レストランや美容院、治療院、マッサージなどの店舗は、予算を抑えながら効果を上げられるネット集客は必ず取り組んでおきたいPR方法です。最近では、さまざまなクチコミサイトやジャンル別のポータルサイトやSNSが増えてきて、どのサービスをどこまで使うべきか悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。
今回は、美容院やサロン、治療院などでスモールビジネスを営む場合に最低限考えておきたい、口コミサイトの利用方法ついて考えてみたいと思います。
口コミサイト・ポータルサイトのメリット
個人ショップから大規模なチェーンに至るまで、店舗の宣伝費の一環として、美容系や整体などならホットペッパービューティやエキテンなどの口コミサイト、レストランならば食べログやぐるなびといった大規模なグルメサイトに登録している(されている)ケースは少なくないでしょう。
美容系サイトで利用者が多いホットペッパービューティのサービスサイト
店舗の基本情報を掲載できる
口コミサービスに登録するメリットは、まず、自分のホームページがなかったり、あまり手入れがされていない場合でも、店舗の基本情報を掲載できること。そして何より、「目的を持った人」がたくさん集まるので、集客アップに繋がることです。大手の口コミサイトでは、その内部検索を使って、多くのお客さんが常に目的に合うお店を検索していますから、当然お客さんとの出会いが増えます。またSEOの観点でも、簡単なキーワード(「美容院, 原宿」や「ランチ, 銀座」など)で、大手のビューティサイトやグルメサイトが上位に出てこないことはありませんから、総合的に集客力が強くなることは間違いありません。
ぐるなびのサービスサイト
有料サービスには売上管理までできるものも
ショップ名の掲載のみや、情報確認のみだけであればグルメサイトは無料で行えたり、美容系は料金にランクがあり、月額数万円などの低額なサービスから利用できるのも魅力です。
限定のクーポンの発行や、おすすめコースの設定、インターネットを使った予約管理、顧客管理(お礼メールや確認メールの発送)まで対応したサービスは、一部は有料サービスにはなるものの、ネット集客の基本はポータルサイトだけで済んでしまうかもしれません。
さらには、サービスによってはカード決済から売り上げまで管理できる会計システムや従業員のシフト管理、求人募集などまでサポートするなど、現在では、単なるお店紹介サイトにとどまらないサービスを提供しています。
デメリットは悪評対策やコストとのバランス
ここまで基本のWeb対策は網羅できる印象の口コミサイトですが、もちろんデメリットもあります。
口コミの評価に左右されるリスク
総合の口コミサイトでの一番のデメリットは、メリットの裏返しでもありますが、口コミに大きく評価が左右されることです。口コミの中でもあまり筋の良くないお客さんから書き込まれるケースもあります。それでも、お客さんの口コミは、基本的に修正も削除もできません。運悪くついてしまった悪評を撤廃するためには多くのコストが必要になります。
口コミサイトの中でも表示順位が影響する
また、お客さんからの探されやすさとしては、口コミサイトの中で、結局、表示順位争いが発生してしまうということがあります。
サービスサイトで検索しているお客さんは、同じエリアにあるお店のリストからお店を検索しますが、なかなかリストの最後のショップまで紹介を見続けるのは難しいものです。特別気になるキーワードがなければ、最初に表示された3~4件から選ぶことが多いのではないでしょうか? キーワードの妥当性、口コミの数やランキング、支払った広告費の金額によって検索結果の上位が決定されるため、結局、サービスサイトに登録したあとも課金や日々の工夫・努力が必要なことには変わりありません。
もしも、安くはない会員費を支払ったのに紹介ページの改善がうまくできなかったり、集客が思うように上げられなかったら、会員費の支払い損になってしまいますよね。
検索のトップに来る、Googleマイビジネスに注目
