自社でサイトを運営されている方には、デザイナーやライターなどのクリエイティブ系のフリーランス、また、ショップオーナーやサロン経営など自営業、自由業で活躍されている方がかなり多いでしょう。
個人事業主の場合は、本業の片手間に、お金の管理や事務作業などすべて自分で行わなければならないことが多いですよね。そのため、積極的に省力化を心掛けなければ、毎日が雑務であっという間に終わってしまったり、繁忙期に業務がスタックしてしまいます。
今回は、ぜひ取り入れたいフリーランス・個人事業主の業務や雑務を簡易化する6種類のWebサービスを紹介します。
1.全自動 確定申告サービス
2.「請求書」をオンラインで
3.個人でもできるクレジットカード決済
4.iPadやiPhoneをPOSレジにする
5.名刺管理サービス
6.スキャンサービス
1.「確定申告書」作成を省力化する全自動確定申告サービス
フリーランスには年に1回、確定申告という税務上のイベントがありますが、確定申告をするためには「青色申告」「白色申告」といった申告書の作成をしなければなりません。その際、必要となる1年間の支出や収入をすべてまとめる作業を省力化するのが、昨今話題の「オンライン確定申告サービス」です。
これらは全自動確定申告サービスとも呼ばれ、オンラインで銀行、クレジットカード会社と接続することにより、いままでは「領収書」を「帳簿に入力」し「仕訳」して作っていた収支報告書を、自動的に作成してしまうものです。もちろん、仕訳などはソフトが仕分けたものを人間が確認するので最初は「半」自動ですが、学習機能があるので使い込むうちにほとんど自動で仕訳作業が終わってしまいます。加えて現金のやりとりなどを手入力すれば、申告書の作業はほとんどできあがり。といううれしいもの。
現在は、Freee、MFクラウド、弥生会計オンラインいう3つが主力サービスです。以下にそれぞれの特徴を簡単に紹介します。
確定申告ソフト freee(フリー)
「全自動のクラウド会計ソフト」という相性があるように、日本での自動確定申告のはしりです。フリーランスで会計業務を一切やったことがない人を対象にデザインされたサービスで、インターフェースが従来の会計ソフトとは大きく異なり、「会計」や「仕分け」を意識せずに操作できることです。請求書の作成機能とも連動しています。(月額980円〜)
MFクラウド会計
マネーフォワード社の個人事業主〜企業向けのサービス。自動仕訳で確定申告作成ができます。インターフェースは初心者向け「自動で仕訳」モードと、複式簿記の帳簿画面「手動で仕訳」モードの両方があるので好みで使い分けられます。(月額800円〜)。さらに同社では「給与計算」「請求書作成」「資金調達サポート」「入金消込(請求書と連動して入金を確認し帳簿記入)」「経費申請」など経理を楽にするための周辺サービスが充実しています(各連携サービスは有料)
弥生の確定申告ソフト
http://www.yayoi-kk.co.jp/products/shinkoku.html
ソフトウェア「弥生会計」の個人事業主向けオンラインサービスです。青色申告と白色申告にサービスが分かれています。以前はSmart Connect という機能を起動して、随時連携を行うスタイルでしたが、2017年7月からは、自動で連携可能になりました。特に過去にやよい会計を使ったことがある人には馴染みのある入力画面ですぐに移行ができるはずです。(白色申告はずっと無料〜、青色申告は年額8,640円〜、ただし初年度無料)。会社組織には、弥生会計オンライン(年額28,080円〜)があります。
2.経理の代表的な作業「請求書」の処理をオンラインで
最近では請求書をPDFで送付すればOKな場合も増えてきました。その一方で、請求書を発行する以前に、業務委託契約の書類を事前にやりとりしなければならない取引もあり、1つの取引ごとに必要な経理書類も少なくありません。最近では、請求書のフォーマットから発送管理まで行えてしまうオンラインサービスがあるので紹介します。また、ここでは省略しますが上記に紹介したオンライン申告書作成サービスでも請求書サービスがそれぞれリリースされています。
