。ちょっと固めという印象の強い税理士事務所ですが、ビジュアル次第で大きくイメージを変えることが可能です。
これとは別に、税理士の本人の写真をメイン画像に使うパターンも好感が持てますね。こちらは親しみやすさというより信頼感を感じさせます。また税理士の方の顔が登場することで、トップページに配置するキャッチコピーなども、ぐっと訴求力が上がります。
逆に、事務所にそぐわない素材集の写真をそのまま使ってしまうパターンはNGと言えるでしょう。よく見かけますが、フリー素材だからと言って日本国内の事務所なのに、海外の人の素材を使ってしまうのは作られた感が出てしまうので、信頼を与えるのは難しいでしょう。
写真の表情も重要
どちらのパターンでホームページを作成するかは、事務所や税理士の方の好みなどで決めればよいですが、いずれにしても望ましいのはオリジナル素材を用意することです。その際、言うまでもありませんが、写真を撮影する際には表情も重要です。親しみやすさや信頼感が感じられるような、自信のある表情を心がけましょう。
なお木々や風景など自然の写真をメイン画像にしているホームページも多く見受けられますが、個人的には印象が弱く、メッセージが伝わりにくいように感じました。
税理士法人YFPクレアのサイト。女性をメイン画像に配置し親しみやすさをアピール。色の選択もカラフルで印象に残ります
税理士法人五島税理士事務所のサイト税理士の顔をメイン画像にすることで信頼感をアピール。キャッチコピーの説得力も増します
どんな分野に強いかを明確にする
ホームページをいろいろと見ていて気付いたのですが、税理士が行うサービスは、私のような個人の確定申告から法人相手のコンサルタントまで、多岐にわたっていますね。扱う税金の種類も、所得税や法人税のほか、相続税や贈与税などさまざま。果たして自分にあった事務所なのか心配になってしまいます。
そこでポイントとなるのが、どんな分野を得意としているのかという強みの明確化です。トップページで明らかになっていれば、より詳しい情報をチェックしようという気になりますね。同時に、個人でも利用できるのか、法人のみを対象としているのかといった情報も知りたいところです。
また、特に初めて利用する人へのコンテンツとしては、実際に業務を依頼した場合にどのような流れでサービスが行われるかという説明も効果的です。たとえば
- お問い合わせ
- ヒアリングとプランの提示
- プランを確認していただき契約
といった具体的な展開を、箇条書きやチャート図などでわかりやすく示すわけです。
依頼したくなるための一工夫 ~SNSなどの活用~
利用者が問い合わせる際のハードルを下げる方法としては、ブログやSNSの活用も効果的でしょう。オフィシャルの説明とは違う税理士やスタッフによる書き込みは、親近感を増す効果があります。またホームページに比べて、より簡単に更新できるので、リアルタイムな情報なども書き込めます。ホームページへのSNSなどの組み込みが、顧客獲得にもつながるというわけです。
SNSはさまざまな種類がありますが、TwitterとFacebookなど、複数のサービスを併用しても構いません。その場合、もし別々に更新するのが面倒なら、複数のSNSに同時に投稿できるツールやアプリを利用するといいでしょう。
さらに問い合わせのしやすさをアップさせたいなら、問い合わせフォームの設置もオススメです。電話やメールなどよりも、気軽に利用することができます。
我妻総合会計事務所のサイト。ホームページにFacebookやTeitterへのリンクをはめ込んでいます
※画像は、トップページ下部のFacebookなどの部分のスクリーンショット
事務所の所在地、経歴など基本情報も忘れずに!
さまざまなポイントを紹介してきましたが、忘れてはならないのはロケーション情報。つまり場所ですね。私もそうですが、税理士事務所を探すときは「税理士事務所+〇〇区」といったように、住所と組み合わせて検索する人がほとんどでしょう。トップページの事務所名の近くに、地域などの情報を入れておくいいですね。SEO対策のためにもよいでしょう。また実際に事務所を訪問する人のための詳細な地図の配置も必須です。
そしてもう1つ、プロフィールはしっかりと書くのが重要です。税理士は自分のお金に関する相談やアドバイスをお願いする相手です。どんな人なのかを確認したいのは当然ですね。あまり省略などせずに、経歴などをきちんと書いておくことが大切です。
BiNDupは士業のホームページ用テンプレートが豊富
ホームページ制作サービス「BiNDup」には、これまで紹介した利用者が依頼するときのチェックポイント
- 写真の加工、編集ができる
- 各種SNSと連携し、サイトにタイムラインを表示できる
- Gpogle MapやYahoo!地図など地図アプリと連携できる
- お問合せフォームも標準で使える
など、簡単に作成・運用できる仕組みがすべてそろっているほか、士業にぴったりのテンプレートも豊富に用意されています。
税理士事務所に相談しようと思い立った人が、どんな所を気にしながらホームページを見るのか、いくつかのポイントを紹介してきました。“親しみやすさ”と“信頼感”を念頭に置いて、ホームページを作成してみましょう。
POINT
- メインの写真は素材集ではなくオリジナルを用意。顔写真は信頼と親近感を与える
- SNSも活用し、サイトと連携することで、人となりもアピールできる
- 地域×税理士事務所で検索されることが多いので、場所は分かりやすく入れる