販売サイトの作り方6ステップ|売上を向上させる方法・販売サイトの弱点カバー方法も解説
販売サイトを作る企業が増加しています。販売サイトを立ち上げて集客し、売上を伸ばすまでにはいくつもの手順が必要です。
この記事では、販売サイトの立ち上げから運用までを任されている担当者に向け、販売サイトの作り方や運用を成功させる方法を紹介します。販売サイトのライバルである実店舗やショッピングモールとの比較も行うため、売上向上にお役立てください。
1. 販売サイトを成功させるための事前分析
販売サイトが成功するかどうかは、事前分析にかかっています。3C分析により、販売サイトの方向性を決めましょう。3C分析とは、「Company(自社)」「Customer(市場や顧客)」「Competitor(競合)」の3つの視点から分析する手法です。自社の強みと弱み、外部環境のチャンスやリスクを網羅的に列挙し、成功できる販売サイトを検討してください。
1-1. 販売サイトで目指す売上の目安
維持費を支払っても利益が出るだけの売上を得られれば、販売サイトを立ち上げるメリットがあります。販売サイトの維持費の一例が以下です。
- サーバーやドメイン費用
- ASPなどサービスの利用費
- 商品原価
- 運営スタッフの人件費
- 保守費
- 広告やマーケティング費
- 配送費や梱包用の資材費
また、販売サイトの売上は「訪問者数×購入率×顧客単価」で算出できます。目標とする売上を達成できるように、各項目の目標値も設定しましょう。
2. 【6ステップ】販売サイトの作り方
販売サイトは、以下のステップを踏んで作ります。
- 販売サイトの種類を決める
- デザインを選ぶ
- 必要な機能を選ぶ
- 開業の準備をする
- 集客方法を考える
- 売上を伸ばす
以下では、それぞれのステップについて詳しく解説します。
3. 販売サイトの作り方(1)販売サイトの種類を決める
4種類の販売サイトについて、特徴とメリット・デメリットを踏まえて解説します。
3-1. フルスクラッチ
フルスクラッチでは、既存のシステムやプログラムを使用しません。ゼロからプログラミングすることで、完全オリジナルの販売サイトを作る手法です。フルスクラッチで実用的な販売サイトを作るためには、ハイレベルな知識とスキルが必要です。
フルスクラッチのメリット・デメリット
フルスクラッチはカスタマイズ性が高く、社員のスキルしだいではすぐに販売サイトの作成から運営まで対応できます。一方、社員の専門性が低ければ、外部業者にサイト立ち上げを依頼しなければなりません。希望にあう販売サイトを作るためには、ある程度の時間とコストが必要です。
3-2. パッケージ
パッケージには、販売サイトに必要な機能がすでに搭載されています。サーバーやドメインなどを自社で用意してから、パッケージを購入してください。自社に必要な機能を選抜し、販売サイトを作りましょう。
パッケージのメリット・デメリット
パッケージは、フルスクラッチの次にカスタマイズ性があります。パッケージ販売元のカスタマイズやサポートも利用可能です。一方、パッケージには初期費用と維持費がかさむため、予算が厳しければ、以下で紹介するオープンソースやASPも検討しましょう。
3-3. オープンソース
オープンソースも、既存のプログラムを利用して販売サイトを作ります。オープンソースのプログラムはインターネット上で無料で利用が可能です。ただし、サーバーやドメインに対する費用が発生する点には注意しましょう。
オープンソースのメリット・デメリット
オープンソースのプログラムには無料で公開されているものが多く、販売サイトを立ち上げる費用を抑えられます。しかし、パッケージのように販売元のカスタマイズやサポートを受けられません。また、ソースコードが公開されている分、オープンソースはサイバー攻撃を受けやすく、セキュリティが弱い傾向があります。
3-4. ASP
ASP(Application Service Provider)は、販売サイトのプラットフォームを利用する方法です。今回紹介する4種類のなかで、もっとも手軽に販売サイトを作れます。
ASPのメリット・デメリット
比較的リーズナブルな価格で手軽に販売サイトを作れるASPは、サーバー・ドメイン関連の費用は基本的にかかりません。また、契約するプランを選べば維持費も抑えられます。
プラットフォームが用意するテンプレートを使うため、ASPでは販売サイトにオリジナリティを出しにくくなります。企業やブランドの個性を出したい場合は、ASP以外の方法を選択しましょう。
4. 販売サイトの作り方(2)デザインを選ぶ
ASP以外の販売サイトは、オリジナルのデザインを反映できます。販売サイトのデザインを考える際は、見た目だけでなく、ユーザーの利便性にもこだわりましょう。
競合の販売サイトを参考にすると、作るべき販売サイトのデザインが見えてきます。競合の販売サイトで気になる点を見つけたら、よりユーザーに受け入れられるデザインに仕上げましょう。
5. 販売サイトの作り方(3)必要な機能を選ぶ
決済機能のほかに、販売サイトに用意すべき機能は以下のとおりです。
- カゴ落ち防止のリマインド
- 再入荷のリマインド
- お気に入り登録
- 商品のレビュー投稿
必要があれば、運用後に機能を追加しましょう。あれもこれもと機能を盛り込みすぎると、操作性が悪くなる恐れがあります。
また、利便性のために、複数の決済手段を用意しましょう。決済手段が豊富だと、ユーザーが柔軟に決済手段を選べるようになります。たとえば、高額な商品の場合は、分割払いができるクレジットカード決済や、現物を確認してから代金を支払える後払い機能がおすすめです。