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見積書・発注書・発注請書・請求書・検収書・請求書・領収書作成ができ、かつ、経営や業務管理などの機能もついたオンライン業務管理システムです。お聞きの通り、たくさんの契約書類が一発で作成できるのがメリットです。主に業務委託などでプログラムやWebサイトを構築・納品する業務を受託した場合など、契約形態によって必要になることが多々あります。正直手作業で作るのは困難ですから、必要な場合はぜひ取り入れたいサービスです(Excel関数を使うケースもよくありますが、これも関数を知らないとミスが発生する危険があります)。そのほかにも売上見込や発注・支払い管理などにも対応しています。外部システムとしてfreee、MFクラウド、弥生会計、勘定奉行に対応した仕訳データ出力が可能です。(月額980円〜)
MISOCA
締め日になることが多い月末のことを三十日(みそか)と言いますが、その名の通りMISOCAは請求業務を助けるオンラインサービスです。パソコンやスマホで請求書と見積書、納品書をまとめて作成できるだけでなく、保存管理や郵送・メール送信まで一括して行えます。弥生会計とも連携しています。(年額8,000円〜、ただし初年度無料)
3.個人でもクレジットカード決済に対応する
個人事業主が行うのは、受託業務だけではありません。たとえばセミナーをして数千円の会費を聴取したり、出張サービスやお稽古の謝礼、コンサルタント相談料などを、現金でお金を受け取るかわりにクレジットカードで支払ってもらうことが可能だったら便利ですよね。実際、ショップや飲食店を経営している人にはすでにおなじみになってきているかもしれませんが、審査の大変だった「クレジットカード決済」導入、現在はFintechなどの新興サービスを利用することで簡単になってきました。そのなかでも手軽なものを紹介します。
Square(スクエア)
スマホやタブレットに読み取り端末を取り付けるだけでクレジットカード決済ができるようになるサービスです。固定比などは係らず決済手数料(3.25~3.75%)のみ。また入金が最短翌営業日と早いので、クレジットカード導入による売上金の回収時期に関する心配も軽減されています。カードリーダーはイヤフォンジャックに指して利用し、4980円で購入できます。利用開始には開業届や業務に関わる免許の提出が必要です。
楽天ペイ(らくてんぺい)実店舗決済
https://smartpay.rakuten.co.jp/
国内主要電子マネー14種にも対応しているのが特徴のクレジット決済サービス。楽天ペイアプリ(スマホ決済アプリ)、Android Pay、クレジットカード、国内主要電子マネー(Apple Pay、QUICK PAY、iD)、プリペイド(Edy、Suica、Nanacoなど)に対応しています。小型の専用リーダーは、Bluetooth接続でスマートフォンと連動して使用します。(決済手数料3.24〜3.74% )
Paypal(ペイパル)
https://www.paypal.com/jp/webapps/mpp/merchant
インターネットでの個人間での銀行を介さない支払いシステムとして老舗のPaypalは、個人でもビジネスアカウントが作成できます(個人認証の申し込みが必要です)。ビジネスアカウントを開くと、相手がPaypalアカウントを持っていれば、メール送信で決済できるので、端末やソフトの導入など一切なくクレジットカード決済による支払いを受けることができます(決済手数料は30万円以下は3.6%+40円/件)
4.iPadやiPhoneをPOSレジにする
最近は、お店での支払いの際に「チーンガラガラ」という感じのレジでなくiPadなどのタブレットで支払い額を示されることがありませんか? いわゆるクラウドPOSレジと言われるサービスです。従来のレジやPOSレジの代わりになるアプリなので、実店舗で、売上金をすべて管理していくためのサービス。クラウドPOSレジにも多数のサービスがありますが、月額無料で使えるものに、Airレジ(全て無料)、スマレジ(スタンダード)、ユビレジ(無料プランあり)、そして上記にも紹介したSquare(無料)があります。iPadだけでなく、周辺機器などを揃えるため初期費用はある程度かかることに注意してください。
Airレジ
https://airregi.jp/jp/function/
すべてのサービスが無料のレジサービスです。iOSで利用できるレジサービスで、iPadにインストールして使います。サービス利用は無料ですが、レシート発行プリンターや、バーコード読み取り機を購入する場合は初期費用が必要です。売上管理や在庫管理、クレジットカード決済にも対応しています。クレジットカード決済にはAirペイ(決済手数料3.24%〜)やSquareを契約します。
スマレジ
