新しい画像編集ツール「SiGN」の展望
SiGN ― それは、オールインワンなウェブ制作環境を謳うBiNDのアイデンティティの1つとも言える機能で、簡単な操作でバナーやロゴ画像を編集出来るツールです。
昔、先代社長のヒラノさんを囲む仕様を考えるクルーの間では、「機能名にわざとカッコ悪い名前を付ける」のが流行っており、この機能は見出しを作るツールという事から「ミダシャー」(見出し + er)と呼ばれていました。
思い返せば、デジタルステージの歩みは、ある意味、マクロメディア製品と共にありました。
最初のVJソフトmotion diveから、フォトムービー制作ソフトLiFE* with PhotoCinema、Flashを使った動きのあるサイトが作れるID for WebLiFE*までは、Directorというオーサリングソフト。
その後、Directorが下火になってからは、本体は他のクロスプラットフォームな開発環境になりましたが、ダイナミックな表現にはFlashを組み込み、周辺ツールにはAdobe AIRという、やはり、Flashベースの技術を使ってきました。
今日、お話しするSiGNも、Adobe AIR製のツールでしたが、先日のAdobeのFlash終了のお知らせにより、存続そのものが疑わしくなってきました。
そんな中、仕組みそのものから見直し開発を始めていたのが、新しいSiGN(仮称。コードネーム:ミダシャーHTML5)です。
開発の動機としては、このように外因的な事がはじまりではあったのですが、単に焼き直ししただけではありません。
そこで今日は開発中のSiGNの機能を少しご紹介。
BiNDでの編集ツールは、BiND8でSiGNのみになりましたが、BiND7までの簡易トリミング機能は使い易かったよねという事で、今度の新しいSiGNでは起動してすぐのUIで、即、全体のトリミングができます。
また、今までは数字を見ながらマウスでじりじりと合わせるしかなかったオブジェクトの位置調整が、数値入力や整列機能が使えるようになったりと、基本的な使い勝手を向上させています。
そのほか、Instagramのように、あらかじめ幾つかのエフェクトを組み合わせたスニペットが用意されており、簡単にプロの効果がかけられるようになっています。
データの互換性についても、多少の表示崩れは起こるかも知れませんが、過去データは全て編集可能にしたいと思っています。
今後のミダシャーHTML5
これにとどまらず、様々な機能を検討しています。
まず、基本に立ち帰って、ミダシャーというだけあって、タイトルやロゴ、タグラインを飾る機能を強化していきたい。こちらは第一弾にあわせてリリースは難しいかもしれませんが。
今日、ウェブフォントも充実してきて、フォントを変えるだけでも、充分、良い見出しになりますし、SEOの事も考えると画像よりもテキストの方が有利なのは、Googleボットの性能が上がった今でも相変わらずです。
ですが、以前も少しお話ししましたが、ウェブのデザインの多様性を信じる我々としては、表現としての見出しの可能性も引き出したい。
今、考えているのは、SVGに対応して、ラインアニメーションのような事を簡単にする事や、Flashのオーサリングのようにタイムラインを実装して、簡易なアニメーションを作れるようにするなどです。
Flashがオワコンになってしまった事で廃れてしまったウェブの表現力を、もう一度、違うカタチで復権できないかな?という事かも知れません。
まあ、古い表現では意味が無いので、「今」なりのデザインで考えていきたいですが。
SiGNは、BiNDの画像編集の中核をなす部分であり、日常的な機能であるが故に、過去データとの互換性が大事だと考えています。
そのため、テストに十分な時間を費やす必要があり、まだリリースは少し先になりそうですが、どうか今後のアップデートにご期待ください!
POINT
- 頻繁に行う作業、画像トリミングまでをシームレスに
- 従来のSiGNデータとの互換性を重視
- Flashに代わる「今のデザイン」ができるSiGNへの展望