6. 販売サイトの作り方(4)開業の準備をする
販売サイトの作成が落ち着いたら商品の登録を行います。続いて、在庫の必要量や確保手段を決め、配送・梱包の手段を確認してください。問合せやクレームがきたときの対処法も決めておきましょう。
7. 販売サイトの作り方(5)集客方法を考える
販売サイトでよく用いられる集客方法は、SEO・リスティング広告・SNSなどです。それぞれの集客方法の特徴を解説します。
7-1. SEO
検索エンジンからの流入を狙った集客方法を、SEOと呼びます。検索エンジンで上位に表示されるコンテンツを作成し、販売サイトへ誘導しましょう。SEOは広告費がかかりません。ただし、SEOには即効性がなく、効果的なコンテンツを作るためには専門知識と技術が求められます。
7-2. リスティング広告
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果の画面に自動表示される広告です。リスティング広告は、商品に興味を持つ人に対し効率よく宣伝できます。ただし、広告費がかかるため、登録するキーワードは慎重にを選定しましょう。
7-3. SNS
SNSは無料でアカウントを開設でき、販売サイトのブランディングにも役立ちます。リツイートされると、拡散効果により大勢に販売サイトを宣伝できます。一方、不用意な投稿をすると、アカウントが炎上する恐れがあるため、投稿内容には注意が必要です。
8. 販売サイトの作り方(6)売上を伸ばす
集客により販売サイトを訪問する人が増えたら、売上を伸ばす施策を取り入れましょう。以下では、売上を伸ばすポイントを解説します。
8-1. コンバージョン率を高める
Googleから提供されている無料のアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」を使うと、商品ページごとのコンバージョン率(CVR)がわかります。CVRとは、サイトを訪問した人のうち成約に至った人の割合です。つまり、CVRが低ければ、訪問者数が増えても売上が伸びません。CVRが低い商品について、情報の追加や写真の取り直し、価格の見直しなどを実施しましょう。
同時に、カゴ落ちを防ぐ施策も検討してください。カゴ落ちとは、カートに商品を入れても購入に至らない現象です。決済手段の増加、個人情報の入力ページの簡略化などで、カゴ落ちを防止できます。
8-2. 客単価を高める
客単価と売上アップのために、アップセルやクロスセルを狙いましょう。アップセルとは、当初探していた商品よりハイクラスな商品を購入してもらうことです。クロスセルとは、ついでに買ってもらえそうな商品を提案し、購入してもらうことです。
さらに、必要に応じて、ダウンセルも提案しましょう。ダウンセルとは、少し割安な商品の提案です。予算の都合で購入をためらうユーザーには、ダウンセルが効果的です。
9. 販売サイトのライバル候補への対応
競合は、他社の販売サイトだけではありません。売上を伸ばすためには、実店舗とショッピングモールの存在も意識しましょう。以下では、販売サイトの強みと弱みを解説します。
10. 販売サイトと実店舗との比較
実店舗に対する、販売サイトの強みと弱みを解説します。商品を手に取れない点をどのようにカバーするかが、販売サイトの課題といえます。
10-1. 実店舗に対する販売サイトのメリット
販売サイトは利便性が高い傾向です。商品が配送されるため、大きな商品の持ち帰りに苦労せずに済みます。また、実店舗になかなか行けなくても、24時間好きな時間に買い物できるのもメリットのひとつです。さらに、わずらわしい接客を受けずに自分のペースで商品を選べます。
10-2. 実店舗に対する販売サイトのデメリット
販売サイトでは安心して購入できないと感じるユーザーもいます。販売サイトは商品を手に取れません。写真を掲載しても、微妙な色合いや質感などは伝わりにくいものです。また、わからない点があっても、販売サイトでは気軽にスタッフに質問できません。
11. 販売サイトとショッピングモールとの比較
ショッピングモールに対する、販売サイトの強みと弱みを解説します。販売サイトはオリジナリティを出しやすい一方で、集客力が弱みといえます。
11-1. ショッピングモールに対する販売サイトのメリット
販売サイトは企業の個性を出しやすく、ブランディングに力を入れたい企業におすすめです。また、販売サイトでは、ショッピングモールに支払う手数料や利用料金がかかりません。
11-2. ショッピングモールに対する販売サイトのデメリット
大勢の人が訪れるショッピングモールと比べると、販売サイトは集客力が課題です。また、専門知識がないと、販売サイトの作成・運用が難しい場合があります。不安があれば、手厚いサポート受けられるサービスを選び、販売サイトを作りましょう。
12. 販売サイトの弱みをカバーする方法
実店舗やショッピングモールに対抗するために、販売サイトの弱みをカバーする方法を紹介します。
12-1. カスタマーサポートに力を入れる
カスタマーサポートを充実させ、安心して買い物ができる販売サイトを目指しましょう。クレームを受けたとしても、スピーディーかつ丁寧に対応できると、ユーザーから評価される可能性があります。加えて、カスタマーサポートが整備されていると、ユーザーのニーズがわかります。仕入れや商品開発に、ユーザーの意向を反映させましょう。
12-2. 販売サイト専用のテンプレートを利用する
販売サイト専用のテンプレートを使うと、集客力が弱い点をカバーしつつ、専門知識がなくてもサイトの作成・運用が可能です。たとえば、BiNDupでは販売サイト専用のテンプレートを数多く用意し、手厚いサポートを提供しています。