スタンダードサービスは無料で利用できる高機能なPOSレジです。iPhoneまたはiPadで利用できる最新POSシステムが使えるクラウドサービス。実店舗ならではのニーズに合わせたレジ管理ができるほか、複数店舗を経営する場合の機能にも対応しています。業務や機能により、4,000〜12,000円の月額プランがあります。クレジットカード決済にはスマレジPAYMENTのほか、Square、楽天ペイ、Payment Meister、Coineyに対応。
ユビレジ
売上向上に役立つ機能が搭載された高機能POSレジシステム。売上管理のほか、購入履歴やリピーター率などから顧客属性の把握し、販促に活かす情報が得られるのが特徴です。複数店舗やチェーンの導入にも対応しており、無料プランだけでなく、飲食向け、小売店向け、カスタマイズプランなどの有料プランも用意されています(4750円〜)。
5.人脈ネットワークを充実させる名刺管理サービス
ビジネスにおいて名刺は欠かせないコミュニケーションツールですが、もらったままにして眠らせておくより、クラウドで管理することで名刺交換した相手とつながり、ネットワークを活性化させる人が増えています。単に名前と住所の管理がオンラインでできるというだけでなく、知人の転職情報なども自動的に伝わってくるので、ネットワークを広げておきたいフリーランスや事業主はぜひ複数の無料サービスに登録しておくとよいでしょう。
Eight
利用者が多い、人気の個人向け名刺管理アプリです。無料で利用でき、名刺交換した人や知人には繋がりを申請できます。つながりあった相手とは名刺の更新、転職や部署変更といった情報が受け取れるため、ネットワークのアップデートがオンラインで可能なのが魅力です。登録したデータをテキストやCSVでダウンロード可能になるプレミアム版は月額400円で利用できます。
Camcard
https://boxil.jp/business_card/
名刺内の情報の認識率が非常に高く、データ化がスムーズに行えると定評のある名刺管理ツールです。個人版は無料です。ビジネス版はSalesforce、SugarCRM、Google Contactsなどの連絡先とも連携でき、月額300円〜となります。iOSとAndroidの両方で対応しています。
Evernote名刺管理
あらゆる情報を保存するのに適しているアプリ、Evernoteですが、名刺の保存機能も優れています。Evernoteのスマホアプリからカメラを起動して名刺を取り込むと、「連絡先ノート」の中に保存できます。EvernoteからLinkedInへの連携をオンにすると、相手のプロフィールが最新のものに更新されるという、他のサービスにはない便利な機能もあります。
6.スキャナーいらず、紙の書類や写真をキレイにスキャン
すでにFAXやプリンター、スキャナーといった「紙」を扱うデバイスを持たない人も増えていると思います。手元にある紙の書類をメール送信したいときは、スマートフォンで写真を撮れば済みますが、大抵の場合はゆがんでしまいます。スキャナーのようにきれいに文書をデジタイズするアプリがいくつか出ていますが、ここではイチオシを紹介しておきます。ちなみに、Google Photoアプリをもっている場合は、サイドメニューからPhotoscanを立ち上げると、スナップ写真をきれいにデジタイズすることができますので、お試しあれ。
CamScanner
https://en.ccint.com/personal-camscanner
撮影した文書の四隅を指定するだけでゆがみ補整、色調補正、鮮明化まで行えます。またOCR機能もあり、手書きの資料からテキストデータを抽出することも可能。アプリ内にドキュメントを保存するだけでなく、各種のクラウドサーバーへデータを送信したり、シェアすることもできます。とにかく取り出せる画質がよいのでおすすめです。
それぞれのジャンルで優れたサービスがいくつも登場していますが、サービス体系や利用可能な範囲、アプリの対応などを比べ、自分にあったサービスを選ぶとよいでしょう。
7.Webサイト運営の経費とストレスを削減
ホームページ作成と運営の省力化・効率化には、どこにいてもWebブラウザから更新ができるBiNDクラウドがオススメです。
作りたいサイトのイメージをそのまま自動生成してくれる「AiDジェネレーター」の搭載で、サイト作りが初めての人でも満足のいくサイトが仕上がります。サイトを制作会社に依頼する必要がなく、外部コストがかからないのもうれしいですね。
POINT
- アプリやオンラインサービスを活用して本業以外の業務を効率化しよう
- 従来のサービスに比べ無料・自動化されたお得で便利なサービスが多い
- ジャンルごとに複数のサービスがあるので自分にあったものを選ぼう