今後も、口コミサイトやポータルサイトに登録しておけば、万事安心なのでしょうか? しかし、昨今は、検索エンジンの結果表示にも大きな変化が現れています。おなじみGoogle検索で地名を含めて検索すると、一番上に出てくるのは、いまはGoogleマップです。現在、ほとんどのスマホの検索エンジンのデフォルトにはGoogleが設定されており、日本国内のGoogle検索のシェアは70%を超えていますし、検索結果は以下のようにGoogleマップがとても目立つようになっています。
Googleで地名を入れてお店を検索
Googleマイビジネスのメリットと利用開始
Googleの結果のマップ(Googleローカル検索)には、ショップの地図も出ますし営業時間やサイトへのリンクが付きます。さらには口コミもありますから、そのまま地図を大きく開いたり、ショップの名前をタップして店の品定めをしやすいようになっています。Googleがスマホでの利用体験を向上させようとする場合は、このGoogleマップを使った検索結果表示を強化するトレンドは、今後も続くと考えられるでしょう。
Googleマップに店名やリンクを出すには、Googleマイビジネスに登録します。
Googleマイビジネスは無料で始められますから利用しない手はありません。一部、拡張機能を利用したい場合やネット広告と連動させたいときは、有料のサービスもあります。無料でも十分に効果があるので、対策を行っていない場合は、すぐに登録を行いましょう。
結局は自社のホームページが必要な理由
Googleローカルの検索結果では、マイビジネスで登録したホームページや予約ページ、電話番号へのリンクがあるため、基本的には検索結果から自分のサイトへリンクして詳細を確認するという導線が確立しています。
ホームページがなかったり、更新がされてない場合、お客さんがチェックするときに不利になると言わざるを得ません。
自社コンテンツは中長期的な自分たちの資産に
ホームページのコンテンツは、自社コンテンツ、つまり自社の所有する資産になります。第三者のようにチェックなしに書き換えられたり、消されたりすることがありませんし、間違った情報が書き込まれて広まる心配もありません。なによりも、掲載料や使用料はずっとかかりませんので、一度作れば長期に利用が可能になるのです。
たとえば、特定の口コミサイトのショップ情報欄に載せるためだけに写真を撮ってもらうサービスが提供されても、その写真が自社や他サイト、SNS、広報、などで利用制限されてしまったら、別の機会には再び撮影が必要になり、結局は高くつくということもあります。口コミについても、直接知っているお客さんや自社のアンケートを使って集めたものならば、特定のサイトに制限されずに掲載ができますし、掲載内容についても事前に可能です。
もちろん、ホームページ自体のSEOも、お客さんにより多くの見つけてもらえるようになる助けになります。長期に知名度を上げていくためにも、自社サイトを改善・充実させて、お客さんが読みたくなるコンテンツを用意したり、自社の得意分野の話題についてのコンテンツを増やしておくことをおすすめします。
そして、日々のコンテンツを順次増やしていくときにやはりおすすめなのが、ブログなどのメディアの運営です。旬の話題を扱うSNS的な要素、恒常的に閲覧してもらえるストックとしての要素の両面があり、記事の数も体裁にとらわれすぎず増やしていきやすいので、サイトの運営スタッフも運営がしやすいでしょう。
自社サイトでのブランディングとポータルサイトの集客の両立が成功している実例
香川県高松市のヘアサロン「DOUBLE」の例
いかがでしたか。レストランや美容院、サロンなどで、口コミ集合サイトに登録するメリットは数多くあります。
ただし、外部サイトだけに頼っていればいいというトレンドは今後、変わってしまうかもしれません。やはり、自社サイトの運営はブランドと信頼性を維持するための基本。こまめに手を入れることが大切です!
POINT
- 口コミ・ポータルサイトの最大のメリットは店舗情報の露出機会が増えること
- 口コミ・ポータルサイトの最大のデメリットは第三者の所有となり修正や流用ができないこと
- トレンドや予算に頼らない集客には、自社サイトでの中長期的な信頼性の維持が重要