東京・飯田橋にて、サイトを作り始めたばかりのスタートアップやスモールビジネスの企業の採用・人事担当者のためのWebで仕掛ける人材採用のトレンド、ノウハウを伝えるセミナーが開催されました。
大手企業の採用サイトをプロデュースする株式会社まぼろし 取締役CMO益子貴寛氏、多様な働き方を推奨する求人ネットメディアを運営するパラフト株式会社の山田勝氏に加え、ウェブ開発ツール「BiNDクラウド」の開発プロジェクトマネージャーである株式会社デジタルステージの洪泰和の3名のトークセッションの模様をお届けします。
▽セミナーの詳細はこちら
「コスト0円で仕掛けるウェブサイトからの人材採用【Startup Proffesional】」
※このセミナーは終了しています
自社に採用サイトを設ける理由
今回のセミナーのテーマは人材採用。人材の確保は企業規模に関わらず常に大きな課題です。求める人材を獲得するための戦略やトレンドといったノウハウの提供と、具体的なデザインに落とし込むヒントを3人の講師陣がレクチャーしました。
とくに少人数精鋭を求められるスタートアップやスモールビジネスでは、適材適所の優秀な人材をどれだけ獲得できるかで、社運が変わると言ってもよいかもしれません。
しかしながら、自社サイト内に人材サイト専用のページを設けている会社は多くありません。
どういう会社であれば、優秀な人材はそこで働きたいと思うのか?
彼らが求める情報は、職種ごとに異なると言います。
そこで、優秀な人材確保が難しいとされるエンジニア/デザイナー/セールス・マーケティングの3領域の採用の基礎と戦略をテーマに話を進めました。
大手求人サイトにはない、自社の採用サイトの役割
人材を採用したいと考えたとき、まずは大手求人サイトに掲載を考えるかもしれません。
間違えではありませんが、給与や条件などの情報が並列に並ぶ求人サイトでは、条件面以外の差別化がしにくくなる、と益子氏は言います。
では条件面以外で、なにがエントリーする決め手となるのでしょうか。
皆さんもそうだと思いますが、応募前にはその会社のホームページを必ずチェックします。そのとき、ここで働きたいというイメージが湧くかどうかが大事です。
その際、会社のホームページだけでなく、採用のためのページがあれば、欲しい情報に特化することができます。
少しでも興味を持ってくれた人に、ワクワクするようなメッセージ、これぞ求めていたという仕事環境を提案できるページであれば、後押しとなります。
超有名企業であれば会社名がフックとなる可能性もありますが、そうでない場合は、
半歩先のキーワードを自分たちのブランディングに活用しましょう。と山田氏は言います。
例えば、時代が求めるワードから自分たちのビジネスと関わりの強いものを探し、こう検索されたときにヒットしたい、というキーワードを作るのもひとつの手法です。
自分たちの会社のキーワードを作る
Webを使った人材募集を考えたとき、ひとことで自分の企業を表すことができれば人を集めやすい。と山田氏。
パラフト社のコンセプト「生きる はたらく もっと楽しく。」は「働き方改革」が盛り上がる時期が重なり、セミナーなどに登壇してほしいとお声がかかったり、注目が集まったと言います。
これといった特徴がないという時は、
「大雪で電車が止まりそうな日に、会社に行くの嫌だよね」
「自分の誕生日に早く帰れないのは嫌だよね」
といった
「こういうことは嫌だ」というネガティブキーワードをポイントとしそれらをどう解決・提案する会社かをアピールするのもありだ、と益子氏。
そうした手法を使って人が集まったとして、もっとも重要なのは彼らが求める優秀な人材かどうかです。
そこで重要なのは、求める業務を明確にしつつ、必要なスキルをきちんと明示して募集をかけることと言います。
職種別・求人サイト作りのポイント
次に求人サイトを作るときのポイントを、実際にBiNDクラウドで作成したサイトとともにご紹介していきましょう。
プログラマー・エンジニア募集のポイント
今回は、1ページで概要を伝える構成を活かすため、ビジネススクールの生徒募集を想定したBiNDクラウドの「MORISHITA International Academy」というテンプレートを使いました。
BiNDクラウドで作成したプログラマーの求人サイトはこちら。
- 開発環境(モニターが2つ欲しいなど)重視の人が多いので仕事環境をアピール
- メールよりSlackなど風通しの良さを求める傾向があるので、社内ツールなども共有
- 初級・中級・上級で求めるスキルが異なるので傾向に合わせてアピール
どういった職場環境か、またどんなツールや技術を取り入れているかなどをアピールするひとつとして、中の人が自ら発信する「開発ブログ」がよく活用されます。
BiND Pressを使うと採用サイト内でブログを構築できるので、外部ブログでの運用と違って離脱も防げてお勧めです。
デザイナー募集のポイント
- デザイナー職は女性が多いので子育ての理解をアピール
- どういうサイトを見ているかを聞くことで情報感度の高さをチェック
- ポートフォリオの提出を求める企業も多いので記入欄を設ける
デザインは工数の切り分けが難しく時間をかけようと思えばいくらでもかけられる作業のため、どのような仕事をして欲しいかという明確な提示はもちろん、働き方のケアをアピールすることで、応募を増やすことができるとのことでした。
セールス・マーケター募集のポイント
- マーケティングとセールスどちらを重視しているのかを明記
- グループワークが多いかひとりの作業が多いかなどでもスキルが異なるので明記
- メディア向け/投資家向けなど、自社の求める技能を明確化しておく
業界の知識がある程度必要となるセールスやマーケティングの求人では、求められる業務を明確にしつつ、必要なスキルをきちんと明示して募集をかけることがポイントとのことでした。
採用サイトを作成するときのポイント
以上の3つのサイトを作成した洪より、共通して言えるのは、
●ブログでリアルな職場環境を届け、数字で会社の基礎情報を視覚化すること
●コンバージョンであるフォーム設置には、導線よく配置すること
とのことでした。
また各求めるターゲットに合わせて配色やフォントを変えているところもぜひチェックしてみてください。
言葉(メッセージ)で感情に訴えかけ、数字(インフォグラフィック)論理的に納得させることで、応募のコンバージョンに繋がるサイト作りを心掛けてください。
POINT
- ブログでリアルな現場のメッセージを届ける
- インフォグラフィックで会社の基本的な情報がひとめでわかるようにする
- 申込フォームはコンバージョンなので、サイトの一番最後に置く