次世代のBiNDupが目指しているのは、Webサイトを簡単に作れるだけでなく、AIが事業やブランドを理解し、何をすべきかを一緒に考え、実行まで担うことです。
その構想の出発点になったのが、「CMA(コンテンツ・マネジメント・エージェント)」という独自の言葉です。従来のCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)はWebサイトの情報を管理・更新する仕組みでした。それに対し、CMAはAIが自ら考え、コンテンツの制作から発信、改善までを支える存在です。
次世代のBiNDupがなぜ生まれ変わるのかは、こちらの記事でご紹介しました。
今回は、この言葉に込めた考えと、AIとともに変わるWebサイトの運用を、前回に引き続き、BiNDを生んだウェブライフの代表取締役 熊崎隆人と、次世代のBiNDup開発に携わる四家、洪が紐解きます。
AIがWebサイトを作れる時代だからこそ、必要なこと
生成AIの進化によって、Webサイトの制作環境は大きく変わろうとしています。
文章を書く、画像を作る、デザインを考える、コードを生成する。これまで専門的なスキルや時間が必要だった作業も、AIの力を借りて短時間でできるようになりました。ページ全体を作るAIもあれば、特定のデザインや画像だけを作るAIもあります。
しかし、Webサイトを簡単に作れるからといって、それだけでビジネスの成果につながるわけではありません。誰もが手軽にWebサイトを作れる時代だからこそ、他との差別化には、事業やブランドの独自性がますます重要になります。
コンテンツを「管理する」CMSから、「考えて動く」CMAへ
「今はお客様に情報を届ける手段が、Webサイトだけじゃないですよね。SNSもあれば動画もある。BiNDが生まれた20年前と比べると、伝え方がずいぶん増えました。そうなると、Webサイトだけを管理する従来のCMSでは、カバーしきれなくなってきているんです」と熊崎は話します。

従来のCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)は、Webサイトの情報を管理・更新するための仕組みでした。しかし、SNSやメールなど発信手段が増え、情報の管理や成果の把握も複雑になっています。
「そこで考えたのが、CMA(コンテンツ・マネジメント・エージェント)という新しい仕組みです。Webサイトだけでなく、事業に関わるさまざまな情報をAIが理解して、次に何をすべきか提案し、制作から発信、改善まで手伝ってくれる。そんな存在を目指しています」(熊崎)
CMAは、Content Management Agent(コンテンツ・マネジメント・エージェント)の略です。従来のCMSの「システム(System)」を「エージェント(Agent)」に置き換えた言葉です。
コンテンツを管理するだけでなく、WebサイトやSNSなどの情報をAIが理解し、次に必要な施策を提案。ユーザーの承認を得て実行し、その結果をもとに改善まで支援する仕組みを目指しています。
公開したあとに、運用の課題が増えていく
前回のインタビューでもお伝えしましたが、BiNDupをお使いの方を対象に、新しいBiNDupに期待することを尋ねるアンケートを実施しました。すると、「サイトを売上や仕事につなげたい」「何を改善すればいいかわからない」という声も寄せられました。
ユーザーの皆さんがBiNDupを通して向き合っているのは、作ったあとにWebサイトを通して何をするかなのです。
そして、運用の手間は、発信の手段が増えるほど膨らみます。熊崎は「SNSの更新だったり、Webの更新だったり、メールを書いたり。SNSもいくつもの種類があって、レギュレーションがどんどん変わるので、とても大変なんですよね」と話します。
手段が増え、ルールも変わり続けるなかで、すべてを社内のメンバーで行うことは簡単ではありません。
こうした運用の手間を、AIでどう減らすか。次世代のBiNDupのAI機能は、そこから考え始めたと四家は振り返ります。
「開発チームでは、SEOやアクセシビリティなど、Webサイトの運用で手間がかかる作業を、AIでもっと簡単にできないかという話から始まりました。さらに今は、AIに相談して答えをもらうだけでなく、専門的な作業そのものをAIに任せられる時代になっています。毎回指示を出さなくても、AIが継続的に作業を進めてくれる。AIの進化とともにBiNDupに組み込んでいきたいと考えています」

CMAによって、Webサイトの運用はどう変わるのか?
「何を改善すればいいかわからない」「運用の手間が膨らみ続ける」。ここまで見てきたこの2つの課題に、CMAは「提案」と「実行」で応えます。AIがWebサイトや発信のデータを見て次にやることを提案し、運用の最初の一歩を、AIが一緒に考えてくれるようになります。

アンケートでAIに手伝ってほしいことを尋ねると、上位に並ぶのは、SEO対策、サイト構成の提案、文章作成、解析と改善アドバイスであった。ユーザーがCMAに求めることが見えてくる
AIが提案し、発信から改善まで手伝う
熊崎が思い描くひとつの例が、マーケティング担当者の仕事をAIが一緒に担う姿です。
たとえば、Webサイトで記事を公開したら、AIがSNS向けの投稿文を作り、複数のSNSへの発信をサポートする。さらに、Googleアナリティクスやサーチコンソールなどのデータからサイトの状況を分析し、改善すべきポイントを提案する。そんな仕組みを構想しています。
「今までのAIアナリストは、分析してアドバイスはしてくれても、実際の作業まではやってくれませんでした。でも、BiNDupならサイトそのものを編集できるから、AIの提案を実際の修正や改善につなげられる。『じゃあ、それをお願い』と言えば、AIが実行まで手伝ってくれる。いわば、頭だけだったAIに手足がつくようなイメージです」と熊崎は話します。
AIが考えるだけでなく、実際にサイトを変えられること。Webサイトの制作・運用を担ってきたBiNDupだからこそ実現できる、新しい価値です。

汎用AIではなく、BiNDupだからできることは何か?
汎用AIとのいちばんの違いは、BiNDupがそのWebサイトのデータを持ち続けていることです。
汎用AIとBiNDupのAIの違い
アンケートでは、BiNDupユーザーの半数近くが、すでに外部のAIツールを活用していることがわかりました。分析を得意とするAIを使っていても、「何を改善すればいいかわからない」という声が残るのはなぜでしょうか。
熊崎は「汎用AIに相談する場合、過去のメルマガやSNSの投稿、Webサイトの情報などを読み込ませる必要がありますよね。それには手間だけでなく、専門的な知識も必要ですし、情報の取り扱いにも気を配らなければなりません」と指摘します。
だからこそ、事業に関する情報を安全に蓄積し、AIが継続的に理解できる仕組みが重要になります。毎回一から説明したり、複雑な設定をしたりしなくても、自分たちの事業を理解したAIに気軽に相談できるのが、BiNDupのAIの利点です。
熊崎は、汎用AIとBiNDupのAIの違いを次のようにたとえます。「汎用AIを、幅広い知識を持ち、さまざまな相談に何でも答えてくれる全知全能の存在にたとえるなら、僕らが作ろうとしているのは、地域を見守る氏神様のような存在です。ひとりひとりの事業に寄り添い、深く理解し、成功を一緒に考えてくれる、もっと身近なAIなんです」

次世代のBiNDupでは、事業を理解したAIがアクセス解析を行い提案する構想も。(画像は開発中のものであり、変更になる場合があります。)
Webサイトを持つ人の役割も、変わっていく
AIが作業を担うほど、人に残る仕事は、より高度な判断になります。「AIが進化してその判断もある程度AIがやっていくと、人間がやる判断はより高度になる。何のビジネスをやろうか、というところまでは、AIは勝手にはやってくれないわけですよね」と熊崎は話します。
すなわち、何を、誰に、なぜ伝えるかを決めることが、人の役割として残ります。
洪も「生成AIにすべてを任せてしまうと、誰もが似たようなものを作ることになりかねません。だからこそ、自分のアイデアやこだわりを反映し、『自分で作った』と思える体験を大切にしたいんです」と話します。

CMAの構想を形にする、AiD Playbook
ここまでご紹介してきたCMAの構想を実現する中核が、AI「AiD Playbook」です。
Playbookは、英語で「指南書」を意味する言葉です。毎回細かな指示(プロンプト)を出さなくても、使うほどに事業への理解を深め、より的確な提案ができるAIは、どのように制作や運用を支えていくのか。次回の記事では、その仕組みと開発に込めた思いをご紹介します。
次世代のBiNDupの新しい可能性に、ぜひご期待ください。



